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あぁ手作り阿修羅道! [・ビアヘックス]


「ビアヘックス」は布ボードから
王冠コマなどの部材デザインが先に出来上がりました。




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「酒場テイスト」のイメージに合わせ
タイトルロゴ案の確定させた頃には、
いよいよ化粧箱のデザインを進めることになります。





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「ビアヘックス」は通常の化粧箱を使わず、
インパクトのある形状にできないものかと、
様々なサンプルを取り寄せていました。




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何度か作者である齋藤さんと打ち合わせをする中で、
黒くてコンパクトなこのケースが選ばれます。




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説明書を含め、内容物をまとめれば、
1段に収納できますが、見た目もカッコよく、
布ボードもきれいに収納できることから、
2段組みのものを採用しています。

とてもいい化粧箱なんですが、ひとつ大きな弱点が・・・

なんとこの箱は、制作者が自分で組み立てる、
いわゆる「組み箱」なんです。

しかも2段組みにしたので、作業量は倍になります!!





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つづいて化粧箱の引き出しの方向に対して、
ロゴをどう見せるかを検討した時の画像です。

「ビアヘックス」は黒箱にシールを貼る仕様になっています。

もちろんシールもひとつひとつ貼ることになります!!!!





気がつけば齋藤さんの負担が多い仕様になってしました。

本来ならばサポートしたいところですが、
齋藤さんが遠方に住んでいるということもあり、
お任せすることになります。

ありがたいことに「楽しんで作業しています!」と言っていただき、
ちょっと安心していたのですが、
ここからさらに恐ろしいことになります・・・



齋藤さんが手作り阿修羅道にハマるのです・・・




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円形チップの裏面に接着される磁石が、
よりコンパクトで強力なものに変更されていました。

しかもSN極の向きも統一されてますw




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次に額装版の検討が始まりました。

そのまま額に入れるのではなく、スプレーのりを使用し、
布ボードにシワが出ないように固定。

板磁石を仕込み、王冠コマが額に張りつく工夫が凝らされています。

な、なんという手間のかけよう・・・




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さらにアルミ削り出しの高級額縁を取り寄せ、
豪華版も作り始めるのです!!!!



余裕を持ったスケジュールで進められた「ビアヘックス」ですが、
齋藤さんのこだわりと手作業によって、
さらなるバージョンアップが繰り返されました。

ハッピーゲームズではとてもできませんね。







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「ビアヘックス」はゲームマーケット大阪に合わせて再販されています。

今回も齋藤さんの手作り阿修羅道が炸裂!
ギリギリまで増産したそうですが、
どうしても手間がかかる作品です。
一度在庫がなくなると再販までに時間がかかります。


気になる方は、この機会にぜひ
BrainBrainGames(P17ブース)にお越しください!
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羅針盤と十字架になるまで [・ビアヘックス]

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「酒場テイスト」なゲームとして
デザインの方向が決まった「ビアヘックス」。

布ボードに合わせて王冠の色も金と銀になりました。

個人的には無垢の金属感が気に入っており、
そのまま採用したかったのですが、
齋藤さんからビールの王冠をイメージしたデザインも
見てみたいというご提案があり、
いくつか検討することになりました。



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BrainBrainGamesとハッピーゲームズをイメージした王冠デザイン案。
長崎と東京の地ビールという設定です。
王冠にシールを貼る仕様でデザイン検討が進みます。

悪くはない...というか、むしろ個人的には気に入っているのですが、


脳ミソとガイコツで...


凄 ま じ く 禍 々 し い で す ね w



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一応、視認性チェックのために画像合成もしています。
いや、悪くはないんでs(略




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このタイミングで王冠の裏側に配置される円形チップの仕様が決まりました。

これまでのテストプレイでは磁石にシールを貼る仕様でしたが、
ちょっとチープなので、他の部材や仕様を検討していました。

なんということでしょう......
齋藤さんが手作業で紙製の円形チップに磁石を接着するというのです。

かなり無茶な試みなのですが、実はこのあと続く......

「手作り阿修羅道」のはじめの一歩でしたw





ここからは、王冠と円形チップの両方を同時にデザインしています。




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「脳みそ」=思考+「ダイス」=運というコンセプトでデザイン変更したものです。
同じデザインですが、王冠と円形チップで色調を変えています。

このデザインは齋藤さんに気に入ってもらえたものの、
自分の中ではしっくりこず、別の方向性を模索しています。



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ビールの王冠というイメージを離れ、
王冠にケルト文様、円形チップに宝石をモチーフにした案です。


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王冠のケルト文様は気に入ってもらえましたが、
円形チップに宝石の代わりに
ボードのテクスチャーを入れたいという提案が返ってきます。

盤面が地味になるので、気がすすみません。


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代案として王冠は無垢のまま、
円形チップにケルト文様を配置したものを提案しています。

盤面にもケルト文様を加え、ルールをわかりやすく誘導できるようにしたのですが、
盤面に集中できないということでボツになりました。


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ケルト文様自体は気にいてもらえていたのですが、
自分自身が面白さを感じられなくなったので、さらにもう1案検討しています。

BrainBrainGamesの本拠地である長崎をイメージし、
「羅針盤」と「十字架」をモチーフにしたデザインです。

自分の中でも、ようやく纏まったという実感が湧いてきました。



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齋藤さんにも気に入ってもらい、最終的にロゴもアールデコ調に変更。
このデザインで進めることになります。




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ビールの王冠案はそのままお蔵入りする予定でしたが、
齋藤さんがとても気に入り別売のシールとして採用!

しかも金属の質感を出せる高級仕様!
ゲームマーケットでは、おまけとしても配布されていましたね。




さて、予定より長くなったので今日はここまで。


手作り工作をコンセプトに始まった「ビアヘックス」は、
お洒落な方向にデザインの方向を変えていきました。


......が、手作り工作を諦めない齋藤さんが、
ここから阿修羅道に踏み込むことになりますw




次回がたぶん最終回。



引き続きよろしくお願いします!






つづく
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「酒場テイスト」なゲームをデザインするのに・・・ [・ビアヘックス]

昨日、BrainBrainGamesの齋藤さんが「ビアヘックス」の制作ノートを公開しました。

「ビアヘックス」制作メモ



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制作ノートの最後で、パスを出してもらっていますので、
デザイン面についてのアレコレを思い出しながら語っていこうと思いますw












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最初にご依頼のメールをいただいたのは2020年の6月。

コロナの影響で「ゲームマーケット大阪」「ゲームマーケット2020春」が中止になり、
外出禁止の日々が続く中のことでした。


当時のメールを読むと、ゲーム内容よりも、
ハードルの高い手作り制作をすることに目が止まりますw

その日に返信したメールもその確認だけですねww






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最初期の齋藤さんの構想としては、ビールの王冠や木材を使って、
自分だけのオリジナルコンポーネントを制作するという企画でした。

プラモデルの完成品と組み立てキットをイメージしてもらえるとわかりやすいかな。


・齋藤さんが手作り制作したゲーム

・手作り制作ゲームのキット



この2種類を販売するというものでしたが、
さすがにそれは無茶だろうと反対しています。




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この後に送ってもらったゲームボードのイメージラフ。

この段階ではゲームテーマは、
前作「フリップフロップ・エージェンツ」と同じく「スパイもの」でした。

最初期はゲーム内容よりも、部材等についてのやりとりがつづきますが、
ゲームシステムについては、お話しいただいた段階でかなり面白く、
製品版の「ビアヘックス」とほぼ同じルール。

息子とテストプレイを何度かしましたが、
「お父さんのつくるゲームより面白いんじゃね?」という高評価(泣)




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王冠を使うことから逆算して、
A4サイズにまとまるように、再設計したものがこちら。

仮タイトルとして「ベルリン1984」が入っています。
スパイコマを配置して、自分の陣営の情報ラインを繋ぐという設定。

ステンシルシート(スプレー用の型紙)として使用できるように考慮していますが、
黒、赤、黄の三色塗り分け含め、かなり難易度の高い設計になっています。

一点ものならまだしも、量産するのはリームーっすねw

実際に量産できるかテストしてもらいましたが、
やはり厳しいという判断になり、
齋藤さんを「手作り阿修羅道」へ突き落とさずに済んだと、
この時喜んだことを覚えています・・・。




王冠をコマとして使うことが確定。

テーマが「スパイもの」から「酒場テイスト」に変更された頃には、
手作り生産とは別に、通常印刷にした場合どうするかの検討も進めています。




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ネスターゲームズのアブストラクトゲーム群をはじめ、
ヘックスを使用したゲームの見た目は、良くも悪くも似てしまいます。

そこで六角形のデザインから、どこまで離れられるかということを課題に、
いくつかのデザインラフを検討してみました。

手作り制作版では、スプレー缶をつかって、
木材や壁にボードを描くことを想定していたので、
ヨーロッパのグラフィティアートをイメージしています。





部材の仕様が決まらないまま7月に突入。

手作り制作の野望を捨てきれない齋藤さんから、
2種類の仕様で作れないかという提案をいただく。

「過去ボード」レトロ感のある西部劇風、手作り部数限定
「未来ボード」カラフルなSF風、通常印刷量産


「過去ボード」は齋藤さんお任せすることにして、
「未来ボード」のデザインをどうするかアイデアを練り直し。



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グラフィティアートをイメージしたものを
シルバーとゴールドでまとめ直したものです。

素材には、バーなどの酒場で遊べるようにしたいという要望から、
「グラギャモン」同様、布地ボードを提案していますね。

このデザインがテストプレイ場となっている長崎のサニーバードでも、
「テーマはよくわからんが無闇やたらにカッコイイ」と評判になったとのこと。




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東京でもテストプレイをしています。
写真はボードに合わせ、王冠の色を金銀に変更できないか提案した時のものですね。

この時点では王冠にシールを貼る予定でしたが、
金属の質感が大変よく、無垢のままでいいのではないかと提案しています。



この頃のメールを見ると「東京の感染者数150人勘弁して欲しい」なんて書いてありますね(ウヒー




何度かの打ち合わせの末、「未来ボード」の方向性が定まりました。

齋藤さんが検討していた「過去ボード」は
制作困難なこともあり、残念ながらボツにすることが決定。


ようやくタイトルも「ビアヘックス」に決定し、
作品としての方向性がまとまってきました。






・・・が、ここで思わぬハプニング・・・






なんと、「ビール」がタイトルに入っているゲームをデザインしているのに・・・






痛 風 に な り ま し た w






うげげげげげ...

コロナの影響でこもりっきりになっていたのが悪かったのか、
もともと尿酸値が高かったのですが、
しばらく動けぬ日々が続くことになりました。

実はこの頃すでに禁酒をしていたんです。
なんかこう釈然としないですねぇw




これ以降、痛風なのに「酒場テイスト」なゲームをデザインすることになります^^




さて次回は、王冠のラベルやそ化粧箱といった、
ボード以外のデザインについてお話ししたいと思います。



引き続きよろしくお願いいたします。




つづく

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