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台紙データの罠 [■ゲーム制作おぼえがき]

少し前にアンケートした『ゲーム制作おぼえがき』として、
いくつかパッケージデザインについて書いていきたいと思います。

今回はプロでも間違えがちな、『台紙データの罠』について書いてみたいと思います。


ボードゲームの化粧箱には、
厚紙を印刷し、断裁、折り、組み合わせて箱にする『組み箱』と、
印刷された紙を、ボール紙の箱に貼り合わせる『貼り箱』があります。

今回紹介するのは後者の『貼り箱』。
高額ですが、耐久性に優れ、見た目も良いという利点があります。

でも、貼り箱特有のトラブルも発生します。
自分自身も、これまで仕事で何度も泣かされました・・・。




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今回の説明で使用するのは『幻影探偵団』。
A5サイズの化粧箱です。


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台紙データを見てみましょう。
実際には印刷されませんが、『折りトンボ』の位置に白のラインを入れています。
これがデータ上のカド位置になります。


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また、だいたいの台紙データには、折り位置だけではなく、
『印刷限界範囲』が表示されています。

今回は便宜上、青のラインで表示してみました。
このライン内にロゴや文字を配置すれば印刷上問題ないとされています。


背の部分を見てもらうとわかりますが、
タイトルロゴや画像など、天地方向がセンター位置になるように調整されています。

では、実際の商品ではどうなっているか確認してみましょう。



IMG_2387.jpg

いかがでしょう。
上に寄せられているのがわかります。

なんででしょうね。

『貼り箱』の場合、印刷物を機械でボール紙に貼るために、
若干ズレが生じることがあります。

でも、それだけじゃないんです。



IMG_2359.jpg

『貼り箱』を斜めの角度で見てみましょう。

わかりますか。。。。

少し大げさに言うと『貼り箱』の場合、明確なカドがないんです。

カドが直角だと思われがちですが、
実際は丸みがかったカマボコ状のものがほとんど。



名称未設定-3.jpg

画像を少し加工してみました。

青く塗りつぶした部分が、台紙データで指定された表紙の範囲です。

実際に化粧箱を見た場合に、表紙だと認識する範囲に白いラインを入れています。

いかがでしょう、かなりズレが生じていますね。



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ちなみにボードゲーム用のものではありませんが、
『貼り箱』タイプの化粧箱をななめにカットするとこんなかんじ。

折り返し部分の構造などは、箱の設計によって違いはありますが、
なんとなくイメージできるかと。



IMG_2374.jpg

IMG_2374+.jpg

正面からの画像も加工してみましょう。

これだけ誤差が発生しています。




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紙自体の伸び縮みや、個体差もあるでしょうが、
最大で2mm発生すると思ってください。

これによるデメリットとして下記のことが挙げられます。

・背部分のレイアウト天地方向にズレが生じる

・表紙と背の地色が違う場合、境目がズレて見える

・印刷限界範囲ギリギリに配置したロゴや文字がズレこむ


ショップに陳列された商品を見て、
『あぁ、そういうことか・・・』と納得するものがあると思います。



それでは、どのように対処すればいいのでしょう。

・台紙データと合わせて、化粧箱のサンプルをもらう

・台紙データと実際の化粧箱のサイズを計測し、誤差を確認する

・出来上がったデザインをプリント、採寸、断裁、折ってみる

・印刷限界範囲ギリギリに文字やロゴを配置しない(縮小するなど)

・色校正を取って確認し、問題があれば修正する



基本的には、印刷所と打ち合わせができるなら、
その場で相談するのが一番。

ただ、本業での話になりますが、
質問の意味がわからないという担当者に遭遇することもあります。
印刷代理業の方に多いですが、
自分が扱っている商材の知識ぐらいは入れて欲しいぞ。


ちなみに『幻影探偵団』では、事前に印刷所と相談。
台紙データのズレを確認した上で入稿。
色校正は取らず、仕上がった商品を確認し、
ズレに関しては許容範囲として自分の中でOKだしをしています。



とはいえ、油断すれば絶叫するような大きなトラブルが起きるかもしれません。

カードゲームなどの小箱の場合は、もう少しスレに関してシビアになってきます。
気をつけながらデザイン&入稿したいものですね。
 
 
 
 
  

 
 
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新作評価アンケート26位に選ばれました [■『グラギャモン』シリーズ]


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先日発表された『ゲームマーケット2017秋 新作評価アンケート』で、
新作発表数679タイトルの中から、評価値3.81で26位にランクインいたしました。


ゲームマーケット2017秋 新作評価アンケート


プレイしていただいたみなさん、ありがとうございます!!

得票の内訳を運営に教えていただきました。

グラギャモン
総票数 - 38
平均評価 3.66
評価5 - 7
評価4 - 14
評価3 - 14
評価2 - 3
評価1 - 0


今回のアンケートでは投票方法が変わり、複雑になりました。
タイトル総数約300→679と倍増したけど、得票総数は732→340と半減。

今回の方式だとPC開いて、リストとにらめっこしながら記載しないといけいけません。
今後、投票数を増やしたいなら、スマホからでも投票できるようにしないと厳しいでしょうね。

また、今回からゲームマーケット大賞の選考に、
新作アンケートが考慮されないことになりました。

どういう作品が選ばれるのか、今後の報告が楽しみですね!!
 
 
 
 
 
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ニデロクギャモンで遊ぶ […コラム]


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『グラギャモン』は普段バックギャモンを遊ばない
ボードゲーマーや初心者に楽しんでもらうために企画したものですが、
今回はちょっと趣向を変えて、
普段バックギャモン以外のボードゲームを遊ばない層に向けてた
企画をやってみようかな。



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こちらはゲームマーケット2017秋に中村誠さんが再販された
『ニデロク』というカードゲームです。


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名前の由来は2D6。
カードは6面ダイス2コで出される36通りの出目で構成されています。


今回はダイスの代わりに、この『ニデロク』をつかったバックギャモン、
『ニデロクギャモン』を紹介したいと思います。



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通常のバックギャモンとの変更点は、
手番にダイスの代わりに山札にした『ニデロク』のカードを1枚引くだけ。

カードに描かれたダイス目を使ってコマ(チェッカー)を動かしていきます。


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引いたカードはどの目が出たのか分かりやすいように、
仕分けをしています。

同じ出目はありませんが、
1-2、2-1のように同じ動きができるカードは存在しています。
ゾロ目は全部で6枚しかないので貴重なカードになります。


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ゲームを続けていくと、残ったカードの出目を計算しながら進めることになり、
通常のバックギャモンとはだいぶ違った駆け引きをすることになりますね。


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最後の1枚をめくったら、すべてのカードをシャッフルして山札を作り直しましょう。
1ゲーム中、1〜2度シャッフルする感じになると思います。

今回のプレイではピンクが圧勝しました。
一度流れを作られると、ダイス運による逆転が難しいですね。
普通のバックギャモンより、慎重な駆け引きが必要になります。



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『ニデロク』では、いくつかのオリジナルルールも用意されているので、
ダイスの代わりとしてではなく、単体で遊ぶことも可能です。


普通のバックギャモンにはない、独特な駆け引きを楽しみたい方は、
ぜひ一度お試しください。

『ニデロク』は現在、イエローサブマリンや通販サイトでの取り扱いがあるようです。
気になる方はご確認ください。


『ニデロク』マスターギルド通販部
 
 
 
 
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にゃんこグラギャモン期間限定ダウンロード!(配布終了) […コラム]

昨年開催したクリスマス企画が好評だったので、
調子に乗ってお年玉企画やります^^。




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現在好評発売中の『にゃんこならべ』のかわいいネコのコマを使用して遊べる、
バックギャモンボードを制作してみました!!




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初期配置の部分にサカナのアイコンを加えたり、ゴールにキャットタワーが置かれ、
『グラギャモン』独自のアレンジを加えているので、
初心者や小さいお子さんとも、遊びやすくなっています。




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通常バーになる部分を省略し、『ふりだし』としました。
エンター(コマを戻す)する位置をわかりやすくしています。

バックギャモンをプレイしたことがある方なら理解できる範囲のデザイン変更ですね。


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ゴールさせると、キャットタワーにネコのコマが溢れてかわいいですね^^

ベアオフさせるまえに、
『ニャ〜〜〜〜〜!!』と叫ぶルールを加えても楽しいかも。




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このバックギャモンボードは外側の白地の余白を切り取り、
四つ折りにすることで、『にゃんこならべ』の化粧箱に収まるようにしています。

プレイするには、『にゃんこならべ』とは別に、
ダイスが必要になりますのでご注意ください。








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今回はセブンイレブンのカラーコピー機からプリントできる
『ネットプリント』というサービスを利用してみました。

下記の8ケタの番号を入力することで、プリント料金のみで、
どなたでもダウンロードできます。


配布終了しました



2018年1月11日までの期間限定になりますので、ぜひお試しください。
※スペルミスのご指摘ありましたので、こっそり修正しました(1月4日14:03)

2018年1月12日。多数の参加ありがとうございます!
ダウンロード企画は終了いたしました。



今回の企画を承諾していただいた合同会社ふくふく代表、福井暢宏さん、
ありがとうございました!!

『にゃんこならべ』家族で遊ばせていただいております。




『にゃんこならべ』公式HP

『にゃんこならべ』はamazonをはじめ、量販店でも取り扱いされておます。
これを機会にぜひお試しください。
 
 
 
 
 
 
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