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わかりやすく工夫するにゃー! […制作ノート]


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多くの制作者が頭を悩ませるのが説明書でしょうか。

『グラギャモン』の説明書を作る際も、かなり苦労をしましたが、
『グラギャモンにゃん』でもさらに試行錯誤をしています。

『グラギャモン』の説明書はA4サイズの四つ折り。
円筒形の化粧箱に収めるとイマイチ収まりが悪く、読みにくさを感じていました。



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そこで『グラギャモンにゃん』では形状を変えて、
アコーディオンのようにジグザグに開く『蛇腹折り』を採用。
これなら円筒形のカーブにも対応できます。

また、蛇腹折りにしたことで、別の効果も発揮されました。

A4サイズの説明書をいざ読もうとしても、
大量の情報が、一気に頭に飛び込んでくることになります。
普段から説明書を読み込んでいる方なら問題ないですが、
不慣れな方にはかなりの負担。

蛇腹折りの場合、ページ数は増えますが、
90mm×120mmの小サイズの情報量を読み繋いでいくので、
負担が軽減されるようです。



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説明書に使う書体も丸ゴシック系の柔らかいものに変更しています。
『グラギャモン』では最低限残していたバックギャモンの専門用語も極力外し、
世界観に合ったものを採用しました。

シリーズものとしては、表記を揃えたいところですが、
それぞれの需要を考えれば、これが正解でしょうね。


間違えやすい部分はネコがサポートしてくれるという設定で、
手書き風の文字の補足分を加えてあります。
『グラギャモンにゃん』では上級ルールのポイントマッチを省いているので、
その分丁寧なルール説明ができましたね。




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悩んだのがルビです。

子供が遊ぶことを考えるなら、総ルビ(すべての漢字にルビを入れること)なのでしょうが、
正直面倒なのと、情報量が多くなり、コンパクトな説明書にならないこともあり、
漢字を減らしつつも、ルビを入れないことにしています。

家族で遊ぶ場合、基本的にはまず大人がルールを読んで伝えるだろうという判断です。


そのかわり、今回採用したサマリーカードは、
子供同士でも遊びやすいように、総ルビにしています。
ファミリー層や、初心者向けとしてはいい判断だったと思っています。





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オリジナルルールに関しては、『ふりなおしカード』の採用のみになりましたが、
個人的にはかなり気に入っています。

ゲーム慣れしてくると、どうしても複雑な駆け引きを求めたくなります。
『グラギャモン』のドランクカードがまさにそれでした。

バックギャモン経験者には使いどころがわかりますが、
初心者にとってはかなりハードルの高い追加要素だったようです。

『ふりなおしカード』には、それぞれネコの名前を入れるスペースを作っています。
ジャストアイデアを採用したものですが、他の作品ではあまり見かけない仕様ですね。
ルールには直接影響しませんが、こういったアイデアも大切にしたいところです。
 


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かわいいってニャンだろう? […制作ノート]

『グラギャモン』のシリーズ化に向けて、
それなりの手応えを感じたものの、
2月に入る頃から、制作活動が停滞します。

・新作作るより、再販した方が需要があるんじゃないか

・かわいい絵柄があまり得意じゃない

これまでハッピーゲームズが作ってきた
ゲームのイメージとあまりにも違うため、
場合によっては、別レーベルにしようかと思ったことも。

とはいえ、一番の停滞理由は、
ゲームマーケット春が、今年もゴールデンウィークに開催され、
結婚記念日とバッティングしているからですねw


いや、もうね、結局応募締め切りまでに、かみさんに相談できず、
家庭内稟議をどうにかクリアしたのは、二次募集になってから。

残念ならが二日目の試遊卓なしでの出展に、苦労することになりますが、
それはまた別の話。




家庭内稟議を通過してからは、後手に回った分、
まとめていたアイデアをもとに、無料配布の『にゃんこグラギャモン』から、
急ピッチで改良を加えることになります。

コンセプトとしては、

・誰が見てもかわいい

・奇をてらわない

・できるだけカラフルに


書くと簡単ですが、実際はなかなか難しいですねぇ。
テスト版の絵柄を家族から何度もダメ出しされていますw

『かわいいってニャンだろう?』と自問自答することも。






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好評だった『にゃんこグラギャモン』ですが、
ゲーム盤単体で見た場合、色数も少なく、まだ地味な印象があります。


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改良初期のデザインです。

・ゴール側の色を派手に目立たせる

・川や空をつくり、盤面にストーリー性を持たせる

・ピップ(ゴールまでの距離表示)をできるだけ大きく

・花の色をコマの色に合わせてわかりやすく

・文字を入れず、アイコンのみの表示に変更

この段階で何度かテストプレイにまわしていますが、
もう少し盤面に華やかさを加えることになります。


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ゴールに『親ネコ』を復活させました。
今回はシルエットではなく、キャラクターとして描いたものなので、
だいぶ印象が変わりますね。

骨になったおサカナもうまい具合にレイアウトできたので気に入っています。

ここから細部の調整をかなり繰り返していますが、
デザインとしては、ほぼ確定していますね。



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同時期に化粧箱のデザインも検討しています。

ネコのイラストはバランス検討用のダミーですが、だいぶ印象が違いますねw

作品のテイストがまったく違いますが、
『グラギャモン』と並べてバランス調整しています。
この頃はまだ、化粧箱の色を白にするか、黒にするか悩んでいた頃ですね。


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何度目かの調整を経て、現在のデザインに近づいてきました。

白ネコと黒ネコの位置が変わっています。
これは白ネコ=素人・初心者に見立て、主人公設定にしたためです。

横組みの文字列にレイアウトした場合、
左から右に目線が移動するので、
入れ替えたレイアウトの方が自然に見えますね。


タイトルは『グラギャモン』に『2=にゃん』を加えたものです。
『グラギャモン』自体の認知度が、それほどでもないので、
本当はもう少しわかりやすいものの方が良かったんでしょうね。




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ワンテンポ遅れて、サマリーカードや、
オリジナル要素の『ふりなおしカード』のデザインをすすめています。


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シンプルな絵柄というのは難しいもので、
ちょっとしたバランスで印象が変わってきます。

前後しますが、化粧箱やゲーム盤に描かれたものも含め、
ネコのイラストは何度もリテイクを加えることになりました。

事故のもとになるので、バリエーションのデータはすべて廃棄。
テスト用にプリントしたものがいくつか残るのみです。


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『ふりなおしカード』のネコたちは、
なるべく違った柄になるようにしましたが、
キジトラだけは、うちの愛猫をモデルにしています。

・・・本人(猫)は興味なさそうですが、
モデル料として、後日ちゅーるをプレゼントしました^^。



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ありがたいことに、『グラギャモンにゃん』のデザインは女性にも好評です。

守備範囲とはちがうテイストに苦労しましたが、
いい勉強になったと思います。



つづく
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ファミリー向けに試作するにゃー […制作ノート]

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残念ながらボツになった『すごろく商店街』ですが、
『グラギャモン』で、
いくつかのアイデアを引き継いでいます。

・盤面を左右非対称にする

・バー(『すごろく商店街』ではPOLICE)をセンターから外す

・初期配置をわかりやすくする

・ピップ(ゴールまでの距離)を表記する

・どこがゴールなのか明確にする

・ゲームにストーリー性を持たせる



ファミリー向けのデザインに変更する場合でも、
このアイデアは継承することにしています。





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記録として残している最初期のデザインですね。

検討用なので、かなりシンプル。

下記の検討をしながら、
『にゃんこならべ』の盤面デザインから
大きく離れないように注意しています。

・盤面がわかりやすいように情報量を減らす

・小学校低学年でも遊べるように、なるべく文字を入れない

・初期配置にネコの好物のサカナのイラストを使い、わかりやすくする

・ピップを色分けして、どちらの数字なのかわかりやすくする

・『バー』を子供にもかわりやすく『ふりだし』にする

・ポイントの三角形を尖らないように、丸みを持たせる

・ゴールには親猫のシルエットをレイアウトしてわかりやすく



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A3サイズの盤面に『にゃんこならべ』のコマが流用できるのか、
実際に試しています。
コピー用紙にプリントしたものですが、
イメージどおりにプレイ出来ました。



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『にゃんこグラギャモン』という名称で、
制作過程をの画像をtwitterにアップしたのも、この頃でしょうか。

『にゃんこならべ』の購入者がバックギャモンを楽しみ、
四つ折りの状態で化粧箱に収まるように、
サイズを縮小しています。




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前回からテストプレイをして、細部の修正を繰り返していましたが、
大きくは下記のような変更をしています。

・『ふりだし』の文字をはずして、サカナをレイアウト

・ゴールはネコのシルエットから、家をイメージする『キャットタワー』に

・『にゃんこならべ』の化粧箱に入るよう縮小



予想以上に反響があり、企画の手応えを感じています。

とはいえ、ここまでやっておきながら、勢いで作った試作品。

それなりに楽しめるものができましたが、
他の制作者がつくったゲームのコマを流用した企画です。
そのまま販売するわけにはいきません。






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そこで、『にゃんこならべ』の作者・福井さんに許諾をいただき、
期間限定でネットプリントでの無料配布をすることにしました。


ありがたいことに、twitterなどでいただいた感想も好評!!
多数の方々に楽しんでいただくことになりました。

お子さんや、普段ボードゲームを遊ばない方にも興味を持ってもらえたようです。

『グラギャモン』では切り捨てたファミリー層に需要が感じられます。

ボードゲームの需要が拡大して、
『すごろく商店街』を企画していた頃とは
だいぶ流れが変わってきたみたいですね。






 つづく
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シリーズものをつくるにゃー! […制作ノート]

5ヶ月ぶりの制作ノートです。

また、しばらくお付き合いください^^。





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ありがたいことに、ゲームマーケットのアンケートでも高評価をいただいた『グラギャモン』。

伝統ゲームのイメージを大きく変える、面白い試みができたと、
自分でも気に入った作品になりましたが、
再販をするうえで、いくつか課題点がありました。


・インパクトを重視するために、好き嫌いの分かれるデザインを採用した。

・あえてファミリー層を切り捨てるエロティックなビジュアルを採用した。

・バックギャモンの専門用語を覚えてもらうために、最低限の語句を採用した。

・店舗での委託販売、通販を考慮しない部材選びをした。


これらのこともあり、熱狂的に支持していただくこともあれば、
「家に持って行きづらい」「遊ぶ相手を選ぶ」といった声も聞こえてきます。

初版と同数を再生産するには、需要を感じることができず。
かといって、部材の一部が特注品ということもあり、少数の再販もしにくい。
今後の展開に悩む時期が2017年の年末まで続いていました。



それならいっそ、デザインを変えて、新しい『グラギャモン』を作ってみるのも、
面白いんじゃないかと検討をはじめています。

具体的には、『天使と悪魔』のモチーフを変更し、シリーズものとして、
バリエーション展開をしていくというものです。


・怪獣vs防衛軍(ゴールの怪獣に弾丸を撃ち込む)

・ゾンビ(ゾンビの群れから、ヘリやトラックで脱出)

・学園登校(遅刻しない)

・魔法少女(少女から美女に変身)

・8ビット系シューティングゲーム(タイトーっぽいのSFもの)

・ドラゴンスレイヤー(ファンタジー系、剣と魔法で竜退治)



アイデアはいくつも出てきますが、基本サブカル寄りですね。

『グラギャモン』をシリーズで展開するなら、
自分でイラストを描くのを諦め、作品ごとにイラストレーターを変えるぐらい、
思い切った舵取りをしなければ、企画として弱い。

もう一歩、企画を進める踏ん切りがつきません。





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そんな折、五目ならべをモチーフにしたボードゲーム
『にゃんこならべ』をネットで見かけることになるのです。


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ネット上では、ネコのコマだけの販売も行われており、
すでに有志の方々が工夫を凝らし、通常の囲碁に用いたり、
バックギャモンやハーフギャモンなどのオリジナルボードを制作されていました。




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『グラギャモン』は元々ファミリー向けに企画した
『すごろく商店街』というゲームからスタートしています。

それならいっそ、ファミリー向けのデザインに
もう一度チャレンジしてみるのもいいのではないかと、
正月休みを使いながら、アイデアを具現化していくことになりました。


これまでのハッピーゲームズのイメージから
大きく離れるデザインになりますが、果たしてどうなることやら。


つづく
 
 
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はるかなる時代の階段を […制作ノート]

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『すごろく商店街』から4年がけの企画となった『グラギャモン』。
どうにか一区切りできました。

伝統ゲームのリメイク、2人専用、大人向けのビジュアルといった、
少し前ならマイナス要素に挙げられるものを取り入れた企画でしたが、
4年という歳月の中で、ボードゲームを取り巻く状況の変化もあり、
ゲームマーケット2017秋で無事完売。



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ありがたいことに、Twitterなどでも、
北海道から沖縄まで『グラギャモン』をプレイしている様子が報告されています。
作者にとっては最高のご褒美ですね。

これまで遊ばれていなかった環境でも、活躍できるように工夫をしたゲームです。
機会があれば感想などを聞かせてください。

多くの方から再販のご要望もいただいていますが、
・・・本当に再販しても大丈夫なの?????
という思いが真っ先に出てくるのが正直なところw。
(たぶんこの作品は、ずっとこんな感じなんでしょうね^^)



長々と続けた制作ノートも、今回で最後になります。
拙い文章ですが、できるだけ情報を残すように心がけました。

何かの参考になれば幸いです。





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長い年月、世界中で遊び続けられてきたバックギャモン。

しかし、常に時代に合うように変化し、成長し続けたボードゲームです。

5000年の歴史のなかでは、この4年の試行錯誤もほんの一瞬の出来事ですね。



『グラギャモン』のゲームデザインのクレジットは、

『古代エジプト人とその後継者たち』と記載しました。



『グラギャモン』をきっかけに本格的にバックギャモンにハマるのもよし。

いやいやこうじゃないだろうと、新しい試みをするのもよし。

カジュアルに彼女とBarでお酒を飲みながら楽しむのもよし。



『グラギャモン』を遊んだ方々が、はるかなる時代の階段を上り、

この先に続く後継者になるとこと願います。




ハッピーゲームズ RYO
 
 
 
 
 
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タイトルがなかなか決まらないの […制作ノート]

制作した作品を認知してもらう上で、重要なのがタイトル名ですね。
まずはじめに、タイトル名を決める時にチェックしていることをいくつか。


・タイトルから作品の内容をイメージできるか

・同名の作品や、間違えやすい作品はないか

・覚えやすいか

・twitterなどで検索しやすいか

・スマフォなどでタイトルを打ちやすいか



まず、ゲームのイメージと、タイトルがリンクしないと、
それぞれがひとり歩きしてしまい、なかなか認知度が上がらないものです。
ただ、似たようなタイトルがある場合、どうしても二番煎じに思われたり、
混同されてしますので、できれば避けたいところ。

また、英語タイトルにありがちなのですが、使い慣れない単語や、
なが〜〜〜〜〜〜いタイトル名だと、覚えてもらえないことも。

そうした場合、せっかく面白いと思ってもらえても、
後日Twitterなどで検索しようと思っても、
なかなかヒットしないこともしばしば。

プレイした方が情報を発信しようとした時も同様です。
スマフォからプレイ画像や感想を書こうとしても、
タイトル名が分かりにくかったり、
間違えやすいと投稿する機会が減ることになります。

タイトル名の選定については、
いつか『制作おぼえがき』でも取り上げてみたいですね。



『グラギャモン』はどんな感じで決めたのか。

上記のことを考えながらアイデア出しをしているので、
ハッピーゲームズの作品名は、ほとんど迷うことなく決定しています。

ただ、『グラギャモン』はいくつかの出来事があり、
二転三転することになりました。



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『グラギャモン』は、初期は『GraGammo(グラギャモ)』を仮タイトルとしていました。

初期のテストプレイ用のゲーム盤には、
『GraGammo』という表記があります。
画像だと見にくいですが、小さく『グラギャモ』というカタカナも添えてあります。

『Graffiti(らくがき)』と『Backgammon(バックギャモン)』を
ミックスした仮タイトルですが、
最終的に『グラギャモン』になるまで、基本のコンセプトは踏襲していますね。


海外のグラフィティアートをイメージさせたかったのですが、
どうにも『グラフィティ』という単語が曲者でして。。。。

同じ単語でも『グラフティー』『グラフィティー』など表記は様々。
『グラフィック』などの別の単語とも間違えやすい。
しかも、タイプミスしやすいという、タイトルに使いたくない要素満載なんです。

『バックギャモン』という単語は伝統ゲームということもあり、
検索にヒットしやすい単語なので、そのまま使うにはよろしくない。

そこで、ふたつの単語を組み合わせた造語として『グラギャモ』としました。

『ン』を省いたほうが、語感が面白いと思ったのと、
バックギャモンのイメージから少し離したかったから。


もちろんTwitterなどに情報を上げる前に、
類似の作品がないかチェックしています。




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検索性は良かったものの、もうひとつピンとくるものがなかったため、
英語フォントを組み合わせたもので、
長いこと仮タイトルとして、テストプレイを続けています。

布製ゲーム盤も初校までは『グラギャモ』のまま。



とはいえ、さすがに決めなければならない時がやってきます。



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ゲームマーケットのカタログ原稿の入稿です^^。
やはりここは正式タイトルで表記したいところ!!!!



それと同時期に制作していたパッケージデザインでは、
タイトルロゴを含めた検討が進められています。



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最初期のパッケージでも、英語をメインに『グラギャモ』の表記ですね。

この画像をTwitterで公開したところ、
BGGなど、海外に日本のボードゲームの情報を紹介しているジョン・パワーさんから、
思わぬ反応がありました。
いただいた内容をまとめるとこんな感じです。


・『Gammon』は海外では『ブタ肉』を意味する単語

・英語圏の人間にとって『GraGammo』という単語は大変発音しづらい

・ボードゲームに見えないので、バックギャモンであることを大きく表示したほうがいい

・ダイスのイラストをもっとセンターに寄せれば、ボードゲームとして認識しやすい


もちろん英語でのやりとりだったので、
機械翻訳と英語のできる制作者の方にサポートしていただいています^^



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パッケージ上部のアーチには、バックギャモンの表記は一応あったのですが、
飾り程度に考えており、視認性は考慮していませんでした。

それにしても、『Gammon=ブタ肉』というのは驚きでしたね。
日本ではバックギャモンプレイヤーのことを
『ギャモナー』と表記することもあります。

バックギャモンの亜種も、『ナックギャモン』『フェアリーギャモン』という名称ですから。

レイアウト的に厳しいですが、タイトルを二段組みにせず、
『Graffitigammon』とすれば問題なかったか気になるところです。



DJwS2O2UIAEshvp.jpg-large.jpeg

ジョンさんと何度かのやり取りをして、デザイン変更したものです。
まだ『グラギャモ』のままですね。



ウィンドウのキャプチャ 1.jpg

当時のtwitterを確認すると、タイトル名で悩んでいたことが伺えます。

『グラギャモ』
『グラギャモン』
『グラモン』
『グラフィティ・ギャモン』
『グラフィティ・バックギャモン』

『グラモン』は『ポケモン』っぽくってアリかと思いましたが、
検索してみるとタイトーから発売された『ラクガキ王国』シリーズに、
類似するものが見つかりました。




IMG_1467.jpg

結局のところバックギャモンのイメージを
残したほうが良いと判断し、
『グラギャモン』を正式タイトルにしています。

最初は違和感がありましたが、今ではすっかり馴染みましたね^^。
 
個人的にも気に入っています。


 

長々と続けてきた制作ノートですが、次回で一旦終わりです。

『グラギャモン』を作ってみた感想などを綴っていようと思います。

 
 
あとちょっとだけお付き合いください。



つづく 
 
 
 
  
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デザインとイラストの試行錯誤 […制作ノート]

これまでの制作ノートにも書いたとおり、
『グラギャモン』の制作は試行錯誤といえば聞こえはいいですが、
実のところ迷走に迷走を重ねていたといって過言ではないですねぇ。

よく完成したもんだと、我ながら思います^^。


IMG_6075.jpg

ありがたいことに好評をいただいている
イラストやデザインについても、かなり検討をしています。

全体のデザインについては、
制作ノートの『需要あるのか?ないのか???』でも紹介しましたが、
既存のバックギャモンからなるべく離れながらも、
キャッチコピーでも『RE:DESIGN』としたように、
より分かりやすく、より遊びやすくなるよう工夫をしています。



でも、提案したものの中には、遊びにくくなるためにボツにしたものも。



IMG_0201.jpg


上の画像をよく見ると、
ポイント(三角形のコマを置く場所)のグラデーションの配置や、
外周部分の突起が、水平方向にシンメトリになっていますね。
これはデザインを優先した結果なのですが、
バックギャモンプレイヤーにとってはポイントを数えにくく不評でした。

GPから発売されたバックギャモンボードの初版でも、
おなじデザインを採用したため、twitterなどでもかなり問題になりました。

インナーボードとアウターボードの間にある、バーのラインも、
細く目立たなくしたものの残しています。
意味のあるものは、残さないとダメなようです。





少し長くなりますが、イラストについていくつか。

普段はデザインの仕事をしていますが、
それほどイラストを描く機会はありません。

当初は素材集のものを流用していた『グラギャモン』も、
評判が良かったため、そのまま進めるか、
イラストレーターの方に発注するかで悩んでいました。


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ただ、個人的には素材集のままでは制作物として物足りず、
もう少しインパクトを出せないかと、
彩色を思いっきり変えて『異色肌』にもチャレンジしてみました。

Twitterで公開したところ、かなり不評でしたね・・・orz



そんな矢先、闘病中の親族が危篤になり、
週末は自宅か事務所に待機することになりました。

その待機時間を使って、イラスト発注用のラフを描き始めます。


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レイアウトを大きく変更したくないので、
素材集のイラストからポージングやバランスが変わらないようにしています。

海外のグラフィティアートや、タトゥなどをイメージして、
線は太めに力強いものにしています。



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最初期のデビイ(悪魔)ちゃんです。
今とは全然違いますねぇw

やっぱプロに頼まないとダメだぁ〜〜〜〜〜!!
っと笑ったことを思い出します^^。



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それでも数度描き直し、かなり現在のイメージに近づいてきましたね。
コスチュームはヤリ過ぎて怒られないように、
下着ではなく水着にしたのですが
・・・まぁ、あんまり変わんなかったかな?

露出に関しては、どのへんがリミットなのか、
かなり気にしながら制作をしていましたが、
いまだに答えがわからないところです。

先日、BGGのフォーラムで海外の方が
『グラギャモン』について語っていましたが、
意外と保守的なのことに驚きました。




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部分的にキーカラーを加え、反転してデッサン狂いがないかチェック。
デビイは最終的に反転したものを採用しています。



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ワンテンポ遅れて、インナーボード用のイラストも同様に描き始めます。
デビイは肉感のあるボディラインにしたかったので、
素材集のものよりメリハリをつけています。



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さらに修正を加えたもので、テストプレイもしています。

ゲーム内容のチェックもありますが、
描き下ろしたものが素材集のイラストと比較して、
遜色ないかご意見いただいています。

この頃になると女性にも率先してご意見をいただくようにしています。
ありがたいことに、評判は良好でした!!

かなりSEXYなデザインなので、
女性からの拒絶反応があるのではないかとドキドキしていましたが、
サブカルテイストなものにも理解を持っていただけたようです。



当初から、イラストを描き下ろすなら、
天使と悪魔にしようという構想があったのですが、
キャラクターを共通にして、
色変えするだけでもいいかと思っていたところで・・・

『・・・微乳好きもいることを忘れないでください・・・』

という紳士のご意見をいただくことになりました。


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個人的にロリキャラは採用したくなかったので、
20代前半の設定で、童顔だけどちょっとSっ気のある女の子をイメージした、
アンジー(天使)ちゃんを描き始めました。


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体型が豊満なデビイと差を出したかったのですが、
なかなか思うようなボディラインになりません。


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上の画像もまだ初期のもので、顔を含めだいぶ違いますね。
彩色テスト後も、何度も調整し直してボリュームのない体型を模索しています。



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髑髏のデザインもリアルタッチなものから、
チープで愛嬌のあるものに変更しています。



IMG_0989.jpg

8月ごろのデザインです。
Photoshopで画像調整し、体型や表情を直しながら、
原寸にレイアウトした際のバランス調整。

陰影をつけ、身体のラインを強調しています。
イラストとしてはだいぶまとまった頃でしょうか。

イラスト発注用として描いたものですが、
評判がいいこともあり、だいぶ愛着もわいてきたので、
このまま採用することになりました。


この頃になると、ようやく布地を使った印刷の試し刷りをする算段ができています。



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Photoshopを使って、ラフな線に加工したらどうなるか実験してみましたが、
それほど効果が出なかったのでボツにしています。
紙だと判別できますが、布地印刷だと汚くなるだけでしょうね。



IMG_1079.jpg

ゲーム盤の隅にレイアウトした星は、ポイントマッチ用のカウンターですが、
気が付いた方が使う程度で十分と判断したので説明書には記載しませんでした。
この時期は、星の数を15個にしたり、
外したりとバージョンによって変化があります。



IMG_1262.jpg

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8月下旬に、布地印刷の校正が出てからは、印刷再現度の試行錯誤をする傍ら、
行きつけのBarや飲食店で、視認性やプレイ感などのテストもしています。

予想以上に布製のゲーム盤のプレイアビリティがよく、
ことあるごとにTwitterなどに投稿していましたね。



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ただ、布地印刷のにじみの問題が解消されないため、
イラスト自体に手を加えたり、印刷濃度を調整。
初校では潰れ気味だった細部のディテールを
できるかぎり再現できるよう試行錯誤をつづけています。



IMG_7226.jpg

そして、9月に入り、本当に最後の最後になって、
フレーム部分の色調を白地ベースから大きく変更しています。

白地部分が多いと、盤面全体がチープに見えるというご意見をいただいていましたが、
もう一方で、色が強くなるとコマが見えにくくなるというご意見もあり悩みました。

Twitterでアンケートを取ってみたところ、『白地ベース』の方が優勢だったのですが、
どんなテーブルで遊んでも見栄えがいい、現在の仕様に決定しました。

購入された皆さん、どちらの方がお好みですか?
機会があれば教えて下さい^^





ゲーム盤のデザインやイラストについて書いてきましたが、
パッケージについてもいくつか。



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『Barで酒瓶といっしょに置かれてもカッコイイもの』をコンセプトにデザインしています。

・・・が、以前にも書いたように、
アダルト寄りのものに例えられることが多いですね。
まぁ、気に入ってもらえているようなので、良しとするべきでしょうか????

初期のデザインでは、ロゴ色を黄色にしていますね。
これだとお菓子っぽさが出てしまうため変更しています。

日本のボードゲーム事情に詳しい英国人のジョン・パワーさんから、
デザインや英語表記についてご意見いただいて調整したのもこの時期ですね。



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円筒状のケースは局面で構成されているため、
レイアウトした文字が読める範囲が限られます。

意外と情報量を入れられないので注意したいですね。

ブルーとピンクの対決を色で表現するため、
特殊な配色になりましたが気に入っています。

この画像は初期のものですが、文字量やバランスなど苦心しました。



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表側のキャラクターも、離してしまうとキャラがゆがんで見えてしまうため、
できるだけ近づけた構図になっています。
おかげでエロさが強調されてしまった気がしますが・・・アリなんでしょうね(たぶん



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今回もだいぶ長くなってしまいました。

次回は作品名とタイトルロゴについて、いくつか書いておこうと思います。

タイトル表記については面白いハプニングがありました。
知らないことって、たくさんありますよね。





つづく
 
 
 
 
 
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特殊なコンポーネントにチャレンジ! […制作ノート]

『グラギャモン』は一点ものの制作物にする可能性が
最後まであった作品です。

コンポーネントも採算度外視で気に入ったものを用意していましたが、
量産することになることを前提にしていなかったので、
のちのち苦労することになりました。

今回はどのような部材を検討していたのか、
いくつか紹介したいと思います。





■チェッカー(コマ)

キラキラと輝くコマはtwitterなどで
テストプレイの様子を伝える際も注目されたポイント。

当初はコマの進行方向を区別するため、
非対称の涙滴型のものでテストプレイしています。



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コマ自体の評判は大変良かったものの、
コマの向きを揃えるのが面倒という意見も多く、
途中から楕円形のものに変更しています。



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部材のコストが高い『グラギャモン』ですが、
なかでもコマの価格がかなり厳しく、
どうにか安くできないものかと、類似の部材も探しましたが、
扱いやすさを含め、これ以上のコマを見つけることはできませんでした。



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コマの中に、板鉛を入れて重量アップを企画。
手作業で仕込んだこともありましたが、
1個単位での重量にそれほど変化を感じられずボツにしています。
・・・採用していたら、大変な作業になっていたでしょうね。無理w



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コマの裏面はそれぞれ金銀になっているので、裏面のままでも差別化できます。
テスト版では縫製用の部材のため穴がありましたが、
製品版は特注したものを使用しフラットになっています。
・・・再版のハードルが上がる処理ですが、個人的には満足しています。




■ダイスとグラス

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こちらも高コストですねw

通常のカラーダイスなら低価格のものがあるのですが、
テストプレイで使っていたクリアダイスの評判が良く、
そのまま採用することになりました。

当初、ダイストレイとして使用したショットグラスは同梱せず、
自分の気に入ったものを用意してもらうつもりでした。
テストプレイで使ってい・・・(以下略

良いものを作るのはいいのですが、ほんとに原価を落とせていませんねぇ。
結果的には購入者に満足してもらえるものを用意できたので間違えではないのですが、
もう少しなんとかしたいところです。




■ゲーム盤

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『グラギャモン』の企画のキモになった布製ゲーム盤。
一番難航したコンポーネントですね。

テストプレイのあいだに特殊紙、アクリル板など、
使えそうな素材を吟味していましたが、
本命として検討していたのが布です。

ネットなどを利用して、発注できそうなところに連絡をしますが、
『ボードゲーム?????・・・人生ゲームみたいな・・・アレですっか?』
という反応が電話の向こうから帰ってきます。

見積もりやサンプルをお願いしても、
連絡をもらえないこともしばしばでしたが、
7月頃に今回お願いしたHappyPrinterさんと出会い、
ようやく布地ボードの検討を進めています。

布地もたくさんの種類があります。
打ち合わせの中で、重量、折れ目のつきやすさ、印刷の出方、
価格などを考慮しながら、最適なものを選んでいます。



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課題となっていたのは、布のにじみですね。
トラブルを考慮して、色校正をお願いしています。

左が布地(初校)、右が紙に印刷したものです。
使用する布地の種類によっても違いはありますが、
紙と違いかなりインクのにじみが発生します。


IMG_1195.jpg

上が布地(初校)、下が紙に印刷したものです。
にじみを意識して文字などが潰れないように調整していましたが、
それでも気になる箇所がありますね。

イラストの細かいディテールなんかも潰れ気味になります。


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その後、印刷現場の意見を取り入れ調整した再校です。

若干良くなっていますが、まだ納得出来るクオリティにならず、
最終的にはPhotoshopでデータの濃度を再調整して再再校まで行いました。

『グラギャモン』のゲーム盤は、
やれるかぎりの調整をしたものですが、いかがだったでしょう?





■ドランクカード

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当初はポーカーサイズで検討していたドランクカードですが、
テストプレイで情報量が少ないこともあり、小型化を提案されます。

『七つの大罪、七つの美徳』で進めていたモチーフも、
いまいちピンとこないという意見もあり、
思い切ってお酒のデザインに変更しました。


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お酒の名称部分のフォントをすべて変更しています。
酒瓶の形状も全部変えたいところでしたが、視認性を考慮して統一。

テキストの下部には、効果の内容を英語でレイアウトしています。
『グラギャモン』のオリジナル要素はカードの使用だけなので、
バックギャモンのルールを知っていれば、英語圏の方にも遊んでもらえるという配慮です。

英訳は今回、多数の国産ゲームに携わったサイゴウさんにお願いしています。





■ケース

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多くのバックギャモンはアタッシュケース型の形状をしています。
持ち運びに便利ですが、重量があり、かさばるのが難点です。

コンパクトな巻物型のバックギャモンもありますが、
個人的には遊びにくくストレスがたまるので購入していません。


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『グラギャモン』では、それらの形状とは違ったものにしたいと思い、
通常の四角い化粧箱から、金属、塩ビ、布地など、様々なものを検討しています。

コストはもちろん、印刷のしやすさ、耐久性、見た目の奇抜さも重要な要素です。
見本市やネットで見つけた気になるケースを集めました。

ケース関連は画像や寸法だけでなく、かならず現物でチェックしたほうがいいですね。
思わぬ落とし穴がある場合もあります。



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ショットグラスと同様に、ケースもガラス製にしてみたら?とも考えましたが、
見た目以上に重量があり、耐久性にも不安があるので断念。



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黒い紙に金銀といった特色を使用した化粧箱も雰囲気があります。



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予算があれば特殊紙に印刷するのも悪くないでしょうね。
もちろんコストもすごいことになりますが・・・w



3Djkt.jpg

最終的には紙製の円筒に、プラスチック製のフタを使ったものを採用しました。
印刷部分はシール対応しています。
貼るのにはだいぶ手間がかかりましたが、イメージどおりの仕上がりになっています。

一部では、オ●ホとか、TEN●Aとか言われていますが、
かなりインパクトのあるデザインになったので、お気に入りですね。



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ショットグラスを同梱することになり、どうしたら破損しないか実験もしています。
布製のゲーム盤で周囲をカバーしたのは苦肉の策でしたが、
かなりいい感じにまとまったんじゃないでしょうか。




おとなしく紙をメインにすればだいぶ楽な進行だったと思いますが、
普段の仕事ではできない経験をたくさんすることができました。

企画に賛同していただいた関係者の皆さんに感謝です!!







だいぶ長くなりましたが、ようやく終わりが見えてきました。

次回はイラストやデザインについて書いてみたいと思います。

もう少しお付き合いください。



つづく
 
 
 
 
 
 
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追加要素の検討 […制作ノート]

4年前にすすめていた『すごろく商店街』は
バックギャモンをモチーフにしたオリジナルのルールでしたが、
駆け引きが違ったものになっていました。

バックギャモンを奇抜に、
より遊びやすくデザインを進めていた『グラギャモン』も、
オリジナルの要素を加えられないか、
割と早い段階から検討していました。


・コマの数を減らして、簡単に短時間に遊べる

・初期配置の変更して、難易度を調整する

・特殊カードを使って、ダイス目を操作する

・『すごろく商店街』のルールを再活用する


上2つはすでにオプションルールや、
ナックギャモン、フェアリーギャモンといったお手本になるルールが存在しています。

こういったものが、実際にどれぐらいの頻度で遊ばれ、
通常のバックギャモンの駆け引きと違いがあるのか調べていたところ、
ゲーム研究家で、フェアリーギャモンを多数考案されている草場純さんが主催する、
『フェアリーギャモン大会』に参加することができました。


時期的にはバックギャモンフェスティバルに参加するまえの2月下旬ですね。


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・・・バックギャモンに見えるけど、みんなルールが微妙に違うんだぜ?


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試合結果です。
どうにか5勝5敗(最初のマイナスギャモンは参加できず)に持ち込みました。

どのルールも面白く、それぞれの駆け引きがありますね。
一気にこれだけのルールをやると、脳みそが焼き切れます・・・w

興味ある方は、ルールも公開されていますので、ぜひチャレンジしてください。

フェアリーギャモンのルール説明

個人的には大変面白かったのですが、
10種のフェアリーギャモンを遊んだ感想として、
『楽しむには、バックギャモンの定石をある程度知っていないと辛い』
という結論になりました。

『すごろく商店街』の頃からわかっていたことですが、
伝統ゲームをいじるのって、すっごく大変なことなんですよね。



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その後のテストプレイや、Twitterでの反応をみていると、
求められているのは、完全なオリジナルルールではないと感じ、
どういったことができるのかアイデア出しをしています。


・バックギャモンのルールを遊びやすくする

・伝統ゲームに最近のボードゲームの要素を加える

・初心者と上級者の実力差を埋める

5月のバックギャモンフェスティバル後に、
これまでの『バックギャモンと違うルール』
というコンセプトから少し変えて、特殊カードのテスト版を制作。

初期のテスト版では『七つの大罪、七つの美徳』を
モチーフにしたカードになっていますね。

まだカードの能力もかなり効果が強く、
これからしばらくバランス調整することになります。




IMG_1862.jpg

結果的には、この選択はかなり正解だったようです。

『使わなければ通常のバックギャモンとして遊べる』ということで、
『グラギャモン』のデザインを気に入っていただいたバックギャモンプレイヤーにも、
抵抗なく購入してもらえました。

特殊カードを使ったハンデマッチも好評で、
実力差の調整が難しいバックギャモンでは、これまでになかった方法だったようです。



今回のドランクカード。
オマケ程度の追加要素に感じる方もいるとは思いますが、
実はかなり苦労しているんですw


 
さて、『グラギャモン』の制作ノートも後半になってまいりました。

次回はコンポーネントのデザインについて書いてみたいと思います。
年末でバタバタしておりますが、あまり日をおかずに公開したいですね。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
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バックギャモンプレイヤー的にどうなの? […制作ノート]

半信半疑のまま、試作を続けていた『グラギャモン』。

ボードゲーマー向けのテストプレイに続いて、
バックギャモンプレイヤーにも意見を聞くことになりました。



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『バックギャモンフェスティバル』は国内だけではなく、
海外からも多くの一流プレイヤーが参加する、
日本最大規模のバックギャモンのイベント。

2017年から会場を大崎に移し、ゴールデンウィーク中の連日開催に。

以前にもプライベートで初級クラスに参加したことがありますが、
『どのへんが初級なんですか?』と
問いたくなるレベルの方々がゴロゴロいる大会w。


バックギャモンフェスティバル2017



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この3〜4年のあいだにイベントの雰囲気もだいぶ変わったよですね。
会場ではボードゲーマーならおなじみの『シュピール遊園地』による新曲披露や、
『寿司ギャモン』の動画配信なども企画されており、
試合だけではない、イベントとしての盛り上がりも感じます!!



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さすがに皆さん真剣勝負!
『ボクの作った最高のバックギャモンボードをみてちょうだい〜!』とはしゃぐ雰囲気ではなく、
試合の合間の息抜きタイムに、ちょっとご意見をいただくことになります。

ちなみに、懲りずに初級戦にチャレンジしますが、
対戦成績が伸び悩み、残念ながら入賞できませんでした。
ま、まぁ、今回は・・・試合がメインじゃないから・・・ないからぁぁ!!!!




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Twitterで交流のあったバックギャモンプレイヤーのテクノキューブさんをはじめ、
がっつりバックギャモンを楽しまれている方に、実際にプレイしていただいています。

4年前のことがあったので、バックギャモンプレイヤーのみなさんに、
どのような感想をいただけるのか不安でしたが・・・



デザイン含め、大変好評でした!!



実はすでにTwitterなどに公開した画像で『グラギャモン』を知っていた方も多く、
興味をもっていただけていたようです。

試合で使われるLサイズのボードとは違い、コンパクトなので若干遊びにくいものの、
通常のバックギャモンにはない、グラフィックやピップ・進行方向の表記は目新しく、
初心者にもすすめやすいとのこと。


また、この日はバックギャモン協会代表の
来住野さんにご挨拶できたのも大きな収穫ですね。

来住野さんは全国のボードゲームカフェで、
初心者向けのバックギャモン会を企画されたり、
低年齢向けのバックギャモンを考案されています。

Twitterでは『グラギャモン』の情報を
リツイートしていただき、大変励みになりました。




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その後、秋に開催された王位戦にも
完成間近の『グラギャモン』を持ち込んでいます。

こうした活動でバックギャモンプレイヤーにも、
『グラギャモン』の需要があると感じることができました。




『すごろく商店街』を企画した頃と比べ、
4年の間にだいぶ流れが変わってきましたね。


ただ、ここまでやっても、企画にGOサインを出せずにいます。

『遊びたい』と思わせるだけではなく、
『欲しい』と思わせるレベルにならないと、
まとまった数を生産するのは怖いですよね。。。。



そこで、バックギャモンにはない、
『グラギャモン』だけの追加要素を検討することになります。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
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