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おもしろき こともなき世を おもしろく [--制作ノート]

スムーズに進んだゲーム制作とは逆に、
時間をおきつつもグダグダと続けている制作ノートですw

やはり勢いというのは大切ですね。
何度か書き直しつつ、ようやく最終回になります^^。



ありがたいことに『500円ゲーム』として制作したZIXZA(ジグザ)は、
手に取りやすい価格ということもあり、たくさんの方に遊ばれています。

制作コストも低く、多くの方に楽しんでもらえるのだからいいことばかり・・・

・・・のはずなんですが、難しいと感じる点もあります。

かなりの部数を完売しても、大きな売上的にはならず、
地方へ出展した場合、出展料を含めた経費を捻出するのは大変。
もし、『500円ゲーム』専門で継続的に出展するなら、工夫が必要でしょうね。

とはいえ、これまで手間のかかる作品が多かったので、新しい経験ができました。
制作アイデアの引き出しは多い方がいいですからね。



次回のゲームマーケット2019春では、新しく『三桁ゲーム』というカテゴリができ、
安価でライト層にも遊びやすいゲームが増えてくるでしょう。

『三桁ゲーム』というカテゴリは、制作コストが低いこともあり、
腕試しやジャストアイデアの具現化としては面白いと思います。
ひょっとしたら、これまでの既成概念にとらわれない、
新しいナニカがポンと飛び出してくるかもしれませんね。

個人的には、ボードゲーム制作を《楽しめる》きっかけになることを願っています。



はやいもので、ゲームマーケット大阪も終わり、
気がつけばゲームマーケット2019春の開催が近づいてきました。

平成もいよいよ終わります。



ものづくりをする楽しさを忘れずに、制作を続けたいものです。

 
 

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ときには勢いに任せて [--制作ノート]





最近、ボドゲ関連の炎上案件が多くなり、
こうした記録を残すことが面倒くさくなってきましたが、
何かの役に立つこともありそうなので、制作ノートを再開いたします。

あくまで個人の視点として語られる『制作ノート』です。

少し間が空きましたが、お付き合いください。




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熟成を取るか、勢いを取るか


予想外に制作が進むということは、当然ありがたいことです。

うまくいかないことの方が、圧倒的に多いのですから^^。

とはいえ、タイミングが悪いなぁ。という場合もあります。



『ZIXZA(ジグザ)』のルールとグラフィックデザインは、一定のレベルに到達したものの、ゲームマーケットまで、1ヶ月弱となっていました。

限られた条件で完成させて、ゲームマーケット秋に間に合わせるのか。
それとも、今回は見送り、納得できる状態で次回のゲームマーケットに出展するのか。

うまくいかないことに比べれば贅沢な悩みですが、制作者としては迷うところです。


このタイミングで、ある方から『出来上がったゲームをそのままにして、半年間モチベーションを保てますか?』という助言をいただき、この作品に限っては熟成を待つより、今の勢いを優先した方がいいと判断しました。

決断の理由は特にないのですが、とにかく『ZIXZA(ジグザ)』は勢いのある作品でした。

もちろんケースバイですが、時間をかければいいものができるとは限らないものです。
場合によっては、勢いが重要になります。

そうと決まれば、1ヶ月弱のあいだにできることをやっていきましょう。





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よりコンパクトな作品に


きちんとした化粧箱を用意したボードゲームをリリースするには、正直このスケジュールは難しい。
ましてや、年末に向けて、本業も忙しくなるので、無理も出来ません。

そこで、コンポーネントを絞り、低価格でアイデア勝負をする『500円ゲーム枠』でチャレンジすることに。

2012年からボードゲーム制作をやっていますが、『500円ゲーム枠』は生産コスト的なハードルは低いものの、クオリティを維持するのはなかなか難しいジャンルです。
今回の『ZIXZA(ジグザ)』がちょうどいいタイプの作品でしたが、これまで個人的には手の出しずらいジャンルでした。

これまでにチャレンジした方からは、『難しい』という感想もうかがっていました。
納得できるコンポーネントとルールを、低価格に収めるというのは、かなり努力が必要ですよね。


『ZIXZA(ジグザ)』は企画の段階から小規模な作品になるよう調整されていましたが、『500円ゲーム枠』に収めるため、プレイに必要なダイスは別途用意してもらうことにしました。

盤面はポストカードのサイズに収めることにしました。
表面をゲーム盤、裏面をルール説明書にして、よりコンパクトなものにまとめます。
素材はできる範囲で最善のものを用意しました。
傷や汚れに対応できるように両面PPでコーティング。角丸にしつつも、できるだけ厚くて丈夫な紙を選んでいます。



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また、ゲームマーケット持ち込み分は、アルミ蒸着のビニール袋に封入しました。
これはバルクPC部品の梱包をイメージしたものですが、雰囲気も良く豪華に見えるので、作品テーマに合えばおすすめしたいですね。
ゲームマーケットではジップ袋が多く使われますが、パッケージにした場合、どうしても見栄えが悪くなります。






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文字量をしぼりこむ


企画段階からシンプルなルールを目指していた『ZIXZA(ジグザ)』ですが、実際にルールを文字起こししてみると、例外処理や補足などで、どんどん文字量が増えていきます。がんばって文字量を減らしましたが、ポストカードサイズにまとめるにはだいぶ苦労しました。


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ストレスなく読む文字量としては、ギリギリでしょうか。
プレイ中は盤面の裏側になるため、ケイタイで撮影した画像でも確認しやすいよう、文字組を調整しています。

プレイ経験のない方を含め、多くの方にルール読みをしていただき、少ない文字数でも、誤認しないように調整しています。それでも分かり難いものはアイコンや枠組みを加えて、限られたスペースにレイアウトしてみましたがいかがでしょう。

今回はどうにかなりましたが、伝わり難いルールがある場合は、思い切ってルール自体を変えた方が、スムーズにいくこともありそうですね。




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フレーバー要素を楽しむ


アブストラクト系のゲームの場合、最低限のルールだけが記載されてることが多いです。
でも、ハッピーゲームズ作品の場合、フレーバー要素も大事な要素です。

試作の段階では『不要では?』と言われることも多かった、少しチープで懐かしい80年代サイバーパンクな設定や、ストーリーを全体の1/3を使って、どうにか落とし込みました。

ありがたいことに、この世界観が予想以上に好評で、当時のSF作品の愛好家や、それを知らない世代の方々にも気に入ってもらえたようです。ディックやギブスンの小説は20代の頃に読み漁りましたが、最近のSF作品のトレンドはさっぱりわかりません。機会があればチャレンジしたいところですが、感覚がついていけるかなぁ。まず活字を追えるかどうか・・・w


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制作のタイミングで見に行った『ムー 40周年記念展』の影響が、いい具合に作用したようです。
展示自体はそれほどボリュームがなく、ちょっとがっかりしましたが、謎のパワーは補充できたようですね。
未来人設定や、ガード側のシンボルはそのオマージュです。
お遊びで入れた『チアキ・J・ハスヤ』という名称も、『幻影探偵団』を遊んだ方にはニヤリとしてもらえたようですね。



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下書きやアイデア出しはしていたものの、今回はキャラクターなどのイラスト要素は盛り込めませんでした。
その分、レイアウトや文字組に遊びを加えています。
完成したデザインをみると不要に思えるので、これで正解だったのでしょう。


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裏面左下の文面は自分でも大変気に入っています。
今のところ、この解除不能なコンピュータウイルスは現代で確認されていません。
今後の観測していきたいですね。



少し時間をおいて制作ノートの続きを書きましたが、
『ZIXZA(ジグザ)』は勢いのある作品だと再確認できました。
いつもこの調子でゲームが作れればいいのですが^^。

さて、制作ノートも次で最後になりそうです。

今度はあまり日を空けずに書きたいと思います。


つづく
 
 
  

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転がるテストプレイ [--制作ノート]

『ZIXZA(ジグザ)』はテストプレイから完成まで、割と短期間に完成した作品ですが、アイデアは以前にストックしていたメモ書きを組み合わせています。

ノートのメモ書きなどを見ると、古いものは2017年に『グラギャモン』で制作活動を再開したあたりに書いたものでしょうか。


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メモ書きも断片的で、部分的に記憶があるものの、
ざっくりとした盤面を殴り書きしたものがほとんど。

当時どんなルールを考えていたのか、はっきり覚えていません。
今回の基礎となったものは、2on2で行うサッカーやバスケのように、
短いゲームを繰り返し楽しむルールだったはず。

盤面は5×5や、6×6の狭いもの。
ダイスを転がしながら移動し、
天面の数字で強弱を争うルールは、この頃から検討しています。

twitterでも指摘されていますが、ダイスの転がし移動は、
PSの名作ゲーム『XI(サイ)』の動きも参考しています。



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それから1年以上経ち、蔵出ししたアイデアをまとめた試作した1号。
データの日付をみると10月下旬のものです。

盤面は5×5。
ダイスは3つずつですが、そのうちひとつは色の違う特殊ダイスという仕様。

『Ostle』をお手本に、『手軽に誰もが楽しめるミニゲーム』をコンセプトにしています。

天面のダイス目を使ったコマの取り合いはあるものの、
基本的には相手側の端マスにコマを到達させることが目的のゲームです。
ラグビーやアメフトをイメージしています。


半信半疑で試作したものですが、課題点はあるものの、
テストプレイの評判が予想以上に良く、検討を続けることになります。

いただいている意見としては、文面にすると手厳しいようですが好意的なものでした。

・ダイス目が確認しづらい

・見た目がありきたり

・初期配置の段階で、勝敗が決まる可能性がある

・ルールにもう少し個性が欲しい




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テストプレイから数日後に検討した試作です。

『ダイス目の確認しづらさ』はマスを90度傾け、
ダイス6面のうち、3面を視認できるようになりました。

残りの3面も向かい合うダイス目の合計は7になる特性から解決しています。

6角形マス、いわゆるヘックスは見かけるものの、
今回の形状のマスをもつ盤面は珍しく、
『見た目がありきたり』という印象を大きく変えることができました。

ただ、これまでの十字方向の移動とは違い、複雑な動きを要求されることになるので、
当初のコンセプトより難易度が上がってしまうという懸念がありました。



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もうひとまわり盤面を小さくしたものでもテストプレイをしています。
こちらは残念ながら、コンパクトにしすぎて、ゲームとしての面白さがなくなりましたw



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最初のテストプレイから1週間後に制作された試作です。
かなりZIXZAのデザインに近づきましたね。

今回の試作から、フレーバー要素や、
仮ですが作品名も盤面に表記されています。

この段階では、ゲームの難易度が上がることを逆に良しとして、
アブストラクトゲームとして楽しめるものなのかをチェックしています。

テストプレイヤーもライト層から、
アブストラクト系のゲームが得意な方や、
ゲーム会で興味を持たれている方を中心に切り替えてみました。

結果として試作1号からの課題点である、
『初期配置の段階で、勝敗が決まる可能性がある』という部分は残るものの、
テストプレイの感触は良好で、さらなる改良を続けることになります。



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さらに数日後の試作です。盤面にはVer.4.0という記載がありますね。
縦方向に盤面を延長しています。

下部のアイコンをみると、ルールが追加され、
現在のものとほとんど同じになっていることがわかります。

具体的には、『盤面中央の3マス同時占拠で勝利する』というものです。

アイスホッケーのオフサイドをイメージしたものです。
これは盤面を延長したことにより、プレイ感が間延びすることを防ぐための追加ルールだったのですが、『ZIXZA(ジグザ)』というゲームにとって、大きな個性となりました。

このルールが加わったことで、複数の勝利条件のうちどれを狙うのか、狭い盤面の中で頭を切り替えながら勝負する面白味ができました。



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初期配置の方法や、細かな調整を経て、
現在のルールにまとまったのは11月上旬。

蒲田のゲーム会・ミスボドで行われたゲームマーケット2018秋向けの体験会では、
最終調整したルールで試遊をしています。
 


ダイスを転がすように、短時間に一気に仕上げた『ZIXZA(ジグザ)』。
当初の予定より難易度は上がりましたが、
ルール量が少なく、インストしやすいミニゲームに仕上がったかと思います。

ボードゲーム制作では、盛り込んだ要素を減らす引き算をすることが多いですが、
今回足し算がいい具合に機能したようです。

このあとデザインの微調整や、説明書作りに入りますが、
ハッピーゲームズとしては短期間での順調な制作となりました。



いつもこのペースで作れればいいのですが、なかなかうまくいかないものです^^
 
 
 
つづく
 
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Ostleショック [--制作ノート]

ゲームマーケットの会場がビックサイトに移転してだいぶ経ちます。
ボードゲームの市場規模が大きくなり、多種多様なゲームが数多く制作されるようになりました。

そんななか、かつては需要が少ないとして敬遠されていたジャンルでも、
新たな良作がつくられています。



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デビュー作『傾国-KEIKOKU-』を制作した2012年頃は、
『2人専用』『アブストラクト』『テーマなし』といったゲームは、
いわゆる『ガチゲー』とされ、制作するにはなかなか勇気のいるジャンルでした。

当時はゲーム会などに集まり、3人から6人ぐらいのプレイ人数で遊ばれるものが主流。
2人専用のゲームは時間調整用として遊ばれる程度。



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ところが、『グラギャモン』をリリースした2017年秋の出展では、かなり感触が変わっていました。
恋人や家族と少人数で楽しめるボードゲームのニーズが高まり、予想以上に高評価をいただきました。

そんな中、新しい需要に合致した作品に出会います。



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雅ゲームズさんの『Ostle(オストル)』です。

『グラギャモン』よりコンパクトなパッケージ。
説明書はわかりやすく、シンプルなルール。
悩みどころはあるが、長考せずに進められるゲームバランス。
クラウドファンディングに成功し、カラーバリエーションも展開。

ゲーム制作者なら、こういったコンセプトのゲームを一度は考慮すると思いますが、実際に具現化するのはなかなか難しいものです。

偶然なのか、必然なのか、同じコンセプトで作られたであろう作品を、ゲームマーケットでも多く見かけることになりますが、ハッピーゲームズが作ったなら、いったいどんなゲームになるんだろうか。

今回はそんな軽い気持ちから、試作をはじめてみました。



今回の『ZIXZA(ジグザ)』ではご縁があり、試作1号を『Ostle(オストル)』の作者であるフカセさんに見てもらいました。
普段作らないジャンルのゲームゆえに不安もありましたが、いただいたご意見を参考に制作を進めています。


『ZIXZA(ジグザ)』は最初期のデザインでは5×5のマスに3つずつのダイスを使うゲームでした。
次回の制作ノートでは試作がどのように変化したのか紹介したいと思います。



引き続きお付き合いください。



つづく 
 
 
 
 
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制作中断からのスタート [--制作ノート]

今回も備忘録を兼ねて、制作ノートを書いていこうかと思います。

しばらくお付き合いください。






今回の『ZIXZA(ジグザ)』はハッピーゲームズとしては、予定外の作品でした。

というのも当初は次回作には『グラギャモン』シリーズの新作か、『幻影探偵団』のリバイズド版を検討していたからです。

ゲームマーケット2018秋では、評価の高い過去作が、ルールを再調整して再リリースされる、いわゆる『リバイズド版』が多く見かけられました。まったくの偶然ですが面白いですね。
twitterの書き込みや、画像を確認すると、ゲームマーケット2018春のあと、『幻影探偵団』のテストプレイをしているのが確認できます。



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『幻影探偵団』はありがたいことに再販を期待される作品ですが、自分の中では不完全な部分があり、次回の再販ではそういった点を解消したくて、定期的に調整をしていました。


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より遊びやすくなる工夫、初プレイのハードルを下げる工夫が中心になりますが、いい感じに調整が進んでいます。


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ただ、『幻影探偵団』はコンポーネントも多く、再販するならまとまった部数を制作しなければなりません。


・・・が、残念なことに、今年は息子がダブル受験ということもあり、思い切った制作活動ができないという制約がありました。
家族に内緒でこっそりと出展申込みをしたものの、本来ならゲームマーケット2018秋は出展をお休みしてもおかしくない状況ですね。



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8月には大きくコンポーネントのデザイン変更しなければ、ゲームマーケット秋に間に合うというところまで準備を進めていましたが、制作を中断するきっかけができました。


家族の体調不良です。


8月上旬から腰痛と思われていた痛みが広がり、一時期は歩行が困難な状態にまで落ち込みました。
CTなどの検査も行いましたが、原因は未だに不明です。

それから4ヶ月、ありがたいことに現在はリハビリも進み、かなり改善されています。

初出展の『傾国-KEIKOKU-』の制作ノートでも書きましたが、
身近な人がなんらかの事故や病気になる可能性はかならずあります。

出展も大事ですが優先順位を間違えないようにしたいですね。




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9月中旬、家族の病状が回復に向かっているのを確認し、ゲームマーケットへの出展はするものの『幻影探偵団』の再販は中断することを決めています。
さいわい『グラギャモンにゃん』の在庫がまだ残っていたので、まったり試遊をメインに出展をするつもりでした。
カタログのサークルカットをみても、新作の仕込みがまったくないのがわかります。


ところがこの頃、時間に余裕ができ、他の制作者のテストプレイに参加。
徐々にボドゲ脳が刺激されていますw

なんということでしょう、再販だけで出展することに、物足りなさを感じてしまったのです。

あぁ、こうなるともう病気ですね。
短い時間でコストをかけずになにか面白いものを作れないかと、過去のアイデア帳を開き始めたのです。


10月下旬、手軽にできるミニゲームとして『ZIXZA(ジグザ)』の試作が開始されました。
 

 
 
つづく 
 
 
 
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