デザインとイラストの試行錯誤 […制作ノート]
これまでの制作ノートにも書いたとおり、
『グラギャモン』の制作は試行錯誤といえば聞こえはいいですが、
実のところ迷走に迷走を重ねていたといって過言ではないですねぇ。
よく完成したもんだと、我ながら思います^^。
ありがたいことに好評をいただいている
イラストやデザインについても、かなり検討をしています。
全体のデザインについては、
制作ノートの『需要あるのか?ないのか???』でも紹介しましたが、
既存のバックギャモンからなるべく離れながらも、
キャッチコピーでも『RE:DESIGN』としたように、
より分かりやすく、より遊びやすくなるよう工夫をしています。
でも、提案したものの中には、遊びにくくなるためにボツにしたものも。
上の画像をよく見ると、
ポイント(三角形のコマを置く場所)のグラデーションの配置や、
外周部分の突起が、水平方向にシンメトリになっていますね。
これはデザインを優先した結果なのですが、
バックギャモンプレイヤーにとってはポイントを数えにくく不評でした。
GPから発売されたバックギャモンボードの初版でも、
おなじデザインを採用したため、twitterなどでもかなり問題になりました。
インナーボードとアウターボードの間にある、バーのラインも、
細く目立たなくしたものの残しています。
意味のあるものは、残さないとダメなようです。
少し長くなりますが、イラストについていくつか。
普段はデザインの仕事をしていますが、
それほどイラストを描く機会はありません。
当初は素材集のものを流用していた『グラギャモン』も、
評判が良かったため、そのまま進めるか、
イラストレーターの方に発注するかで悩んでいました。
ただ、個人的には素材集のままでは制作物として物足りず、
もう少しインパクトを出せないかと、
彩色を思いっきり変えて『異色肌』にもチャレンジしてみました。
Twitterで公開したところ、かなり不評でしたね・・・orz
そんな矢先、闘病中の親族が危篤になり、
週末は自宅か事務所に待機することになりました。
その待機時間を使って、イラスト発注用のラフを描き始めます。
レイアウトを大きく変更したくないので、
素材集のイラストからポージングやバランスが変わらないようにしています。
海外のグラフィティアートや、タトゥなどをイメージして、
線は太めに力強いものにしています。
最初期のデビイ(悪魔)ちゃんです。
今とは全然違いますねぇw
やっぱプロに頼まないとダメだぁ〜〜〜〜〜!!
っと笑ったことを思い出します^^。
それでも数度描き直し、かなり現在のイメージに近づいてきましたね。
コスチュームはヤリ過ぎて怒られないように、
下着ではなく水着にしたのですが
・・・まぁ、あんまり変わんなかったかな?
露出に関しては、どのへんがリミットなのか、
かなり気にしながら制作をしていましたが、
いまだに答えがわからないところです。
先日、BGGのフォーラムで海外の方が
『グラギャモン』について語っていましたが、
意外と保守的なのことに驚きました。
部分的にキーカラーを加え、反転してデッサン狂いがないかチェック。
デビイは最終的に反転したものを採用しています。
ワンテンポ遅れて、インナーボード用のイラストも同様に描き始めます。
デビイは肉感のあるボディラインにしたかったので、
素材集のものよりメリハリをつけています。
さらに修正を加えたもので、テストプレイもしています。
ゲーム内容のチェックもありますが、
描き下ろしたものが素材集のイラストと比較して、
遜色ないかご意見いただいています。
この頃になると女性にも率先してご意見をいただくようにしています。
ありがたいことに、評判は良好でした!!
かなりSEXYなデザインなので、
女性からの拒絶反応があるのではないかとドキドキしていましたが、
サブカルテイストなものにも理解を持っていただけたようです。
当初から、イラストを描き下ろすなら、
天使と悪魔にしようという構想があったのですが、
キャラクターを共通にして、
色変えするだけでもいいかと思っていたところで・・・
『・・・微乳好きもいることを忘れないでください・・・』
という紳士のご意見をいただくことになりました。
個人的にロリキャラは採用したくなかったので、
20代前半の設定で、童顔だけどちょっとSっ気のある女の子をイメージした、
アンジー(天使)ちゃんを描き始めました。
体型が豊満なデビイと差を出したかったのですが、
なかなか思うようなボディラインになりません。
上の画像もまだ初期のもので、顔を含めだいぶ違いますね。
彩色テスト後も、何度も調整し直してボリュームのない体型を模索しています。
髑髏のデザインもリアルタッチなものから、
チープで愛嬌のあるものに変更しています。
8月ごろのデザインです。
Photoshopで画像調整し、体型や表情を直しながら、
原寸にレイアウトした際のバランス調整。
陰影をつけ、身体のラインを強調しています。
イラストとしてはだいぶまとまった頃でしょうか。
イラスト発注用として描いたものですが、
評判がいいこともあり、だいぶ愛着もわいてきたので、
このまま採用することになりました。
この頃になると、ようやく布地を使った印刷の試し刷りをする算段ができています。
Photoshopを使って、ラフな線に加工したらどうなるか実験してみましたが、
それほど効果が出なかったのでボツにしています。
紙だと判別できますが、布地印刷だと汚くなるだけでしょうね。
ゲーム盤の隅にレイアウトした星は、ポイントマッチ用のカウンターですが、
気が付いた方が使う程度で十分と判断したので説明書には記載しませんでした。
この時期は、星の数を15個にしたり、
外したりとバージョンによって変化があります。
8月下旬に、布地印刷の校正が出てからは、印刷再現度の試行錯誤をする傍ら、
行きつけのBarや飲食店で、視認性やプレイ感などのテストもしています。
予想以上に布製のゲーム盤のプレイアビリティがよく、
ことあるごとにTwitterなどに投稿していましたね。
ただ、布地印刷のにじみの問題が解消されないため、
イラスト自体に手を加えたり、印刷濃度を調整。
初校では潰れ気味だった細部のディテールを
できるかぎり再現できるよう試行錯誤をつづけています。
そして、9月に入り、本当に最後の最後になって、
フレーム部分の色調を白地ベースから大きく変更しています。
白地部分が多いと、盤面全体がチープに見えるというご意見をいただいていましたが、
もう一方で、色が強くなるとコマが見えにくくなるというご意見もあり悩みました。
Twitterでアンケートを取ってみたところ、『白地ベース』の方が優勢だったのですが、
どんなテーブルで遊んでも見栄えがいい、現在の仕様に決定しました。
購入された皆さん、どちらの方がお好みですか?
機会があれば教えて下さい^^
ゲーム盤のデザインやイラストについて書いてきましたが、
パッケージについてもいくつか。
『Barで酒瓶といっしょに置かれてもカッコイイもの』をコンセプトにデザインしています。
・・・が、以前にも書いたように、
アダルト寄りのものに例えられることが多いですね。
まぁ、気に入ってもらえているようなので、良しとするべきでしょうか????
初期のデザインでは、ロゴ色を黄色にしていますね。
これだとお菓子っぽさが出てしまうため変更しています。
日本のボードゲーム事情に詳しい英国人のジョン・パワーさんから、
デザインや英語表記についてご意見いただいて調整したのもこの時期ですね。
円筒状のケースは局面で構成されているため、
レイアウトした文字が読める範囲が限られます。
意外と情報量を入れられないので注意したいですね。
ブルーとピンクの対決を色で表現するため、
特殊な配色になりましたが気に入っています。
この画像は初期のものですが、文字量やバランスなど苦心しました。
表側のキャラクターも、離してしまうとキャラがゆがんで見えてしまうため、
できるだけ近づけた構図になっています。
おかげでエロさが強調されてしまった気がしますが・・・アリなんでしょうね(たぶん
今回もだいぶ長くなってしまいました。
次回は作品名とタイトルロゴについて、いくつか書いておこうと思います。
タイトル表記については面白いハプニングがありました。
知らないことって、たくさんありますよね。
つづく
『グラギャモン』の制作は試行錯誤といえば聞こえはいいですが、
実のところ迷走に迷走を重ねていたといって過言ではないですねぇ。
よく完成したもんだと、我ながら思います^^。
ありがたいことに好評をいただいている
イラストやデザインについても、かなり検討をしています。
全体のデザインについては、
制作ノートの『需要あるのか?ないのか???』でも紹介しましたが、
既存のバックギャモンからなるべく離れながらも、
キャッチコピーでも『RE:DESIGN』としたように、
より分かりやすく、より遊びやすくなるよう工夫をしています。
でも、提案したものの中には、遊びにくくなるためにボツにしたものも。
上の画像をよく見ると、
ポイント(三角形のコマを置く場所)のグラデーションの配置や、
外周部分の突起が、水平方向にシンメトリになっていますね。
これはデザインを優先した結果なのですが、
バックギャモンプレイヤーにとってはポイントを数えにくく不評でした。
GPから発売されたバックギャモンボードの初版でも、
おなじデザインを採用したため、twitterなどでもかなり問題になりました。
インナーボードとアウターボードの間にある、バーのラインも、
細く目立たなくしたものの残しています。
意味のあるものは、残さないとダメなようです。
少し長くなりますが、イラストについていくつか。
普段はデザインの仕事をしていますが、
それほどイラストを描く機会はありません。
当初は素材集のものを流用していた『グラギャモン』も、
評判が良かったため、そのまま進めるか、
イラストレーターの方に発注するかで悩んでいました。
ただ、個人的には素材集のままでは制作物として物足りず、
もう少しインパクトを出せないかと、
彩色を思いっきり変えて『異色肌』にもチャレンジしてみました。
Twitterで公開したところ、かなり不評でしたね・・・orz
そんな矢先、闘病中の親族が危篤になり、
週末は自宅か事務所に待機することになりました。
その待機時間を使って、イラスト発注用のラフを描き始めます。
レイアウトを大きく変更したくないので、
素材集のイラストからポージングやバランスが変わらないようにしています。
海外のグラフィティアートや、タトゥなどをイメージして、
線は太めに力強いものにしています。
最初期のデビイ(悪魔)ちゃんです。
今とは全然違いますねぇw
やっぱプロに頼まないとダメだぁ〜〜〜〜〜!!
っと笑ったことを思い出します^^。
それでも数度描き直し、かなり現在のイメージに近づいてきましたね。
コスチュームはヤリ過ぎて怒られないように、
下着ではなく水着にしたのですが
・・・まぁ、あんまり変わんなかったかな?
露出に関しては、どのへんがリミットなのか、
かなり気にしながら制作をしていましたが、
いまだに答えがわからないところです。
先日、BGGのフォーラムで海外の方が
『グラギャモン』について語っていましたが、
意外と保守的なのことに驚きました。
部分的にキーカラーを加え、反転してデッサン狂いがないかチェック。
デビイは最終的に反転したものを採用しています。
ワンテンポ遅れて、インナーボード用のイラストも同様に描き始めます。
デビイは肉感のあるボディラインにしたかったので、
素材集のものよりメリハリをつけています。
さらに修正を加えたもので、テストプレイもしています。
ゲーム内容のチェックもありますが、
描き下ろしたものが素材集のイラストと比較して、
遜色ないかご意見いただいています。
この頃になると女性にも率先してご意見をいただくようにしています。
ありがたいことに、評判は良好でした!!
かなりSEXYなデザインなので、
女性からの拒絶反応があるのではないかとドキドキしていましたが、
サブカルテイストなものにも理解を持っていただけたようです。
当初から、イラストを描き下ろすなら、
天使と悪魔にしようという構想があったのですが、
キャラクターを共通にして、
色変えするだけでもいいかと思っていたところで・・・
『・・・微乳好きもいることを忘れないでください・・・』
という紳士のご意見をいただくことになりました。
個人的にロリキャラは採用したくなかったので、
20代前半の設定で、童顔だけどちょっとSっ気のある女の子をイメージした、
アンジー(天使)ちゃんを描き始めました。
体型が豊満なデビイと差を出したかったのですが、
なかなか思うようなボディラインになりません。
上の画像もまだ初期のもので、顔を含めだいぶ違いますね。
彩色テスト後も、何度も調整し直してボリュームのない体型を模索しています。
髑髏のデザインもリアルタッチなものから、
チープで愛嬌のあるものに変更しています。
8月ごろのデザインです。
Photoshopで画像調整し、体型や表情を直しながら、
原寸にレイアウトした際のバランス調整。
陰影をつけ、身体のラインを強調しています。
イラストとしてはだいぶまとまった頃でしょうか。
イラスト発注用として描いたものですが、
評判がいいこともあり、だいぶ愛着もわいてきたので、
このまま採用することになりました。
この頃になると、ようやく布地を使った印刷の試し刷りをする算段ができています。
Photoshopを使って、ラフな線に加工したらどうなるか実験してみましたが、
それほど効果が出なかったのでボツにしています。
紙だと判別できますが、布地印刷だと汚くなるだけでしょうね。
ゲーム盤の隅にレイアウトした星は、ポイントマッチ用のカウンターですが、
気が付いた方が使う程度で十分と判断したので説明書には記載しませんでした。
この時期は、星の数を15個にしたり、
外したりとバージョンによって変化があります。
8月下旬に、布地印刷の校正が出てからは、印刷再現度の試行錯誤をする傍ら、
行きつけのBarや飲食店で、視認性やプレイ感などのテストもしています。
予想以上に布製のゲーム盤のプレイアビリティがよく、
ことあるごとにTwitterなどに投稿していましたね。
ただ、布地印刷のにじみの問題が解消されないため、
イラスト自体に手を加えたり、印刷濃度を調整。
初校では潰れ気味だった細部のディテールを
できるかぎり再現できるよう試行錯誤をつづけています。
そして、9月に入り、本当に最後の最後になって、
フレーム部分の色調を白地ベースから大きく変更しています。
白地部分が多いと、盤面全体がチープに見えるというご意見をいただいていましたが、
もう一方で、色が強くなるとコマが見えにくくなるというご意見もあり悩みました。
Twitterでアンケートを取ってみたところ、『白地ベース』の方が優勢だったのですが、
どんなテーブルで遊んでも見栄えがいい、現在の仕様に決定しました。
購入された皆さん、どちらの方がお好みですか?
機会があれば教えて下さい^^
ゲーム盤のデザインやイラストについて書いてきましたが、
パッケージについてもいくつか。
『Barで酒瓶といっしょに置かれてもカッコイイもの』をコンセプトにデザインしています。
・・・が、以前にも書いたように、
アダルト寄りのものに例えられることが多いですね。
まぁ、気に入ってもらえているようなので、良しとするべきでしょうか????
初期のデザインでは、ロゴ色を黄色にしていますね。
これだとお菓子っぽさが出てしまうため変更しています。
日本のボードゲーム事情に詳しい英国人のジョン・パワーさんから、
デザインや英語表記についてご意見いただいて調整したのもこの時期ですね。
円筒状のケースは局面で構成されているため、
レイアウトした文字が読める範囲が限られます。
意外と情報量を入れられないので注意したいですね。
ブルーとピンクの対決を色で表現するため、
特殊な配色になりましたが気に入っています。
この画像は初期のものですが、文字量やバランスなど苦心しました。
表側のキャラクターも、離してしまうとキャラがゆがんで見えてしまうため、
できるだけ近づけた構図になっています。
おかげでエロさが強調されてしまった気がしますが・・・アリなんでしょうね(たぶん
今回もだいぶ長くなってしまいました。
次回は作品名とタイトルロゴについて、いくつか書いておこうと思います。
タイトル表記については面白いハプニングがありました。
知らないことって、たくさんありますよね。
つづく