説明書をつくる [■ゲーム制作おぼえがき]
ゲームマーケットが近づき、新作のルールが公開される時期になってきましたね。
今回はひさびさにボードゲーム制作おぼえがきとして、
説明書について書いておこうと思います。
■サイズをきめる
説明書は制作したゲームの化粧箱の中に封入されるものです。
ルールのボリュームによって、ページ数やサイズは変わってきます。
仕様は様々ですがどのサイズで作るのかをまずは決めたいですね。
仕様としては、下記のようなものになります。
・ペラ(1枚の用紙表裏に印刷したもの)
・折り込み(ペラに折り込みを加え、サイズを小さくしたもの)
・冊子(4ページ以上の本になったもの)
まれにカードが説明書になっているものなど、
コンポーネントの一部を利用したケースもありますよね。
■台割りをつくる
ざっくりでかまいません。
下記の要素を確認しながら台割りをつくると楽です。
・どのページにどんな内容をレイアウトするのか
・画像や表組みが必要なのか
・全体で何ページになるのか
最初から要素を詰め込みすぎると、
実際に作業した際に収まりきらないケースがあります。
慣れないうちは余裕を持ったレイアウトで進めたいですね。
冊子の場合は、無駄なページができないよう調整しましょう。
見開きの状態で読みやすい構成にできればベストです。
■文字原稿をつくる
いきなりレイアウトに文章を書くのではなく、
まずはテキストデータとして文字原稿を用意しています。
いくつか注意しながら進めていますが、
最終的には文字校正でチェックすることになります。
文字原稿の段階でしっかりしたものを用意できると、
修正によるレイアウト変更など、その後の手直しが格段に減ります。
ストレスをためないためにも、しっかりとしたものを用意したいですね。
・用語を統一する
『キャラクターカード』『マインドマーク』『脱出ポイント』など、
ゲーム中で使われているオリジナルの用語や、
『時計まわりに/左隣のプレイヤーに』
『〜枚以上/〜枚あれば』『最大で/最高で』など、
説明文での紛らわしい表記も確認しつつ統一したいですね。
・専門用語を極力減らす
ここはプレイしてもらいたいユーザーの理解度に関わってきますが、
『手番』『ラウンド』『ターン』『フェイズ』『勝利点』『破棄』など、
どこまで説明書で使うか検討しましょう。
・どこまで漢字/英語を使うのか
対象となるプレイヤーの認識度や年齢によっては、
漢字や英語を使いすぎると読めなかったり、分かりにくくなる場合があります。
ルビなどでも対応できると思いますが、
文字原稿の段階でどこまで使うのか決めておきたいですね。
・なるべく簡潔に、できるだけ文字量を減らす
文章が多くなるとそれだけわかりづらく、ページ数が多くなる場合があります。
重複する説明や、語尾がくどくならないように注意したいです。
・流れをつくる
説明書は購入者がルールを把握するだけではなく、
他のプレイヤーにインストする際にも使われます。
ゲームの流れをわかりやすく、
間違えやすい点をチェックしやすい構成になるよう心がけたいです。
・ルール以外の要素
ストーリー、問い合わせ先、制作者クレジット、コピーライト、
Q&A、あとがき、ホームページ&ブログ告知、などなど。
ルール以外にも説明書に加えたい要素がいくつかありますね。
あとになって入る場所がない!!と騒がないようチェックしておきましょう。
■画像・表組みをつくる
説明書では長々と文章で書くより、
画像や表組みが入る方が理解しやすい場合も多いですね。
仮レイアウトの段階では、とりあえずダミーを配置すれば十分です。
手間がかかりますが、コンポーネントの画像データを用意しましょう。
必要になりそうな要素をまとめてみます。
・内容物の説明
・初期配置図
・複雑な動作
・表記が紛らわしい部分
・アイコンなど差別化したい部分
・得点計算の仕方
画像が多くなると、どうしてもページ数が増えてしまいますが、
バランスよくレイアウトしたいですね。
■説明書のデザイン
いままでに説明書を作ってきた中で、注意した点をまとめておきます。
最終的にはケースバイケースなので、自分にあったデザインで進めれば良いかと。
・テクスチャーは必要か
説明文の地に、画像などのテクスチャーが薄く敷かれている場合があります。
雰囲気はいいものの、文字が読みにくくなることも多いですね。
個人的には説明書は読みやすさを優先したいと考えています。
『幻影探偵団』などでは、天地左右の余白を広めにして、
文字にかからないよう端にテクスチャーをレイアウトしてみました。
・フォントの統一感
説明書ではどの部分にどのフォントを使うか、自分の中で決めておくといいでしょう。
見出し、本文、注意書き、フレーバー要素など、
書体だけではなく、文字のサイズなどもできるだけ統一したいですね。
・色の統一感
こちらもフォント同様です。
また、強調しようとしすぎて色数が増えすぎると
ガチャガチャしたまとまりのない説明書になります。
・色弱対応
色の区別がつきにくい方のために、赤や緑の使い方を注意するケースもあります。
強調色として使ったつもりでも、逆に見にくくなる場合もあるようです。
■説明書の文字サイズ
これがとても悩ましいところです。
文字を大きくすると、それだけ1ページに収まる量が減ります。
とはいえ、小さい文字では読みにくくなってしまいます。
小箱サイズのゲームだと、説明書自体のサイズも小さくなるので、
ページを増やしても限界がありますよね。
そんなわけで、次回は実際に説明書をどのようにレイアウトするのか、
見本を使って説明してみたいと思います。
つづく
今回はひさびさにボードゲーム制作おぼえがきとして、
説明書について書いておこうと思います。
■サイズをきめる
説明書は制作したゲームの化粧箱の中に封入されるものです。
ルールのボリュームによって、ページ数やサイズは変わってきます。
仕様は様々ですがどのサイズで作るのかをまずは決めたいですね。
仕様としては、下記のようなものになります。
・ペラ(1枚の用紙表裏に印刷したもの)
・折り込み(ペラに折り込みを加え、サイズを小さくしたもの)
・冊子(4ページ以上の本になったもの)
まれにカードが説明書になっているものなど、
コンポーネントの一部を利用したケースもありますよね。
■台割りをつくる
ざっくりでかまいません。
下記の要素を確認しながら台割りをつくると楽です。
・どのページにどんな内容をレイアウトするのか
・画像や表組みが必要なのか
・全体で何ページになるのか
最初から要素を詰め込みすぎると、
実際に作業した際に収まりきらないケースがあります。
慣れないうちは余裕を持ったレイアウトで進めたいですね。
冊子の場合は、無駄なページができないよう調整しましょう。
見開きの状態で読みやすい構成にできればベストです。
■文字原稿をつくる
いきなりレイアウトに文章を書くのではなく、
まずはテキストデータとして文字原稿を用意しています。
いくつか注意しながら進めていますが、
最終的には文字校正でチェックすることになります。
文字原稿の段階でしっかりしたものを用意できると、
修正によるレイアウト変更など、その後の手直しが格段に減ります。
ストレスをためないためにも、しっかりとしたものを用意したいですね。
・用語を統一する
『キャラクターカード』『マインドマーク』『脱出ポイント』など、
ゲーム中で使われているオリジナルの用語や、
『時計まわりに/左隣のプレイヤーに』
『〜枚以上/〜枚あれば』『最大で/最高で』など、
説明文での紛らわしい表記も確認しつつ統一したいですね。
・専門用語を極力減らす
ここはプレイしてもらいたいユーザーの理解度に関わってきますが、
『手番』『ラウンド』『ターン』『フェイズ』『勝利点』『破棄』など、
どこまで説明書で使うか検討しましょう。
・どこまで漢字/英語を使うのか
対象となるプレイヤーの認識度や年齢によっては、
漢字や英語を使いすぎると読めなかったり、分かりにくくなる場合があります。
ルビなどでも対応できると思いますが、
文字原稿の段階でどこまで使うのか決めておきたいですね。
・なるべく簡潔に、できるだけ文字量を減らす
文章が多くなるとそれだけわかりづらく、ページ数が多くなる場合があります。
重複する説明や、語尾がくどくならないように注意したいです。
・流れをつくる
説明書は購入者がルールを把握するだけではなく、
他のプレイヤーにインストする際にも使われます。
ゲームの流れをわかりやすく、
間違えやすい点をチェックしやすい構成になるよう心がけたいです。
・ルール以外の要素
ストーリー、問い合わせ先、制作者クレジット、コピーライト、
Q&A、あとがき、ホームページ&ブログ告知、などなど。
ルール以外にも説明書に加えたい要素がいくつかありますね。
あとになって入る場所がない!!と騒がないようチェックしておきましょう。
■画像・表組みをつくる
説明書では長々と文章で書くより、
画像や表組みが入る方が理解しやすい場合も多いですね。
仮レイアウトの段階では、とりあえずダミーを配置すれば十分です。
手間がかかりますが、コンポーネントの画像データを用意しましょう。
必要になりそうな要素をまとめてみます。
・内容物の説明
・初期配置図
・複雑な動作
・表記が紛らわしい部分
・アイコンなど差別化したい部分
・得点計算の仕方
画像が多くなると、どうしてもページ数が増えてしまいますが、
バランスよくレイアウトしたいですね。
■説明書のデザイン
いままでに説明書を作ってきた中で、注意した点をまとめておきます。
最終的にはケースバイケースなので、自分にあったデザインで進めれば良いかと。
・テクスチャーは必要か
説明文の地に、画像などのテクスチャーが薄く敷かれている場合があります。
雰囲気はいいものの、文字が読みにくくなることも多いですね。
個人的には説明書は読みやすさを優先したいと考えています。
『幻影探偵団』などでは、天地左右の余白を広めにして、
文字にかからないよう端にテクスチャーをレイアウトしてみました。
・フォントの統一感
説明書ではどの部分にどのフォントを使うか、自分の中で決めておくといいでしょう。
見出し、本文、注意書き、フレーバー要素など、
書体だけではなく、文字のサイズなどもできるだけ統一したいですね。
・色の統一感
こちらもフォント同様です。
また、強調しようとしすぎて色数が増えすぎると
ガチャガチャしたまとまりのない説明書になります。
・色弱対応
色の区別がつきにくい方のために、赤や緑の使い方を注意するケースもあります。
強調色として使ったつもりでも、逆に見にくくなる場合もあるようです。
■説明書の文字サイズ
これがとても悩ましいところです。
文字を大きくすると、それだけ1ページに収まる量が減ります。
とはいえ、小さい文字では読みにくくなってしまいます。
小箱サイズのゲームだと、説明書自体のサイズも小さくなるので、
ページを増やしても限界がありますよね。
そんなわけで、次回は実際に説明書をどのようにレイアウトするのか、
見本を使って説明してみたいと思います。
つづく
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