仕上がりをチェック [・印刷入稿にチャレンジ]
通常のオンデマンド印刷なら、あっという間に仕上がりますが、
今回は『早割キャンペーン』でお願いしているので、
納品までにだいぶ時間がかかりました。
印刷が終わっても、箱詰め作業を自分たちでやる場合は、
もうしばらく作業をすることになります。
スケジュール管理を最後まで忘れずにいたいですね^^
このことは事前に分かっていたので、
ルール変更などがあってもいいように、
マニュアルだけはギリギリまで入稿せずに別ルートで用意しました。
他のサークルでも同じ方法を取る方もいらっしゃるようなので、
トラブル回避の有効な手段なのかもしれません。
円形チップとカードは型抜きされていますが、台紙から切り離されていません、
手作業で分離しながら、それぞれのセット枚数に仕分けをしていきます。
できれば複数人で作業を行う方がいいでしょう。
一人当たりの労力の問題もありますが、
この段階で重要なのはミスプリントのチェックです。
ヨゴレ、キズ、折れ、欠けなど、
量産する場合、どうしてもミスプリントが発生する場合があります。
もちろんそれを見越して、多めに印刷して納品されていますが、
自分たちで箱詰めする場合は、確認作業もやらなければなりません。
・・・けっこう大変です(真顔
ただ、この作業をおろそかにすると、あとで自分がイタイ目にあうので手を抜けません!!
カードは枚数を確認した上で、シールつきのフィルムにまとめています。
ちゃんと何セットあるか確認するのを忘れずに!!
最終的に化粧箱に収めるますが、全部出来上がったはずなのに、
チップやカードが1セット余っている・・・なんて悪夢のような出来事は避けたいですよね^^
『傾国-KEIKOKU-』第2版では、最後に化粧箱にもフィルムをかけました。
さらにひと手間かかりますが、やはり見栄えが良くなりますね。
このあとは出来上がったものをダンボールに梱包し、
東京ビックサイトの会場に発送することになります。
こうして『傾国-KEIKOKU-』は無事にゲームマーケットに出展することができました。
『印刷入稿にチャレンジ』という企画で、
最初の打ち合わせから、デザイン作業、印刷入稿を経て、
納品されたもののチェックまで、一連の流れを紹介してきましたが、
今回が最終回になります。
実際にやってみると、ここには書かれていないような
様々なトラブルや、試行錯誤があると思いますが、
ひとつの入稿例として参考にしてみてください。
最後に、テンプレートの公開を承諾していただいた萬印堂の作道様に感謝いたします。
今回の企画で、少しでも印刷入稿のハードルを下げることが出来れば幸いです。
入稿する時の注意点 [・印刷入稿にチャレンジ]
すべてのテンプレートにデザインをレイアウトしたら、いよいよ入稿です。
萬印堂に入稿する場合、大きく分けて2つの方法があります。
■入稿データをサーバーやストレージにUPする。
■データをDVD-Rなどに焼いて発送する(直接持ち込みも可)。
どちらの場合も、確認用のPDFや出力見本をつけ、
仕上がりの状態を確認してもらう必要があります。
カード、ゲームボードなど、パーツごとにフォルダを分け、
データを整理して入稿するとトラブルが少ないですね。
データの名称は日本語(ひらがな、カタカナ含む)ではなく、
アルファベットを使うのがおすすめです。
日本語を使うと、文字バケしてしまう可能性があるからです。
時間に余裕があるならば、事前にPDFなどを送り、
仕上がりにミスがないかチェックしてもらうのもいいでしょう。
『傾国-KEIKOKU-』でもお願いしています。
本業でも入稿時が一番バタバタします。
今までの経験から、やっておいた方が良いことをまとめておきます。
今後の参考にしてください。
(思い出すことがあれば、追加していきます)
■入稿予定日の前日にはすべての作業を終了するようにしましょう。
当日は確認作業だけやるつもりでスケジュールを立てておけば、
もしもの時に調整が利きます。
■入稿データにヌケがないか、かならずチェックしましょう。
出来れば複数名でチェックすると良いでしょう。
完璧だと思っても、何かしらやらかすものです(経験者談^^
■画像の変換ミス、文字のアウトライン化などを忘れない。
入稿ミスで多いのは、画像をRGBからCMYKへの変換、
文字のアウトライン化、貼り込み画像などの添付データの入れ忘れでしょうか。
■いきなり入稿するのではなく、事前に連絡しておくとトラブルが少ないです。
メールでかまいません。
事前連絡しておくと、印刷所もスケジュール調整できますし、
入稿データをすぐに確認してもらえるので、対応が早くなります。
■万が一、入稿が遅れる場合は、早めに連絡を入れましょう。
これ絶対です。締切は信頼関係です。
締切が間に合わない場合も、早めに連絡していれば、調整してもらえる可能性もありますから。
■インクジェットで出力したものは、色見本として使えません。
6色〜12色といった高画質プリントは、通常の4色印刷では再現できませんし、
インクの種類が違うのでどうしてもイメージに差が出てしまいます。
レイアウト見本としては問題ありませんが、印刷用の色見本としてはおすすめできません。
■入稿データに不備があった場合は、なるべくはやく対応しましょう。
電話やメールで連絡が入った場合、すぐに修正作業に入れなくても、とりあえず連絡を取り、
いつまでに修正データを仕上げられるか印刷所に伝えられると良いでしょう。
■連絡がない場合は、こちらからしてみる。
入稿データを送ったがいいが、印刷所から連絡がない。
なんらかの原因で届いていない場合や、
確認漏れとなり、印刷作業が進んでいない場合もあります。
連絡を貰えない場合は、こちらから動いてみるのも良いでしょう。
早割の場合は、データに不備がないことが確認され、
早割が適応されるかチェックが入ります。
『傾国-KEIKOKU-』は一発OKでした♪
入稿が終われば、あとは刷り上がりを待つばかりです。
次回はいよいよ最終回。
仕上がりのチェックになります。
お楽しみに♪
印刷濃度について [・印刷入稿にチャレンジ]
通常の印刷物はC=シアン(青)、M=マゼンダ(赤)、Y=イエロー(黄)、K=クロ(黒)の
4つの色を重ね合わせて作られています。
この重ね合わされた色の総量を印刷濃度といい、
最大で(それぞれが100%なった場合)400%になります。
当然、濃い色になるほど各色を塗り重ねられることになります。
『傾国』の一番濃い部分を調べてみましょう。
C=89%、M=83%、Y=87%、K=74%、総量(合計)=333%でした。
萬印堂では4色のインクを使ったオフセット印刷と、
カラーコピーのようにトナーを使ったオンデマンド印刷が行えます。
萬印堂でオフセット印刷をする場合、
この総量を300%まで下げるように指示されています。
印刷濃度が上がりすぎると、刷り上がった印刷物のインクが乾かずに、
スレが発生したり、裏移りする可能性があるからです。
Photoshopの初期設定では、印刷濃度の上限が350%に設定されているので、
カラー設定を変更した上で調整しましょう。
テンプレートで使われているIllustratorでも文字などに効果を入れている場合は、
再度チェックをした方が良いでしょう。
『傾国-KEIKOKU-』第2版はオンデマンド印刷のため、
総量オーバーしても問題ないという回答をいただいているので、そのまま入稿しています。
オンデマンド印刷は、簡易印刷と呼ばれることもあり、
小ロッドの場合は低コストで印刷することができます。
ただし、インクで刷られるオフセットと比べると、
どうしても仕上がりが見劣りする場合があります。
また、オンデマンド印刷に使用されるトナーには蛍光色が混ぜられており、
イメージしていた色調より、発色が良くなる場合もあります。
気になるときは有料ですが、色校正を出してもらいましょう。
『傾国-KEIKOKU-』では色校正は出さずに、そのまま進めてもらいました。
いただいたテンプレートに画像や文字データを配置して、いよいよ入稿です。
最近では入稿データをサーバーや、ストレージにUPするのが主流になり、
直接印刷所とやり取りをしないケースも増えてきました。
入稿したはいいけど、送ったデータに不備があることも多いようです。
次回は本業で起こったトラブルも含め、入稿する時の注意点をまとめていきます。
お楽しみに!!
化粧箱を作る [・印刷入稿にチャレンジ]
今回はいよいよ化粧箱です。
これまでのように萬印堂のテンプレートに、
『傾国-KEIKOKU-』のデザインをレイアウトしていきます。
こちらがフタのテンプレート。
そしてこちらがソコのテンプレート。
サイズの違いはありますが、当然ながらよく似たテンプレートなので、
間違えてレイアウトしないように注意したいですね。
濃いピンクと黄色の部分が化粧箱になり、
薄いピンクの部分は化粧箱の内側に折り込まれたり、断裁される部分になります。
『傾国-KEIKOKU-』は化粧箱をタテにしたデザインなので、
いただいたテンプレートを90度回転して作業をすすめています。
Photoshopで制作した化粧箱の画像はこんな感じです。
フタ(上)は画像扱いで制作したロゴは配置していますが、
微調整が必要なフレームなどは含まれていません。
ソコ(下)も文字要素は入れずに作業をすすめています。
こちらの画像には含まれていませんが、テンプレートのデータを取り込み、
別レイヤーとして配置しています。
後でテンプレートに貼り込んだ時に寸法がズレないように調整するためです。
もちろん、側面部を別のデータに分ける方法もありますが、
今回は背景部分の画像をつなげたままのデザインにしたかったので、
このような方法を取りました。
テンプレートに貼り込むとこんな感じになります。
文字要素や追加の画像、それに金色のフレームを追加しています。
ガイドラインを表示していますが、このままだとちょっと分かりにくいでしょうか。
タチキリ(実際の化粧箱のサイズ)でトリミングしてみました。
だいぶ分かりやすくなりましたね。
実物を見てみましょう。
化粧箱は印刷した紙を、厚紙に貼付けて制作されるので、
円形チップ同様、多少のズレが生じる場合があります。
『傾国-KEIKOKU-』のようにフレームをつけたデザインは、
ズレが目立ちやすいのですが、大丈夫なようですね。
テンプレートにあった黄色の部分が、文字などを配置するエリアなのですが、
今回はギリギリにフレームをレイアウトしています。
裏にすると貼られた印刷面が折り返されているのがわかります。
全面に画像をレイアウトする場合は、できればここまで延長しておきたいですね。
ソコも見てみましょう。
フタがかぶさる部分にも印刷を延長できるので、
デザインするときに工夫したいところです。
ソコには文字要素がたくさん入りますが、
ギリギリの位置文字を配置すると見栄えが悪くなることがあります。
展開図の状態ではなく、立体になることを想定してデザインするとよいですね。
『傾国-KEIKOKU-』ではテンプレートの指示より広く取り、
8mm程度開けてありますが、実際に仕上がったものを見ると、
10mmでもよかったかもしれません。
化粧箱のキャッチコピーなどの文字要素は、
行間や文字詰めにもひと手間かけると、格段に見栄えが良くなります。
面倒ですが、やっておいて損はないでしょう。
出来上がった化粧箱はこんな感じに納品されます。
中身はカラですが、箱を閉じた状態になっています。
見た目より軽いのですが、とにかく場所を取りますので、
納品されたら早めに箱詰めしたいですね。
木製コマは既製品を取り寄せているので、
萬印堂への入稿物はこれで最後となります。
次回はちょっと専門的になりますが、印刷濃度について説明したいと思います。
できればインクやトナーについても軽く触れるつもりですが、
あまり長くならないように注意したいところです。
それではまた次回!!
これまでのように萬印堂のテンプレートに、
『傾国-KEIKOKU-』のデザインをレイアウトしていきます。
こちらがフタのテンプレート。
そしてこちらがソコのテンプレート。
サイズの違いはありますが、当然ながらよく似たテンプレートなので、
間違えてレイアウトしないように注意したいですね。
濃いピンクと黄色の部分が化粧箱になり、
薄いピンクの部分は化粧箱の内側に折り込まれたり、断裁される部分になります。
『傾国-KEIKOKU-』は化粧箱をタテにしたデザインなので、
いただいたテンプレートを90度回転して作業をすすめています。
Photoshopで制作した化粧箱の画像はこんな感じです。
フタ(上)は画像扱いで制作したロゴは配置していますが、
微調整が必要なフレームなどは含まれていません。
ソコ(下)も文字要素は入れずに作業をすすめています。
こちらの画像には含まれていませんが、テンプレートのデータを取り込み、
別レイヤーとして配置しています。
後でテンプレートに貼り込んだ時に寸法がズレないように調整するためです。
もちろん、側面部を別のデータに分ける方法もありますが、
今回は背景部分の画像をつなげたままのデザインにしたかったので、
このような方法を取りました。
テンプレートに貼り込むとこんな感じになります。
文字要素や追加の画像、それに金色のフレームを追加しています。
ガイドラインを表示していますが、このままだとちょっと分かりにくいでしょうか。
タチキリ(実際の化粧箱のサイズ)でトリミングしてみました。
だいぶ分かりやすくなりましたね。
実物を見てみましょう。
化粧箱は印刷した紙を、厚紙に貼付けて制作されるので、
円形チップ同様、多少のズレが生じる場合があります。
『傾国-KEIKOKU-』のようにフレームをつけたデザインは、
ズレが目立ちやすいのですが、大丈夫なようですね。
テンプレートにあった黄色の部分が、文字などを配置するエリアなのですが、
今回はギリギリにフレームをレイアウトしています。
裏にすると貼られた印刷面が折り返されているのがわかります。
全面に画像をレイアウトする場合は、できればここまで延長しておきたいですね。
ソコも見てみましょう。
フタがかぶさる部分にも印刷を延長できるので、
デザインするときに工夫したいところです。
ソコには文字要素がたくさん入りますが、
ギリギリの位置文字を配置すると見栄えが悪くなることがあります。
展開図の状態ではなく、立体になることを想定してデザインするとよいですね。
『傾国-KEIKOKU-』ではテンプレートの指示より広く取り、
8mm程度開けてありますが、実際に仕上がったものを見ると、
10mmでもよかったかもしれません。
化粧箱のキャッチコピーなどの文字要素は、
行間や文字詰めにもひと手間かけると、格段に見栄えが良くなります。
面倒ですが、やっておいて損はないでしょう。
出来上がった化粧箱はこんな感じに納品されます。
中身はカラですが、箱を閉じた状態になっています。
見た目より軽いのですが、とにかく場所を取りますので、
納品されたら早めに箱詰めしたいですね。
木製コマは既製品を取り寄せているので、
萬印堂への入稿物はこれで最後となります。
次回はちょっと専門的になりますが、印刷濃度について説明したいと思います。
できればインクやトナーについても軽く触れるつもりですが、
あまり長くならないように注意したいところです。
それではまた次回!!
円形チップを作る [・印刷入稿にチャレンジ]
前回に引き続き萬印堂のテンプレートに、
『傾国-KEIKOKU-』のデザインをレイアウトしていきます。
今回は円形チップです。
円形チップにはいろいろなサイズがありますが、
『傾国-KEIKOKU-』では直径25mmのものが使われています。
テンプレートには一度に70枚の円形チップを印刷できるようになっています。
『傾国-KEIKOKU-』は1セットに17枚の円形チップが使われているので、
これ1枚で4セット分印刷できますね。
拡大してみると、通常3mm幅のヌリタシが2mmになっていることがわかります。
このチップのひとつひとつに、画像と文字を配置していきます。
Photoshopで制作した円形チップの画像はこんな感じです。
進軍チップ(上)は数字と地紋の漢字がそれぞれ違うので、画像には含まれていません。
城チップ(下)も本来なら文字はレイアウトしないのですが、
文字に画像処理を加えるために、今回はPhotoshopに組み込んでいます。
レイアウトするとこんな感じになります。
4セット分だと2個分余りが出るので、左下をそのままブランクにしてあります。
タチキリ部分(実際のサイズ)にラインを加えてみました。
きれいに円のセンターにレイアウトされていることが分かります。
ですが、このレイアウトどおりに型抜きされるとはかぎりません。
というのも、円形チップは紙に印刷したものを、厚紙に貼り込んだ上で型抜きしていきます。
手作業で行われるために、カードなどの通常印刷と比べ、ズレが生じやすくなっています。
誤差は0.5mm程度なのですが、デザインによっては目立つ場合があります。
『傾国-KEIKOKU-』は片面ですが、両面印刷の場合はもっと大きくズレる可能性があります。
『傾国-KEIKOKU-』の円形チップです。
上が城チップ、下が進軍チップになります。
城チップはタチキリのギリギリに円形の模様が入るため、ほんの少しズレただけでも違和感が出ますね。
進軍チップは数字や漢字が入っていますが、ズレてもそれほど気になりません。
前回のカードの時にも説明しましたが、
タチキリのギリギリまで文字や模様をレイアウトすると、こういった弊害が出やすくなります。
どうしても気になる場合は、
コストを度外視して多めに印刷して、ジャストのものだけを選定することもできますが、
ズレが目立たないデザインに変更する方が現実的かもしれません。
仕上がった円形チップはこのようなかたちで納品されます。
カードと同様に断裁されていますが、切り離されていません。
こちらも初版のときは、1枚ずつ手作業で貼り込んでいたので、
どっさりと仕上がったものを見ると涙が出てきますね^^。
厚紙、型抜きを使った印刷は、あまり日常ではやりませんが、
事前に注意点を把握していれば、恐れることはありません。
円形カッターなどをお持ちの場合は、テストプリントをくり抜いて見ることをおすすめします。
次回はいよいよ化粧箱です。
コンポーネントの顔になる部分ですね。
今度は平面ではなく、奥行きのある立体物になり、
さらに開閉ギミック(?)まであるのです!!
お楽しみに!!
カード&ボードを作る [・印刷入稿にチャレンジ]
今回から萬印堂のテンプレートに、
『傾国-KEIKOKU-』のデザインをレイアウトしていきます。
まずはイメージしやすいカードです。
前回紹介した、こちらのテンプレートにレイアウトしていきます。
テンプレートには入稿時の注意事項などが記載されていますが、
作業をする時には必要ないので、レイヤーごと見えなくするか、削除するとよいでしょう。
入稿用の画像データはPhotshopで制作されています。
上の画像はイラストに幅広のフレームに変更した第2版の仕様です。
初版から修正を加えたものですが、レイヤー別のデータを残しておいたので、
作業をスムーズに行うことができました。
データは原寸より少し大きめのサイズで解像度は400dpi。
フレームはあらかじめ、テンプレートの比率に合わせておくと作業が楽です。
イラストについては、こちらも参考にしてください。
イラストを外注するときの注意点
テンプレートにレイアウトすると、こんな感じになります。
左上に数字、右下にキャラ名が加わっています。
これらの文字はテンプレートと同じ、Illustratorで制作したものです。
文字はなるべく画像データに盛り込まないようにしています。
蛇足になるかもしれませんが、ここで印刷用語を絡めてテンプレートの説明しておきます。
これらの印刷用語は頻繁に使われるので、覚えておくと便利です。
■実際のカードのサイズ(タチキリ)
今回は63mm×88mmのポーカーサイズで、3mmの角丸になります。
これより外側にある部分をヌリタシといい、
断裁がズレたときに紙の地が出ないようにするためのものです。
■文字などを回避するエリア
カードを断裁した時に、多少のズレが発生することがあります。
そんなときに断裁部分ギリギリに文字や重要なアイコンがレイアウトされていると、
切れてしまったり、バランスが悪く見えてしまいます。
テンプレートには、最低でも2mmほど内側に配置してもらうための
ガイドラインが入っています。
■カドトンボ
四隅にある二重のラインのことをいいます。
内側のラインが実際の印刷物のサイズ、
外側のラインがヌリタシを加えたサイズとなります。
■センタートンボ
印刷物の天地左右のセンター位置を示すラインです。
■ヌリタシ
印刷物を断裁した時に、多少のズレが発生しても紙の地がでないように、
画像を延長した部分のことをいい、ドブとも呼ばれます。
一般的には3mm幅になっています。
同じように制作されたカードの裏面も見てみましょう。
『傾国-KEIKOKU-』は赤青6枚の計12枚のキャラカードの表面に加え、
2枚ずつの裏面のデータを制作しています。
カードのテンプレートは1枚ずつ分かれた状態のもの。
これを印刷所の方で9枚ごとにまとめて、印刷することになります。
『REDCARD_1_OMOTE.ai』など、ファイル名を整理した上でフォルダーにまとめ、
分かりやすい状態で入稿するとよいでしょう。
出来上がったカードはこんな感じに納品されます。
9枚ごとにまとめられており、きれいに断裁されていますが、切り離された状態ではありません。
今回はコストを抑えるために、箱詰め、梱包は自分たちで行いましたが、
萬印堂ではそういったこともお願いできるので、
大量生産する場合や、コストに余裕がある場合は検討してみてはいかがでしょうか。
続いてはゲームボードです。
このテンプレートだけA3サイズのアートボートの外側にトンボがありますが、
確認したところ問題ないということなので、そのままレイアウトを進めています。
ゲームボードは初版のデザインをそのまま使用していますが、
元々印刷対応ができるようにヌリタシ部分の画像も含め制作していました。
注意点としてはカード同様、ギリギリの位置に文字などを配置しないことでしょうか。
デザインにもよりますが、タチキリから10mm離した方が見栄えがいいでしょう。
納品されたゲームボードです。
四つ折りボードなので、天地左右のセンタートンボの位置で折り曲がります。
こちらも角丸処理がされています。
あたりまえですが、手作業で制作された初版とは段違いの仕上がりです。
スプレーのりを片手に悪戦苦闘したことを思うといろんな意味で涙が出ます^^。
今回はカードとボードの紹介してみましたが、
なんとなくでも理解してもらえたでしょうか^^。
次はコインなどに使われる、円形チップについてです。
円形チップは、印刷されたものを厚紙に貼り、
さらに型抜きして制作されますので、
カードなどとは違った注意点が出てきます。
お楽しみに!!
『傾国-KEIKOKU-』のデザインをレイアウトしていきます。
まずはイメージしやすいカードです。
前回紹介した、こちらのテンプレートにレイアウトしていきます。
テンプレートには入稿時の注意事項などが記載されていますが、
作業をする時には必要ないので、レイヤーごと見えなくするか、削除するとよいでしょう。
入稿用の画像データはPhotshopで制作されています。
上の画像はイラストに幅広のフレームに変更した第2版の仕様です。
初版から修正を加えたものですが、レイヤー別のデータを残しておいたので、
作業をスムーズに行うことができました。
データは原寸より少し大きめのサイズで解像度は400dpi。
フレームはあらかじめ、テンプレートの比率に合わせておくと作業が楽です。
イラストについては、こちらも参考にしてください。
イラストを外注するときの注意点
テンプレートにレイアウトすると、こんな感じになります。
左上に数字、右下にキャラ名が加わっています。
これらの文字はテンプレートと同じ、Illustratorで制作したものです。
文字はなるべく画像データに盛り込まないようにしています。
蛇足になるかもしれませんが、ここで印刷用語を絡めてテンプレートの説明しておきます。
これらの印刷用語は頻繁に使われるので、覚えておくと便利です。
■実際のカードのサイズ(タチキリ)
今回は63mm×88mmのポーカーサイズで、3mmの角丸になります。
これより外側にある部分をヌリタシといい、
断裁がズレたときに紙の地が出ないようにするためのものです。
■文字などを回避するエリア
カードを断裁した時に、多少のズレが発生することがあります。
そんなときに断裁部分ギリギリに文字や重要なアイコンがレイアウトされていると、
切れてしまったり、バランスが悪く見えてしまいます。
テンプレートには、最低でも2mmほど内側に配置してもらうための
ガイドラインが入っています。
■カドトンボ
四隅にある二重のラインのことをいいます。
内側のラインが実際の印刷物のサイズ、
外側のラインがヌリタシを加えたサイズとなります。
■センタートンボ
印刷物の天地左右のセンター位置を示すラインです。
■ヌリタシ
印刷物を断裁した時に、多少のズレが発生しても紙の地がでないように、
画像を延長した部分のことをいい、ドブとも呼ばれます。
一般的には3mm幅になっています。
同じように制作されたカードの裏面も見てみましょう。
『傾国-KEIKOKU-』は赤青6枚の計12枚のキャラカードの表面に加え、
2枚ずつの裏面のデータを制作しています。
カードのテンプレートは1枚ずつ分かれた状態のもの。
これを印刷所の方で9枚ごとにまとめて、印刷することになります。
『REDCARD_1_OMOTE.ai』など、ファイル名を整理した上でフォルダーにまとめ、
分かりやすい状態で入稿するとよいでしょう。
出来上がったカードはこんな感じに納品されます。
9枚ごとにまとめられており、きれいに断裁されていますが、切り離された状態ではありません。
今回はコストを抑えるために、箱詰め、梱包は自分たちで行いましたが、
萬印堂ではそういったこともお願いできるので、
大量生産する場合や、コストに余裕がある場合は検討してみてはいかがでしょうか。
続いてはゲームボードです。
このテンプレートだけA3サイズのアートボートの外側にトンボがありますが、
確認したところ問題ないということなので、そのままレイアウトを進めています。
ゲームボードは初版のデザインをそのまま使用していますが、
元々印刷対応ができるようにヌリタシ部分の画像も含め制作していました。
注意点としてはカード同様、ギリギリの位置に文字などを配置しないことでしょうか。
デザインにもよりますが、タチキリから10mm離した方が見栄えがいいでしょう。
納品されたゲームボードです。
四つ折りボードなので、天地左右のセンタートンボの位置で折り曲がります。
こちらも角丸処理がされています。
あたりまえですが、手作業で制作された初版とは段違いの仕上がりです。
スプレーのりを片手に悪戦苦闘したことを思うといろんな意味で涙が出ます^^。
今回はカードとボードの紹介してみましたが、
なんとなくでも理解してもらえたでしょうか^^。
次はコインなどに使われる、円形チップについてです。
円形チップは、印刷されたものを厚紙に貼り、
さらに型抜きして制作されますので、
カードなどとは違った注意点が出てきます。
お楽しみに!!
テンプレートを取り寄せよう [・印刷入稿にチャレンジ]
『傾国-KEIKOKU-』のコンポーネントには、
ゲームボード、カード、円形チップ、木製コマ、化粧箱といった、
ボードゲームによく使われるパーツが揃っています。
ですが、小ロットでこういったものを扱ってくれる印刷所はなかなかありません。
カードだけのコンポーネントなら選択肢は増えましたが、
型抜きや、折の入るボードはまず無理でしょう。
今回は初版の部材でもお世話になった萬印堂に印刷をお願いすることに決めました。
しかし、『傾国-KEIKOKU-』はコスト的に、かなりわがままな仕様になっており、
見積の金額のままでは厳しい状態でした。
そこでゲームマーケットに合わせて行われる『早割キャンペーン』にチャレンジすることにしました。
このキャンペーンを使えば、見積の金額が最大15%OFFとなります。
(在庫商品、木製コマ、プラスチックコマ、PETケース、箱詰め、シュリンク包装、梱包発送費等は対象外)
ただし、締切がなんと2月28日(ゲームマーケットの2ヶ月前)!!
さらに入稿データに不備があった場合は、割引額が減額されてしまいます。
・・・これは厳しいですね^^
ですが、このチャンスを逃す手はない!!
トラブルなしの一発入稿を目指します!!
そんなわけで、2月の中旬に入稿用のテンプレートをメールで取り寄せ、
確認した後に萬印堂に直接伺って打ち合わせをしました。
いただいたテンプレートを確認した時の印象として、
プロ用のデータとしては問題ないが、
普段印刷の仕事に関わらない方や、
ほとんど入稿経験のない方には分かりにくいと感じる部分がありました。
こういったテンプレートや台紙データは、
同じサイズのものでも作品ごとに修正が加えられ、
少しずつ更新されていくものなので仕方がないのですが^^。
今回、萬印堂の許可がおりましたので、
いただいたままの状態のテンプレートを公開していきましょう。
(ブログに掲載しているテンプレートはJPGに変換した低解像度の画像データです。実際の印刷には使用できませんのでご注意下さい)
まずはゲームボードです。
A3サイズのボードです。
ガイドの点線の部分で、四つ折りになります。
続いてカードです。
裏表兼用になります。
また、複数のカードを作る場合も、それぞれ別々のデータとして入稿します。
入場時にはフォルダをつくり、分かりやすいファイル名にして、
ひとつにまとめることをおすすめします。
こちらは円形チップです。
よく見ると抜き型の関係で、均等に配置されていません。
両面印刷したものを断裁するための工夫なのですが、
デザインする側としては、そのままコピー&ペースト出来ないので注意が必要です。
円形チップのテンプレートをアップにしたものです。
濃いピンクの部分が実際の円形チップのサイズ、
外側にある薄いピンクの部分はズレたときのための塗りたしになります。
通常は3mmですが、ここでは2mmになっていますね。
どうして必要なのかは、後日実際の入稿データを使って説明します。
最後は化粧箱です。
こちらは表面になるフタのテンプレートです。
そしてこちらが裏面にあるソコのテンプレートです。
一見同じに見えますが、サイズが微妙に違うので、
デザインするときに間違えないように注意しましょう。
これらのテンプレートはIllustraterで制作されており、
塗りたし部分、トンボ、説明文などがレイヤーごとに分かれた状態になっています。
ただし、各テンプレートはレイヤーを見ても表記が統一されておらず、
分かりにくい部分がありました。
打ち合わせの段階で、疑問点に回答をいただいたことをまとめます。
■デザイン部分はレイヤーをまとめ、他のレイヤー(説明文など)と統合しない
■台紙によってトンボが4Cスミになっているものがあったが、レジストレーションで統一
■テンプレートは作業しやすいように90度回転させても問題ない
■ファイル名は作業しやすいように変更可能(文字バケしないようにアルファベット推奨)
次回からはいただいたテンプレートに『傾国-KEIKOKU-』のデザインを配置した、
実際の入稿データを使ってもう少し詳しく説明していきます。
つづく
チャレンジするまえに [・印刷入稿にチャレンジ]
ゲームマーケットも無事に終了し、ちょっと一段落です^^。
少し前にツイッターで告知しましたが、
GW明けから『傾国-KEIKOKU-』第2版の制作過程について書いていくつもりです。
初版のときに書いたような制作ノートもありますが、
まずは第2版で行った印刷所への入稿過程についてまとめたいと思います。
ありがたいことに、今回マニュアル以外の印刷をお願いした
萬印堂様から承諾をいただき、
入稿時に使用したテンプレートで説明していきます。
本業でのノウハウを活かした印刷入稿での注意点も上げていきますので、
ボードゲームを印刷所で制作してみたいと考えている方の参考になれば幸いです。
■テンプレートを取り寄せよう
■カード&ボードを作る
■円形チップを作る
■化粧箱を作る
■印刷濃度について
■入稿する時の注意点
■仕上がりをチェック
以上7回に分けて公開する予定ですが、いくつか注意点があります。
・使われている用語は現場によって変わる場合があります。
・使用されるテンプレートなどの仕様は情報は2013年2月時点のものです。
・制作にはIllustratorCS5/PhotoshopCS3を使用しています。
・今回は印刷をオンデマンド印刷で行っています。
・ブログで掲載されるテンプレートのデータなどは、低解像度のJPGデータです。印刷には使えません。
・社名は敬称略とさせていただきます。
・書かれた記事を鵜呑みにせず、かならず自分でもう1度確認しましょう。
それではまた次回!