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ときには勢いに任せて [--制作ノート]





最近、ボドゲ関連の炎上案件が多くなり、
こうした記録を残すことが面倒くさくなってきましたが、
何かの役に立つこともありそうなので、制作ノートを再開いたします。

あくまで個人の視点として語られる『制作ノート』です。

少し間が空きましたが、お付き合いください。




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熟成を取るか、勢いを取るか


予想外に制作が進むということは、当然ありがたいことです。

うまくいかないことの方が、圧倒的に多いのですから^^。

とはいえ、タイミングが悪いなぁ。という場合もあります。



『ZIXZA(ジグザ)』のルールとグラフィックデザインは、一定のレベルに到達したものの、ゲームマーケットまで、1ヶ月弱となっていました。

限られた条件で完成させて、ゲームマーケット秋に間に合わせるのか。
それとも、今回は見送り、納得できる状態で次回のゲームマーケットに出展するのか。

うまくいかないことに比べれば贅沢な悩みですが、制作者としては迷うところです。


このタイミングで、ある方から『出来上がったゲームをそのままにして、半年間モチベーションを保てますか?』という助言をいただき、この作品に限っては熟成を待つより、今の勢いを優先した方がいいと判断しました。

決断の理由は特にないのですが、とにかく『ZIXZA(ジグザ)』は勢いのある作品でした。

もちろんケースバイですが、時間をかければいいものができるとは限らないものです。
場合によっては、勢いが重要になります。

そうと決まれば、1ヶ月弱のあいだにできることをやっていきましょう。





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よりコンパクトな作品に


きちんとした化粧箱を用意したボードゲームをリリースするには、正直このスケジュールは難しい。
ましてや、年末に向けて、本業も忙しくなるので、無理も出来ません。

そこで、コンポーネントを絞り、低価格でアイデア勝負をする『500円ゲーム枠』でチャレンジすることに。

2012年からボードゲーム制作をやっていますが、『500円ゲーム枠』は生産コスト的なハードルは低いものの、クオリティを維持するのはなかなか難しいジャンルです。
今回の『ZIXZA(ジグザ)』がちょうどいいタイプの作品でしたが、これまで個人的には手の出しずらいジャンルでした。

これまでにチャレンジした方からは、『難しい』という感想もうかがっていました。
納得できるコンポーネントとルールを、低価格に収めるというのは、かなり努力が必要ですよね。


『ZIXZA(ジグザ)』は企画の段階から小規模な作品になるよう調整されていましたが、『500円ゲーム枠』に収めるため、プレイに必要なダイスは別途用意してもらうことにしました。

盤面はポストカードのサイズに収めることにしました。
表面をゲーム盤、裏面をルール説明書にして、よりコンパクトなものにまとめます。
素材はできる範囲で最善のものを用意しました。
傷や汚れに対応できるように両面PPでコーティング。角丸にしつつも、できるだけ厚くて丈夫な紙を選んでいます。



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また、ゲームマーケット持ち込み分は、アルミ蒸着のビニール袋に封入しました。
これはバルクPC部品の梱包をイメージしたものですが、雰囲気も良く豪華に見えるので、作品テーマに合えばおすすめしたいですね。
ゲームマーケットではジップ袋が多く使われますが、パッケージにした場合、どうしても見栄えが悪くなります。






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文字量をしぼりこむ


企画段階からシンプルなルールを目指していた『ZIXZA(ジグザ)』ですが、実際にルールを文字起こししてみると、例外処理や補足などで、どんどん文字量が増えていきます。がんばって文字量を減らしましたが、ポストカードサイズにまとめるにはだいぶ苦労しました。


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ストレスなく読む文字量としては、ギリギリでしょうか。
プレイ中は盤面の裏側になるため、ケイタイで撮影した画像でも確認しやすいよう、文字組を調整しています。

プレイ経験のない方を含め、多くの方にルール読みをしていただき、少ない文字数でも、誤認しないように調整しています。それでも分かり難いものはアイコンや枠組みを加えて、限られたスペースにレイアウトしてみましたがいかがでしょう。

今回はどうにかなりましたが、伝わり難いルールがある場合は、思い切ってルール自体を変えた方が、スムーズにいくこともありそうですね。




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フレーバー要素を楽しむ


アブストラクト系のゲームの場合、最低限のルールだけが記載されてることが多いです。
でも、ハッピーゲームズ作品の場合、フレーバー要素も大事な要素です。

試作の段階では『不要では?』と言われることも多かった、少しチープで懐かしい80年代サイバーパンクな設定や、ストーリーを全体の1/3を使って、どうにか落とし込みました。

ありがたいことに、この世界観が予想以上に好評で、当時のSF作品の愛好家や、それを知らない世代の方々にも気に入ってもらえたようです。ディックやギブスンの小説は20代の頃に読み漁りましたが、最近のSF作品のトレンドはさっぱりわかりません。機会があればチャレンジしたいところですが、感覚がついていけるかなぁ。まず活字を追えるかどうか・・・w


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制作のタイミングで見に行った『ムー 40周年記念展』の影響が、いい具合に作用したようです。
展示自体はそれほどボリュームがなく、ちょっとがっかりしましたが、謎のパワーは補充できたようですね。
未来人設定や、ガード側のシンボルはそのオマージュです。
お遊びで入れた『チアキ・J・ハスヤ』という名称も、『幻影探偵団』を遊んだ方にはニヤリとしてもらえたようですね。



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下書きやアイデア出しはしていたものの、今回はキャラクターなどのイラスト要素は盛り込めませんでした。
その分、レイアウトや文字組に遊びを加えています。
完成したデザインをみると不要に思えるので、これで正解だったのでしょう。


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裏面左下の文面は自分でも大変気に入っています。
今のところ、この解除不能なコンピュータウイルスは現代で確認されていません。
今後の観測していきたいですね。



少し時間をおいて制作ノートの続きを書きましたが、
『ZIXZA(ジグザ)』は勢いのある作品だと再確認できました。
いつもこの調子でゲームが作れればいいのですが^^。

さて、制作ノートも次で最後になりそうです。

今度はあまり日を空けずに書きたいと思います。


つづく
 
 
  

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