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「酒場テイスト」なゲームをデザインするのに・・・ [・ビアヘックス]

昨日、BrainBrainGamesの齋藤さんが「ビアヘックス」の制作ノートを公開しました。

「ビアヘックス」制作メモ



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制作ノートの最後で、パスを出してもらっていますので、
デザイン面についてのアレコレを思い出しながら語っていこうと思いますw












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最初にご依頼のメールをいただいたのは2020年の6月。

コロナの影響で「ゲームマーケット大阪」「ゲームマーケット2020春」が中止になり、
外出禁止の日々が続く中のことでした。


当時のメールを読むと、ゲーム内容よりも、
ハードルの高い手作り制作をすることに目が止まりますw

その日に返信したメールもその確認だけですねww






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最初期の齋藤さんの構想としては、ビールの王冠や木材を使って、
自分だけのオリジナルコンポーネントを制作するという企画でした。

プラモデルの完成品と組み立てキットをイメージしてもらえるとわかりやすいかな。


・齋藤さんが手作り制作したゲーム

・手作り制作ゲームのキット



この2種類を販売するというものでしたが、
さすがにそれは無茶だろうと反対しています。




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この後に送ってもらったゲームボードのイメージラフ。

この段階ではゲームテーマは、
前作「フリップフロップ・エージェンツ」と同じく「スパイもの」でした。

最初期はゲーム内容よりも、部材等についてのやりとりがつづきますが、
ゲームシステムについては、お話しいただいた段階でかなり面白く、
製品版の「ビアヘックス」とほぼ同じルール。

息子とテストプレイを何度かしましたが、
「お父さんのつくるゲームより面白いんじゃね?」という高評価(泣)




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王冠を使うことから逆算して、
A4サイズにまとまるように、再設計したものがこちら。

仮タイトルとして「ベルリン1984」が入っています。
スパイコマを配置して、自分の陣営の情報ラインを繋ぐという設定。

ステンシルシート(スプレー用の型紙)として使用できるように考慮していますが、
黒、赤、黄の三色塗り分け含め、かなり難易度の高い設計になっています。

一点ものならまだしも、量産するのはリームーっすねw

実際に量産できるかテストしてもらいましたが、
やはり厳しいという判断になり、
齋藤さんを「手作り阿修羅道」へ突き落とさずに済んだと、
この時喜んだことを覚えています・・・。




王冠をコマとして使うことが確定。

テーマが「スパイもの」から「酒場テイスト」に変更された頃には、
手作り生産とは別に、通常印刷にした場合どうするかの検討も進めています。




SAITO0623.jpg

SAITO0629.jpg


ネスターゲームズのアブストラクトゲーム群をはじめ、
ヘックスを使用したゲームの見た目は、良くも悪くも似てしまいます。

そこで六角形のデザインから、どこまで離れられるかということを課題に、
いくつかのデザインラフを検討してみました。

手作り制作版では、スプレー缶をつかって、
木材や壁にボードを描くことを想定していたので、
ヨーロッパのグラフィティアートをイメージしています。





部材の仕様が決まらないまま7月に突入。

手作り制作の野望を捨てきれない齋藤さんから、
2種類の仕様で作れないかという提案をいただく。

「過去ボード」レトロ感のある西部劇風、手作り部数限定
「未来ボード」カラフルなSF風、通常印刷量産


「過去ボード」は齋藤さんお任せすることにして、
「未来ボード」のデザインをどうするかアイデアを練り直し。



SAITODARK.jpg

グラフィティアートをイメージしたものを
シルバーとゴールドでまとめ直したものです。

素材には、バーなどの酒場で遊べるようにしたいという要望から、
「グラギャモン」同様、布地ボードを提案していますね。

このデザインがテストプレイ場となっている長崎のサニーバードでも、
「テーマはよくわからんが無闇やたらにカッコイイ」と評判になったとのこと。




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東京でもテストプレイをしています。
写真はボードに合わせ、王冠の色を金銀に変更できないか提案した時のものですね。

この時点では王冠にシールを貼る予定でしたが、
金属の質感が大変よく、無垢のままでいいのではないかと提案しています。



この頃のメールを見ると「東京の感染者数150人勘弁して欲しい」なんて書いてありますね(ウヒー




何度かの打ち合わせの末、「未来ボード」の方向性が定まりました。

齋藤さんが検討していた「過去ボード」は
制作困難なこともあり、残念ながらボツにすることが決定。


ようやくタイトルも「ビアヘックス」に決定し、
作品としての方向性がまとまってきました。






・・・が、ここで思わぬハプニング・・・






なんと、「ビール」がタイトルに入っているゲームをデザインしているのに・・・






痛 風 に な り ま し た w






うげげげげげ...

コロナの影響でこもりっきりになっていたのが悪かったのか、
もともと尿酸値が高かったのですが、
しばらく動けぬ日々が続くことになりました。

実はこの頃すでに禁酒をしていたんです。
なんかこう釈然としないですねぇw




これ以降、痛風なのに「酒場テイスト」なゲームをデザインすることになります^^




さて次回は、王冠のラベルやそ化粧箱といった、
ボード以外のデザインについてお話ししたいと思います。



引き続きよろしくお願いいたします。




つづく

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