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高額出品者に質問してみた[追記あり] [■ゲーム制作おぼえがき]


出展者数、来場者数が増加しているゲームマーケット。
毎回国内外の新作ボードゲームが多数発表されています。

最近、転売目的の購入や、出展作品の中古販売価格の高騰など、
残念な話題を耳にすることが増えてきました。

ハッピーゲームズで販売した『グラギャモン』も、
昨年のゲームマーケット2017秋以降、オークションなどで同様の行為を見かけております。

昨日、ネットで販売されている『グラギャモン』に目にあまる点があったので、
出品者に連絡をさせていただきました。







DIAS.jpg



・『完全新品』として販売している

・ハッピーゲームズが用意した『テキスト』『画像』を無許可で使用している

・ゲームマーケットでの販売価格が表記されていない


このため、プレミア価格で販売しているのに、ハッピーゲームズと直接取引しているように見えます。

こうしたした場合、問い合わせを無視したり、出品を取り下げたりすることが多いのですが、
出品者から連絡をいただけました。




DAIS2.jpg


何度かやり取りをした結果、『ゲームマーケットでの販売価格』の掲載以外を反映してもらっています。

下記のコメントはその際にやり取りした文面の一部ですが、
どうやらゲームマーケットで直接お話をさせていただいた方のようです。


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こちらはもともと販売在庫1点のみですし。売り切れ次第情報含めページの削除予定です。

説明文への中古との記載は近日中に写真とともに対応させていただきます。その他不備があれば当ショップは対応いたします。プレミア価格を販売価格と思い込まないよう(間違えることはないと思いますが)価格もあげる予定です。
購入時ブースでもお話しさせていただきましたが、今後ともご活躍を期待しております。

当ショップは「いくら出してでも欲しい」「お金はあるけど買いに行く時間がない」というカスタマーの味方です。一番いいのは各メーカー様がある程度需要のあるものを供給できる状態ですね。事情はそれぞれあると思うので難しいことは承知です。

今後ともボードゲーム市場が発展して行くことを望みます。

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制作者としては、高額での出品は控えていただきたいところですが、
自分なりの信念を持って活動されている方のようですね。

そこで、出品者の方に交渉して、いくつか質問させていただきました。
許可をいただけたので、ボリュームがありますが掲載したいと思います。
(作品名が入る部分のみ伏字にしています)





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・ゲームマーケットには参加されますか(いつ頃から、何回ぐらい)

3年前から、東京はすべて参加
今年は4/1 5/5参加予定
もう少しゲーム関連の自己紹介させていただくと
週1でゲーム会開催(毎回10~15人)
学童にて児童向けゲーム紹介
ボードゲームイベント
などを行っております。
あくまで趣味の範囲ですがボードゲームカフェの出店も計画中です。



・ゲームマーケットでどれくらい購入されますか(個数・金額など、だいたいでかまいません)

毎回10~20万
(前回・前々回ですと個数は不明ですが、気になるものを片っ端から購入。予約数は毎回30個位)



・自分で遊ぶものも購入されますか(販売目的以外)

基本すべて自分のものです。販売目的で買うものはありません。



・もっとも高額で取引されたのはどんなゲームですか(ゲーム以外でも可)

差額でしょうか額面でしょうか?
利益率でいえば「●●●●●●●●●●●●●●」「●●●●●●」の8000円前後は異常な価格でした。
額面でいえばゲーム以外であれば通常のブランド商品などで何十万はあります。
全て自分の持つ不用品です。



・プレ価販売は本業ですか(ボドゲ以外の販売込みで)

通常の業務で同年代の平均年収を軽く超えております。販売サイトは趣味の赤字計上のためのものです。



・最近、希少ボードゲームの価格が上がっていますがどう思いますか

むしろ最近落ち着いていませんか?サイズなども盛り上がった割には1,5倍程度。普通に購入もできましたし。
流通が落ち着いてきているんだなと感じます。
ゲームマーケット入賞作品などが高騰するパターンはやはり販売側の供給不足感が否めません。



・プレ価での販売は儲かりますか(遠征費なども考慮して)

上記からわかると思いますが私は転売業を本業としておりませんがあえてビジネスモデルを作るとしたら
例えば今回のグラギャモンが売れたとしても10000円(手数料省き8000円)
当方は現在活動は東京ですが、当時は東海エリア在住で新幹線で朝一に向かい(往復18000円)
寒い海沿いにて待機、ダッシュで購入。(3500円で購入)入場料1500円

市場価格から見て複数個売れる値段をつけるとしたら5000円(手数料省き約4000円差益500円)
交通費実費のみ稼ぐのですら36個売らねばなりません。(当然そちらでは売ってはもらえないですよね?)
私は仕事の際、通常時給3000円以下では動かないので到底割に合わない内容だと思います。



・ゲームマーケットに出展したいですか(制作、販売問わず)

今のところ興味はありません。制作する能力はないので。



・ゲームマーケットで『転売目的の購入禁止』を掲示している商品を転売しますか。(または、掲示することに効力があると思いますか)

私の不要になったものを販売が転売目的になるのかの判断次第になりますが
そもそも複数購入を制限するしかないと思います。
罰則のない制限規制に効力は全くないと思います。




・ボードゲーム制作者にひとこと

いつもゲームを楽しませてもらっています。予約対応、通販されているところを応援しています。









転売が問題というような文面があったので私の意見を。
儲かりもしない転売をアンチビジネスモデルと思い込み目の敵にする理由が分からない。
例えば前回「●●●●●●●●」の作り手の方がヤフオクに3500円で出されてツイッターで怒っていた。
ヤフオクの手数料プレミアム契約500円+販売手数料350円
東京在住でも交通費+ゲムマ入場料も払えない利益。これに目くじら立てるなら通販してくれ。
もちろんお金や時間というコストがかかるのはわかります。
しかし、どうしても欲しいけどゲムマには行けない、買ってくる知り合いもいない。
そしたら交通費+入場料より安く売っている人は遠方の救いです。
ある方がつぶやいていました。グラギャモンヤフオクとかで出ないかな、8000円くらいまでなら買うのに
つまりそういう要望はあるということです。

転売だとしても制作者には希望する価格が購入時に支払われています。
どちらにせよ数十という複数買いができない以上ビジネスモデルとして到底成立しない。
(個人の小銭稼ぎであればいいが。)

もっと言うなら通販や流通や情報提供をちゃんとできていないのに外に文句を言う人間
ゲムマ午前中で売り切れる商品は市場調査に問題があります。価格設定か、在庫数です。
もちろんこれはホビー他、各業界に言えることですね。
「今回の案件は今後のゲームマーケット及び、ボードゲームの流通に大きく影響する可能性があります。」
こんな一件で業界が考えをしてくれるのであれば私は所持ゲームをどんどんプレ値で展示します(恐らくは売れないという値段で)
製作者のほとんどの方が商売やビジネスに完全な素人ですよね。
特に面白いゲームを作られている方や入賞する方に限って。良くも悪くもこの業界は市場が大変未成熟です。
おっしゃっていたように購入者も定価の情報がないまま買ってしまったり、正式名で検索しても情報ページが出なかったり
仕方ない、と今のままである方がほとんどだと思います。
そこに「不満」があるのであれば、費用をかけて「欲しい」とする方に情報と購入手段を与えるべきだと思います。
「●●●●●●●●●●●●●●」のように通販で1カ月ほどあったが在庫がなくなりプレ値、はユーザーの問題ですが

私はゲームマーケットではほぼすべて2個購入しています。
ヤフオクにも出ない駿河屋等でも買えないものは交通費を加味した売れないだろう値段でショップに出しています。
それは、とてもいい商品がどうしても欲しい方に届けられるようにと思っています。
ただその役目は通常私の仕事ではないため、手数料を多くいただいております。
公式または作成者が通販等行う場合はすぐに取り下げます。

私が一番評価するサークルは、ゲムマと同じ価格での十分な量の通販をしている所です。

まとめると、今後とも伸びて欲しい自分もかかわっている大好きな業界ですし
転売を目の敵にされる気持ちもよくわかりますが、簡単な対策は十分な流通をする、しかないんです。
素人の労力やコストでは限界があるし、逆に真剣にやっている(駿河屋以外いるのか?)
転売側も大した利益が上がらない(労力に見合わない)ので一定数以上増えない。
本当に面白いゲームはアークライトなどの業者が買い取って販売しますし、メディアにも取り上げられまだまだ今後伸びていくのだと思います。

色々と私見は述べましたが、なんにせよハッピーゲームズ様に私の出品でご迷惑をおかけした点は申し訳ないと思っております。
同人ボードゲームの販売については上記のような考えを持っております。

文脈内容が多少散らばってしまっているため質問追加でも受け付けます。長文失礼いたしました。



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後半の私見を含め、制作者としては耳が痛い部分もありますね。

『グラギャモン』に関しては、ゲームマーケットが連日開催となり、
購入していただけるチャンスが減るので、予約含め複数購入できるように対応していました。

ハッピーゲームズの制作物は、過去作含め、それほど多く生産できません。
また、お問い合わせをいただいても、なかなか再販できないのが現状です。


個人的には高額販売するのなら複数買いをせず
他のユーザーがゲームマーケット等で購入するチャンスを与えて欲しいと思っています。


次回の出展では、効力ないと言われていますが、『転売目的での購入禁止』を表記するなど、
今回の件を考慮した対応を検討する予定です。ご了承ください。




今回の件に関しては、他の制作者の方々が、
ゲームマーケットに一般参加されている方々がどのように感じたのか気になるところです。



もしご意見いただけるようならば、下記のコメント欄をご利用ください。





[ 追 記 ]

たくさんのご意見ありがとうございます。

Twitterに関しては、追いきれないものも多数ありますが、
転売に関する賛否のご意見拝見させていただきました。

ハッピーゲームズとしては、法的な効力は全くありませんが、
『転売目的の購入をお断りいたします』という一文を、
事前予約やイベント出展の際に掲示することにいたします。

ただし、ここでいう『転売』は
『面識のない第三者への高額での転売』だと考えてください。

どこまでが高額なのか・・・
いやぁ、そこまで記載した方がいいですか????

『グラギャモン』に関してはイベントが連日開催になったこともあり、
参加できない方のことも考え、複数買いができるようにしていました。
次回の出展からは、複数買いに関しても検討させていただきます。





ハッピーゲームズ RYO

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感覚を養う [■ゲーム制作おぼえがき]

『ゲーム制作おぼえがき』として、
いくつかパッケージデザインについて書いてきました。

いきなりパッケージデザインと言われても、
何をやったらいいのか悩むところだと思います。
デザインの心得がなくても、まずできるのが『感覚を養う』でしょうか。




■市場で商品をみる

・どんな商品が売れているのか

・目立つ商品のイラスト、色合い、ロゴ

・裏面にはどんな情報が入っているのか

・自分が作る作品に類似している商品はあるのか

まずは多くの商品をみることでしょう。
できればPCの画面越しに見るのではなく、実際の商品がいいですね。

とはいえ、ただ漠然とみるだけでは勉強になりません。

イベント会場やショップ、あるいはゲーム会やボドゲカフェ。
沢山の商品がある中で、どういう作品が人気があり、目立っているのか、
時間をかけて調べてみるといいでしょう。



■自分のデザインを並べてみる

・同サイズの商品と比べて目立つか

・同ジャンルの商品と比べて目立つか

・たくさんの商品のなかに並べて目立つか


こちらも実物で比較するのがベストですね。
行きつけのゲーム会や、ボドゲカフェ、ボドゲショップがあるなら、
たくさんあるボードゲームのなかで、
自分のつくったパッケージがどのように見えるのか確認するとよいでしょう。

それが難しい場合は、twitterなどで公開されている、
大量のボドゲをまとめた画像を流用してみましょう。
そのなかに自分のつくったパッケージを合成すれば、
どのように見えるか比較することができます。

インスタ映えを気にするなら、両方ともチェックしたいですね。




■ボドゲ以外の商品も参考に

・書籍、DVD、映画、グッズなど、他の商品デザイン

・チラシ、パンフレットなどの広告・宣伝物のデザイン

・文字の入っていないイラスト、絵画


ボードゲーム以外の商品や広告も大変参考になります。
親和性が高い書籍やグッズとのデザインの違いを比べてみるのも勉強になりますね。

たとえば、ボードゲームでは、制作レーベルのロゴが大きめに記載されていますが、
書籍やDVDパッケージでは出版社のロゴなどは小さめですね。
それぞれの商品カテゴリによって、規定文の入れ方なども大きく変わってきます。

また、印刷物以外にも、オリジナルのイラストを展示会で見るのも参考になります。
自分なら、どこに文字を配置し、どのようにトリミングするか、
考えるだけでも勉強になるでしょう。



■想像しながら見よう

・商品イメージとデザインが一致しているか

・なにを一番目立たせているのか

・情報を拾いやすいか

・悪いところも参考になる(むしろ重要)



慣れてきたら、商品を見る際に、
どういうコンセプトで作られているのか、
想像しながら見るようにしたいですね。

間違っていても問題なりません。
まずは考えることが重要なのです。

繰り返し見ることで、少しずつですが感覚を養うことができるでしょう。

大事なのは、できるだけ毎日繰り返すことでしょうか。
 
 
 
ものごとに近道はありません。

気になった方は、ぜひお試しください。 
 
 
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文字詰めをしてみよう [■ゲーム制作おぼえがき]

今回も引き続き『ゲーム制作おぼえがき』として、
パッケージデザインについて書いていきたいと思います。

以前に説明書の作り方で紹介した『文字詰め』。
パッケージまわりでもきちんと処理すると、見た目が変わってきます。

実際にどれくらい変わってくるのか、画像を見ながら比べてみましょう。


BF.jpg

画像は『グラギャモン』のパッケージ裏面です。

左右の文字幅をきっちりと揃えた『ハコ組』というレイアウトにしていますが、
それができていないとどうなるでしょう。

キャッチコピーや本文など、文字詰めのあるなしで、
BREFORE、AFTERで分けてみました。



いかがでしょう。



最上部の『ねぇ魂ほしいの・・・』は点の表記『・』を3つ並べたものです。
『…』を使った表記もできますが、そのままだとパラついてみえます。

『ダイスゲーム・バックギャモンを』のように文章中に使われる場合も同様ですね。

また、ひらがなカタカナの小文字や、『ト』などの一部の文字は、
文字詰めをしないとバランスが悪く見えるものもあります。



パッケージは商品の裏面は作品内容を吟味する、重要な告知部分です。

ちょっと手間かもしれませんが、文字詰めをきれいに整えて、
見栄えのするパッケージにしたいですね。

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見せたい順番を考える [■ゲーム制作おぼえがき]

前回に引き続き『ゲーム制作おぼえがき』として、
パッケージデザインについて書いていきたいと思います。

今回は普段自分がデザインをする上で、
必ず心がけている『順番』についてまとめてみましょう。




■一番目立たせたいものを決めよう

パッケージに載せる要素として重要なものに、
作品名を認識させる『タイトルロゴ』と、
イラストや写真などの『ビジュアル』があります。
多くの場合、このどちらかが目立つデザインにすることになるはずです。

どちらがパッケージの主役になるのか、
デザインを進める前に検討するのがいいでしょう。

まれにキャッチコピーが前面に出ているものもありますね。
商品パッケージではなく、販促物のデザインに見える場合もありますが、
インパクト勝負ならありですね。



■見せたい要素に順番をつけよう

タイトルロゴ、イラスト、キャッチコピー、レーベルロゴ、
コピーライト、ゲーム情報などなど...
パッケージにいれる『要素』を確定したら、
ユーザーに見てもらいたい優先順位を決めておくといいでしょう。

シンプルなビジュアルなら問題ないのですが、
複数のキャラが描かれたイラストや、
情報量が多いイラストを使う場合は、
どの部分を目立たせたいのか決めておきたいですね。



■視線の動きをデザインで誘導しよう

見せたい要素の順番が決まったら、
その順番通りにユーザーが見てくれるのが理想的です。
なるべくスムーズに『要素』を見てもらえるように、レイアウトを考えてましょう。



■悩んだときは、要素にメリハリ

実際に『要素』をレイアウトしてみると、ゴチャゴチャして、
なにを見せたいのかわからない、ダメなデザインになることがあります。

はじめに選んだ『一番目立たせたいもの』を優先して、他の要素は目立たなくするなど、
メリハリをつてみると改善することがあります。
サイズ、色などを変更して、複数案を比べてみるのがコツでしょうか。




ハッピーゲームズで制作したパッケージでは
どのように検討したものか画像にまとめてみました。


BLOG0201.jpg

60年代〜80年代の推理小説の装丁を
イメージしてデザインした『幻影探偵団』。

犯人である『髑髏王』や、探偵団のメンバーの画像もありましたが、
キャラを前面に出したデザインにしたくなかったので
タイトルロゴがメインのパッケージデザインになっています。

ビジュアルには、推理もの、サスペンスものに登場する要素を、
メリハリを入れつつ、ゲームの世界観に合わせ盛り込んでいました。

タイトルロゴは、『幻影』『探偵団』に分けて認識するように、
英文を挟み込んでいますが、これにも理由があります。

ひらがなで、『げんえいたんていだん』より、
『げんえい』『たんていだん』の方がわかりやすいのと同様、
漢字も区切りが入った方が認識しやすいためです。





BLOG0201+.jpg

つぎは洋酒のラベルをイメージしてデザインした『グラギャモン』。
(T●NGAぢゃない)

SEXYなキャラをこれでもか!!というぐらい前面に推した
パッケージデザインになっています。

3Djkt.jpg

実際は円筒形のパッケージなので、それを考慮しながら制作しています。

日本人の場合、どうして英語メインのロゴは、ビジュアルの一部だと認識します。
作品名を強調したい場合は要注意ですね。







なんとなくでも伝わったでしょうか。

う〜ん、ウチの作品は、作例として紹介するには特殊だったかもしれませんね。
 
デザインをする際に、レイアウトする要素に『順番』をつけるだけで、
目的意識が生まれて、どういうものを作りたいのか、見えてくるはずです。

参考になれば幸いです。
 
 
 
 
 
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台紙データの罠 [■ゲーム制作おぼえがき]

少し前にアンケートした『ゲーム制作おぼえがき』として、
いくつかパッケージデザインについて書いていきたいと思います。

今回はプロでも間違えがちな、『台紙データの罠』について書いてみたいと思います。


ボードゲームの化粧箱には、
厚紙を印刷し、断裁、折り、組み合わせて箱にする『組み箱』と、
印刷された紙を、ボール紙の箱に貼り合わせる『貼り箱』があります。

今回紹介するのは後者の『貼り箱』。
高額ですが、耐久性に優れ、見た目も良いという利点があります。

でも、貼り箱特有のトラブルも発生します。
自分自身も、これまで仕事で何度も泣かされました・・・。




IMG_2374.jpg

今回の説明で使用するのは『幻影探偵団』。
A5サイズの化粧箱です。


image2.jpg

台紙データを見てみましょう。
実際には印刷されませんが、『折りトンボ』の位置に白のラインを入れています。
これがデータ上のカド位置になります。


image1.jpg

また、だいたいの台紙データには、折り位置だけではなく、
『印刷限界範囲』が表示されています。

今回は便宜上、青のラインで表示してみました。
このライン内にロゴや文字を配置すれば印刷上問題ないとされています。


背の部分を見てもらうとわかりますが、
タイトルロゴや画像など、天地方向がセンター位置になるように調整されています。

では、実際の商品ではどうなっているか確認してみましょう。



IMG_2387.jpg

いかがでしょう。
上に寄せられているのがわかります。

なんででしょうね。

『貼り箱』の場合、印刷物を機械でボール紙に貼るために、
若干ズレが生じることがあります。

でも、それだけじゃないんです。



IMG_2359.jpg

『貼り箱』を斜めの角度で見てみましょう。

わかりますか。。。。

少し大げさに言うと『貼り箱』の場合、明確なカドがないんです。

カドが直角だと思われがちですが、
実際は丸みがかったカマボコ状のものがほとんど。



名称未設定-3.jpg

画像を少し加工してみました。

青く塗りつぶした部分が、台紙データで指定された表紙の範囲です。

実際に化粧箱を見た場合に、表紙だと認識する範囲に白いラインを入れています。

いかがでしょう、かなりズレが生じていますね。



IMG_2388.jpg

ちなみにボードゲーム用のものではありませんが、
『貼り箱』タイプの化粧箱をななめにカットするとこんなかんじ。

折り返し部分の構造などは、箱の設計によって違いはありますが、
なんとなくイメージできるかと。



IMG_2374.jpg

IMG_2374+.jpg

正面からの画像も加工してみましょう。

これだけ誤差が発生しています。




IMG_2362.jpg

紙自体の伸び縮みや、個体差もあるでしょうが、
最大で2mm発生すると思ってください。

これによるデメリットとして下記のことが挙げられます。

・背部分のレイアウト天地方向にズレが生じる

・表紙と背の地色が違う場合、境目がズレて見える

・印刷限界範囲ギリギリに配置したロゴや文字がズレこむ


ショップに陳列された商品を見て、
『あぁ、そういうことか・・・』と納得するものがあると思います。



それでは、どのように対処すればいいのでしょう。

・台紙データと合わせて、化粧箱のサンプルをもらう

・台紙データと実際の化粧箱のサイズを計測し、誤差を確認する

・出来上がったデザインをプリント、採寸、断裁、折ってみる

・印刷限界範囲ギリギリに文字やロゴを配置しない(縮小するなど)

・色校正を取って確認し、問題があれば修正する



基本的には、印刷所と打ち合わせができるなら、
その場で相談するのが一番。

ただ、本業での話になりますが、
質問の意味がわからないという担当者に遭遇することもあります。
印刷代理業の方に多いですが、
自分が扱っている商材の知識ぐらいは入れて欲しいぞ。


ちなみに『幻影探偵団』では、事前に印刷所と相談。
台紙データのズレを確認した上で入稿。
色校正は取らず、仕上がった商品を確認し、
ズレに関しては許容範囲として自分の中でOKだしをしています。



とはいえ、油断すれば絶叫するような大きなトラブルが起きるかもしれません。

カードゲームなどの小箱の場合は、もう少しスレに関してシビアになってきます。
気をつけながらデザイン&入稿したいものですね。
 
 
 
 
  

 
 
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BOOTHで通販 [■ゲーム制作おぼえがき]

BOO1.jpg


ゲームマーケット直前に地方からの要望があり、
試験的に『グラギャモン』の通販を行いました。

今回は直接受注を受けるのではなく、
Pixivが運営する通販サイト『BOOTH』を使用しています。



創作総合マーケット『BOOTH』



サービス利用料が決済金額の3.6%に抑えられていることもあり、
コミケやデザフェスの出展者にはメジャーな通販手段のようです。
調べてみるとゲームマーケットの出展者でも、
すでに利用されている方がいらっしゃいますね。


ゲームマーケット前ということもあり、
通販するといっても5個のみの少量ですが、
BOOTHを利用してみた感想をいくつか。




まず、登録がむちゃくちゃ簡単ですね。

ただ、はじめMacからSafariを使ってログインしようとしたところ、
謎の障害が発生して、アクセス出来ませんでした。

運営に問い合わせたところ、アカウント自体に問題がないので、
別のブラウザを使用してログインして欲しいという返答がありました。
(すぐに反応はなく、返信に時間がかかりました)

ブラウザを普段は使わないFireFoxに変更したら、問題なくログインできました。
WebブラウザとしてSafariって問題あるんでしょうか????




BOO2.jpg

アクセスさえできれば、サークルと、必要な商品情報を登録すればOKです。
宣伝に使えそうな商品写真や、イメージ画像があるとなお良しですね。



ありがたいことに、深夜にもかかわらず、
twitterで告知したところ、40分ほどで完売いたしました。




IMG_2020.jpg

購入済みになったものは、自分で発送することになります。
(倉庫に送って発送もお任せできるプランも別にあります)

『グラギャモン』はガラス製のショットグラスが同梱されているので、
万が一のことを考慮して、ワレモノを別に梱包しています。

『グラギャモン』は特殊な形状なので、ピッタリのダンボールがありません。
商品がズレないよう、余白分の空間を固定するのが面倒ですね。
もう少しフィットできるダンボールがあれば楽なんですが。。。。

ダンボールには、簡単なお礼文と、シールを同梱しています。

発送用のダンボールを用意したり、梱包するのは少量ならばいいですが、
まとまった数になると、かなり大変になると思います。
BOOTHでは商品を送って、梱包までやってくれるサービスもあるようなので、
需要が見込める場合は、そちらがオススメですね。



梱包できたダンボールは、自分でクロネコヤマトの支店か、
ファミリーマートなどのコンビニに持ち込む必要があります。
(現在は引き取り不可)




QR.jpg

BOOTHのサイトに表示されるQRコードを使って発送するため、
送り主、配送先の住所を知られないので、
個人情報を気にされる方には嬉しいサービスですね。
※上の画像は加工しています。


ただ、このQRコードが曲者で、
まとめて発送する場合、どれが送ったQRなのか見分けにくい構造になっており、
少数発送にもかかわらず、混乱することになりました。

まぁ、このへん離れなのかもしれませんね。




BOOTHを初めて使った感想をまとめると.....



良い点

・登録が簡単

・個人情報を知らせず通販ができる

・小箱サイズなら安価で発送できる(グラギャモンは無理)

・利用料が決済金額の3.6%で安い

・大量発送するなら、倉庫サービスもある


悪い点

・不具合が出た時、運営に連絡してもすぐに返答が来ない

・自分で発送する場合、方法が限られる

・発送用のQRコードの管理がわかりにくい



悪い点を差っ引いても、使いやすいサービスだと思います。

ただ、BOOTH自体の宣伝効果は薄いため、
なんの告知もせず通販ページを作るだけでは、
よっぽど人気のあるサークルでないと難しいでしょうね。

普及力を求めるなら、公式HPやTwitterでの告知をしっかりとしながら、
連動するようにしていきたいですね。
 
とはいえ、イベント出展、委託以外の販売方法ができるのはいいことです。
興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。 
 
 
 
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既存のゲームをカスタマイズ その2 [■ゲーム制作おぼえがき]

以前に『既存のゲームをカスタマイズ』という記事を書いたところ、思いの外好評でした。


既存のゲームをカスタマイズ(フリートコマンダー編)






今回は第2弾として、レースゲーム『ブレーキングアウェイ』を使って、
工夫することでどのようにボードゲームが遊びやすくなるか紹介したいと思います。




IMG_0276.jpg

『ブレーキングアウェイ』は自転車のトラックレースをモチーフにしたレースゲームですが、
コマの視認性が悪く、プレイ中のミスが起きやすいという評判をきいていました。

残念ながらなかなかプレイする機会がなく、
ゲーム会で遊べたのが購入後1年を過ぎてから。

これがなんともう面白い!!!積んでてゴメンナサイ!!というクオリティ!!!!!


その際、カスタムされたコンポーネントが素晴らしく、
それをマネて自分でも改良してみることしにした次第です。




IMG_0221.jpg

このゲームの一番の問題点は、トラックを走る自転車コマの視認性でしょうか。
コマ自体の出来は素晴らしく、NGOらしい凝った仕様になっています。

そこで、ヌキない後輪部分に車番を入れてみました。

今回は百均で購入できる円形シールを使用しています。
手書きですが十分認識できますね。



IMG_0218.jpg

そしてコマの台座中央に、シールを細くカットしたラインを入れています。
若干細かい作業になるので、ピンセットがあると効率いいですよ。



IMG_0222.jpg

実際にボードに配置するとこんな感じです。

混雑するコーナー部分もこのとおり!
それぞれのコマがどの位置にあるか、わかりやすいですね!!

手前の位置に、黄色の木製コマに矢印をペイントしたものがあります。
これはプレイ中、どこをチェックしているか進行確認するためのものです。

また、同様のものを、先頭走者識別用に用意していますが、
こういったものがあると、プレイ中に混乱しないですね。




さて、これだけでも、かなりプレイしやすくなったのですが、
勢い余ってさらに改良を加えることにしました^^



IMG_0266.jpg

手書きのシールがどうしても気に入らないので、
車番をデザインしたものを、革用のポンチで型抜きしてみました。

白抜きのものや、ラインを内側に配置したものも試しましたが、
結局一番シンプルなものに落ち着きました。



IMG_0267.jpg

いかがでしょう?
自転車レースのゼッケンっぽく、チームごとで2ケタの番号にして差別化しています。
きちんとした書体でレイアウトすると締まりますね。



IMG_0268.jpg

実際にプレイするとこんな感じです。
どの場所からでも、チームと車番の判別がつきます。



IMG_0269.jpg

さらにゲームを盛り上げるために、それぞれのチームジャージもデザインしてみました。
twitterで自転車好きのゲーム制作者に声がけして、
ロゴやゲームタイトルなんかをお借りしています。

プレイ中に誰が何色のチームを担当していたかわかりにくいので、
こうしたものが用意できると遊びやすいです。



IMG_0230.jpg

また、裏面は簡単なサマリーになっています。
インストする際にサブテキストとして使用すると
ルール間違えが発生しにくくなるので重宝しています。



IMG_0279.jpg

『ブレーキングアウェイ』はプレイ中、専用のシートに書き込みをしていきますが、
他のプレイヤーに見られないようにしたいですね。

そこで3mmの厚紙を用意してみました。
テーブルの上に置かずにすむので、限られたスペースでも十分プレイできます。



IMG_0280.jpg

それぞれのチームカラーに合わせたシャープペンや消しゴムなどを入れても、
ギリギリ化粧箱に収まりました。




ちょっとしたことの積み重ねですが、
ボードゲームの魅力を120%引き出す工夫が出来たと思います。

大好きなんだけど、インストが面倒だったり、プレイしにくいゲームで、
自分なりのチャレンジをしてみてはいかがでしょう。
 
 
 
 
 
  
 
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説明書を読みやすくする [■ゲーム制作おぼえがき]

40代になると、細かい字が読みにくくなりますよね。
説明書もできるだけ大きな文字でお願いしたい!!!!!!
・・・と、そんな意見をtwitterでもみかけます。

とはいえ、制作者としては、なるべく多くの文字を、
限られたスペースに収めたいところです。

そこで同量の文字数を工夫することで、
少しでも見やすくする方法をまとめてみました。

ブログで紹介することもあり、モニターのサイズや環境によって、
印象が変わる場合もあります。
記事の内容は鵜呑みにせず参考程度にとどめ、自分の感覚で作業してください。


いくつかの段階に分けて紹介してみましょう。



TESTTEXT_1.jpg

左はテキストを同サイズのフォントでレイアウトしたものです。
均一のサイズですがなるべく大きな文字で、
スペース内ギリギリまで使って改行しています。
行間はかなり詰まった状態になりました。

右はテキストのサイズとフォントを、見出しと本文に分けたものです。
本文のサイズは小さくなりましたが、
メリハリをつけることでだいぶ読みやすくなりました。
行間を広げているのでテキストのサイズが小さくても可読性は上がっています。


・文字のサイズは大きければ良いわけではない

・しっかりと行間をとることで読みやすくなる

・見出しと本文でサイズやフォントを変えるとメリハリがつく


それではさらに工夫してみましょう。




TESTTEXT_2.jpg

左は前回のものです。

右は天地左右の余白を広げたものです。
テキストのない空間を確保することで、
ギリギリまでテキストが入っているものより読みやすいですね。

さらに文字詰めを修正しています。
カッコや句点などの字間を詰めることで、十分な行間が確保できない場合でも、
テキストが読みやすくなります。

また、テキスト右側の改行部分を比べると、ぴっしり揃えた文字組みになっています。
これは専門用語で『ハコ組み』というものですが、大量のテキストを読ませる場合に、
整えることで読みやすくする手法です。
もちろん見た目も良くなりますね。


・テキストのまわりに余白を確保する

・文字詰めをして読みやすくする

・ハコ組みにすることで読みやすくなる


使用するソフトや技術力によって、できない場合もあるとは思いますが、
知識として身につけておくだけでも違ってくると思います。




TESTTEXT_3.jpg

左は前回のものです。

右は見出し部分に色を入れたり、地色を加えたものです。
目立たせたい部分に、色が入ることで強調されましたね。

『初心者ルール』の部分のように、他のテキストと差別化させたい場合は、
囲みを作るのもいいでしょう。

見出しの先頭に『■』や『●』を加えることで強調することもできます。

背景や下地に色を入れることを専門用語で『ザブトン』といいます。
重要な部分にはザブトンを使うことで、
文字が白ヌキになり、全体としてメリハリができました。

さらに強調させたい場合は、ビビットな色を文字に加えることで、
ユーザーがチェックしやすくなります。

色弱な方など、色使いによっては、
逆効果になるケースもあるので注意したいですね。


・目立たせたいところに色を使う

・見出しの先頭に『■』や『●』を加える

・ザブトンや白ヌキ文字を使ってメリハリをつける

・強調したい部分にはビビットな色を使う


ここまでの作業を行うと、かなり見やすくなったと思います。
個人的には説明書のレイアウトとして十分なクオリティだと思います。





TESTTEXT_4.jpg

左は前回のものです。

右は・・・どこを変更したでしょう。わかりますか?

実は改行部分の文字を変更しています。

言葉の切れ目、句点の入る位置など、微調整をすることで、
可読性は変わってくるのです。
今回は字間を調整したり、改行をすることでバランスを調整しています。

ここまでやれるとハイレベルな説明書になると思います・・・が、
ページ数が多いものや、テキスト量の多いものだと限界がありますね。
無理のない範囲でやれればと思います。


・改行部分の文字を調整して読みやすくする




TESTTEXT_5.jpg

それでは最初のものと、仕上がりを比べてみましょう。
細かな修正の積み重ねですが、かなり見やすくなったと思います。

ここまでデザインするには、手間と字間がかかるかもしれませんが、
やっただけの価値はあると思います。

ただ文字を大きくすれば読みやすいのではありません。

自分でできる範囲でかまわないので、工夫してみるといいでしょう。



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説明書をつくる [■ゲーム制作おぼえがき]

ゲームマーケットが近づき、新作のルールが公開される時期になってきましたね。

今回はひさびさにボードゲーム制作おぼえがきとして、
説明書について書いておこうと思います。



IMG_9839.jpg

■サイズをきめる

説明書は制作したゲームの化粧箱の中に封入されるものです。
ルールのボリュームによって、ページ数やサイズは変わってきます。
仕様は様々ですがどのサイズで作るのかをまずは決めたいですね。
仕様としては、下記のようなものになります。


・ペラ(1枚の用紙表裏に印刷したもの)

・折り込み(ペラに折り込みを加え、サイズを小さくしたもの)

・冊子(4ページ以上の本になったもの)


まれにカードが説明書になっているものなど、
コンポーネントの一部を利用したケースもありますよね。





IMG_3493.JPG

■台割りをつくる

ざっくりでかまいません。
下記の要素を確認しながら台割りをつくると楽です。

・どのページにどんな内容をレイアウトするのか

・画像や表組みが必要なのか

・全体で何ページになるのか

最初から要素を詰め込みすぎると、
実際に作業した際に収まりきらないケースがあります。
慣れないうちは余裕を持ったレイアウトで進めたいですね。

冊子の場合は、無駄なページができないよう調整しましょう。
見開きの状態で読みやすい構成にできればベストです。





IMG_3491.JPG

■文字原稿をつくる

いきなりレイアウトに文章を書くのではなく、
まずはテキストデータとして文字原稿を用意しています。

いくつか注意しながら進めていますが、
最終的には文字校正でチェックすることになります。
文字原稿の段階でしっかりしたものを用意できると、
修正によるレイアウト変更など、その後の手直しが格段に減ります。

ストレスをためないためにも、しっかりとしたものを用意したいですね。



・用語を統一する
『キャラクターカード』『マインドマーク』『脱出ポイント』など、
ゲーム中で使われているオリジナルの用語や、
『時計まわりに/左隣のプレイヤーに』
『〜枚以上/〜枚あれば』『最大で/最高で』など、
説明文での紛らわしい表記も確認しつつ統一したいですね。


・専門用語を極力減らす
ここはプレイしてもらいたいユーザーの理解度に関わってきますが、
『手番』『ラウンド』『ターン』『フェイズ』『勝利点』『破棄』など、
どこまで説明書で使うか検討しましょう。


・どこまで漢字/英語を使うのか
対象となるプレイヤーの認識度や年齢によっては、
漢字や英語を使いすぎると読めなかったり、分かりにくくなる場合があります。
ルビなどでも対応できると思いますが、
文字原稿の段階でどこまで使うのか決めておきたいですね。


・なるべく簡潔に、できるだけ文字量を減らす
文章が多くなるとそれだけわかりづらく、ページ数が多くなる場合があります。
重複する説明や、語尾がくどくならないように注意したいです。


・流れをつくる
説明書は購入者がルールを把握するだけではなく、
他のプレイヤーにインストする際にも使われます。
ゲームの流れをわかりやすく、
間違えやすい点をチェックしやすい構成になるよう心がけたいです。


・ルール以外の要素
ストーリー、問い合わせ先、制作者クレジット、コピーライト、
Q&A、あとがき、ホームページ&ブログ告知、などなど。
ルール以外にも説明書に加えたい要素がいくつかありますね。
あとになって入る場所がない!!と騒がないようチェックしておきましょう。






IMG_9841.jpg

■画像・表組みをつくる

説明書では長々と文章で書くより、
画像や表組みが入る方が理解しやすい場合も多いですね。

仮レイアウトの段階では、とりあえずダミーを配置すれば十分です。
手間がかかりますが、コンポーネントの画像データを用意しましょう。
必要になりそうな要素をまとめてみます。

・内容物の説明

・初期配置図

・複雑な動作

・表記が紛らわしい部分

・アイコンなど差別化したい部分

・得点計算の仕方

画像が多くなると、どうしてもページ数が増えてしまいますが、
バランスよくレイアウトしたいですね。






IMG_9840.jpg

■説明書のデザイン

いままでに説明書を作ってきた中で、注意した点をまとめておきます。
最終的にはケースバイケースなので、自分にあったデザインで進めれば良いかと。


・テクスチャーは必要か
説明文の地に、画像などのテクスチャーが薄く敷かれている場合があります。
雰囲気はいいものの、文字が読みにくくなることも多いですね。
個人的には説明書は読みやすさを優先したいと考えています。
『幻影探偵団』などでは、天地左右の余白を広めにして、
文字にかからないよう端にテクスチャーをレイアウトしてみました。


・フォントの統一感
説明書ではどの部分にどのフォントを使うか、自分の中で決めておくといいでしょう。
見出し、本文、注意書き、フレーバー要素など、
書体だけではなく、文字のサイズなどもできるだけ統一したいですね。


・色の統一感
こちらもフォント同様です。
また、強調しようとしすぎて色数が増えすぎると
ガチャガチャしたまとまりのない説明書になります。


・色弱対応
色の区別がつきにくい方のために、赤や緑の使い方を注意するケースもあります。
強調色として使ったつもりでも、逆に見にくくなる場合もあるようです。





■説明書の文字サイズ

これがとても悩ましいところです。
文字を大きくすると、それだけ1ページに収まる量が減ります。
とはいえ、小さい文字では読みにくくなってしまいます。
小箱サイズのゲームだと、説明書自体のサイズも小さくなるので、
ページを増やしても限界がありますよね。

そんなわけで、次回は実際に説明書をどのようにレイアウトするのか、
見本を使って説明してみたいと思います。




つづく
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インスト練習ボードゲーム会に参加してきました [■ゲーム制作おぼえがき]

ゲームをする上で、どうしても必要になるのがインスト(ルール説明)です。

既存のゲームはもちろん、自作のゲームも、
どんなゲームなのか、どのようにして遊ぶのか、きちんと説明できるようにしたいですね。

上手にインストするには、どうしても経験を積まねばならず、
いきなり実戦といっても、なかなか難しいものです。


昨日はそんなお悩みを解決するかのような、ステキなイベントに参加してきました。

翔さん主催の『インスト練習ボードゲーム会』です!!



IMG_4870.jpg

もちろん普通のゲーム会のように、参加者が持ち込んだゲームを遊ぶのですが、
今回はインストの仕方に注目し、プレイ終了後に評価します。


IMG_4886.jpg

しかも、きちんとした評価シートが用意されています!!
参加プレイヤーは気になった点をチェックして、インストした方に提出。
次回の参考にしてもらうという仕組みです。


IMG_4859.jpg

主催の翔さんお手製の評価シートはかなりしっかりしています!!
今までのテストプレイでは、こうしたシートをつくったことはなく、
自分でメモ書きすることが多かったのですが、とてもいいですね。



IMG_4888.jpg

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この日は同人作品の『毒ガス塹壕戰』や『バンディッツ』を遊ばせてもらい、
評価シートに記入しています。

インストのコツとしては、やはりルールをしっかり覚えることでしょうか。
基本中の基本なのでしょうが、自信を持って説明すると情報が伝わりやすいですね。
参加者の皆さん上手な方ばかりで参考になりました。



IMG_9762.jpg

本当はインストがもう少し難しい作品にチャレンジしたかったのですが、
ギリギリの参加表明だったこともあり、
インストの回数をこなしている『木馬と英雄』を用意してみました。



IMG_9760.jpg

そして、もうひとつ。
自作になりますが『迷家 The Lost Village』です。

テストプレイから繰り返しインストしている作品ですが、
どれくらい分かりやすく説明できているか気になっていたので評価していただきました!!


IMG_4901.jpg

この日はありがたいことに、複数回プレイしていただけました。
評価シートの内容も上々で、概ね満足できる内容でした。

ただ、何度もインストを繰り返した結果、
最後のプレイでは、ついルールを説明したつもりになり、
端折り気味になっていたことを指摘されています。

・・・これは今までにも経験がありますね・・・

ゲーム体験会などで、1日に複数回インストする際は気をつけたいと思います。



慣れたゲームでも、説明手順を箇条書きにしたものを検討したいですね。
試しに『迷家 The Lost Village』用のものを書き出してみました。




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■世界観&ストーリー紹介(ざっくり)
 プレイヤーは『人生やり直しツアー』という
 怪しげなバスツアーに参加した30人のひとり
 目的地はネットで幸せになれると噂になっている伝説の『納鳴村』
 だがそこはユートピアではなく、
 トラウマのバケモノ『ナナキ』が棲む村だった!



■どんなゲーム?
 仲間をスカウトしてチームをつくる(4ラウンド)
 共通の敵ナナキと対決してトラウマを乗り越え、
 多くの脱出ポイントを得たプレイヤーの勝利



■初期配置をしながらルール説明(途中で質問などを受け付ける)
 1.初期配布のキャラクターカードを配る(原作アニメの小ネタもはさめるとGOOD!)

 2.マインドカードの紹介(アイテムカード、それぞれの意味も)
 3.マインドカードをめくる(最低1枚、最大3枚配置)
 4キャラクターカードをスカウトする(手番のはじめ)

 5.自分のチームを編成する(場にあるカードを加え)
 6.グレーのキャラカード、アイテムカードについて
 7.ナナキに取り込まれたカードを編成する(マインドマークの裏返り)

 8.ナナキとの対決(プレイヤーは同数、それ以上なら勝利)
 9.脱出ポイントの説明(勝利点、ボーナスポイントなど)
 


■場のカードをリセット(初期配置にもどす)
 マインドカードは表面で振り分けてからシャッフル
 場がダレないように、トークを忘れずに
 プレイヤーにお手伝いしてもらってもいい
 


■ゲーム開始前に
 簡単にルールをおさらい
 ナナキに吸収される時はかならず3枚まで補充
 次ラウンドは、最後に引き取ったプレイヤーから
 ナナキに非公開の初期カード2枚
 エンディングストーリーについて(目標30P)




■ゲーム中に補足するポイント(プレイヤーの理解度に合わせる)
 1.5色全部集めるのではなく、3-4色を目指す
 2.1ラウンド目はマインドカード2枚配置以上で
 3.配置する時は、なるべく色をバラす
 4.最後に残ったプレイヤーは、ナナキ行きのカードを選べる

 5.他のプレイヤーが集めているカードをチェック
 6.他のプレイヤーが欲しがる列をつくって下ろす(ただし良すぎない)
 7.他のプレイヤーが欲しがらない列をつくる(そのあとはジャマ)

 8.他のプレイヤーとの共闘
 9.ボーナスポイントを要チェック


 
■ゲーム後
 ありがとうございましたの挨拶
 感想などをもらう
 調整ルールなど説明



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次回、インストする際に使ってみたいと思います。





IMG_4902.jpg

主催の翔さん、ご一緒した皆さん、大変勉強になりました。
ありがとうございました!!

 
 
 
 
 
 
 
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