台紙データの罠 [■ゲーム制作おぼえがき]
少し前にアンケートした『ゲーム制作おぼえがき』として、
いくつかパッケージデザインについて書いていきたいと思います。
今回はプロでも間違えがちな、『台紙データの罠』について書いてみたいと思います。
ボードゲームの化粧箱には、
厚紙を印刷し、断裁、折り、組み合わせて箱にする『組み箱』と、
印刷された紙を、ボール紙の箱に貼り合わせる『貼り箱』があります。
今回紹介するのは後者の『貼り箱』。
高額ですが、耐久性に優れ、見た目も良いという利点があります。
でも、貼り箱特有のトラブルも発生します。
自分自身も、これまで仕事で何度も泣かされました・・・。
今回の説明で使用するのは『幻影探偵団』。
A5サイズの化粧箱です。
台紙データを見てみましょう。
実際には印刷されませんが、『折りトンボ』の位置に白のラインを入れています。
これがデータ上のカド位置になります。
また、だいたいの台紙データには、折り位置だけではなく、
『印刷限界範囲』が表示されています。
今回は便宜上、青のラインで表示してみました。
このライン内にロゴや文字を配置すれば印刷上問題ないとされています。
背の部分を見てもらうとわかりますが、
タイトルロゴや画像など、天地方向がセンター位置になるように調整されています。
では、実際の商品ではどうなっているか確認してみましょう。
いかがでしょう。
上に寄せられているのがわかります。
なんででしょうね。
『貼り箱』の場合、印刷物を機械でボール紙に貼るために、
若干ズレが生じることがあります。
でも、それだけじゃないんです。
『貼り箱』を斜めの角度で見てみましょう。
わかりますか。。。。
少し大げさに言うと『貼り箱』の場合、明確なカドがないんです。
カドが直角だと思われがちですが、
実際は丸みがかったカマボコ状のものがほとんど。
画像を少し加工してみました。
青く塗りつぶした部分が、台紙データで指定された表紙の範囲です。
実際に化粧箱を見た場合に、表紙だと認識する範囲に白いラインを入れています。
いかがでしょう、かなりズレが生じていますね。
ちなみにボードゲーム用のものではありませんが、
『貼り箱』タイプの化粧箱をななめにカットするとこんなかんじ。
折り返し部分の構造などは、箱の設計によって違いはありますが、
なんとなくイメージできるかと。
正面からの画像も加工してみましょう。
これだけ誤差が発生しています。
紙自体の伸び縮みや、個体差もあるでしょうが、
最大で2mm発生すると思ってください。
これによるデメリットとして下記のことが挙げられます。
・背部分のレイアウト天地方向にズレが生じる
・表紙と背の地色が違う場合、境目がズレて見える
・印刷限界範囲ギリギリに配置したロゴや文字がズレこむ
ショップに陳列された商品を見て、
『あぁ、そういうことか・・・』と納得するものがあると思います。
それでは、どのように対処すればいいのでしょう。
・台紙データと合わせて、化粧箱のサンプルをもらう
・台紙データと実際の化粧箱のサイズを計測し、誤差を確認する
・出来上がったデザインをプリント、採寸、断裁、折ってみる
・印刷限界範囲ギリギリに文字やロゴを配置しない(縮小するなど)
・色校正を取って確認し、問題があれば修正する
基本的には、印刷所と打ち合わせができるなら、
その場で相談するのが一番。
ただ、本業での話になりますが、
質問の意味がわからないという担当者に遭遇することもあります。
印刷代理業の方に多いですが、
自分が扱っている商材の知識ぐらいは入れて欲しいぞ。
ちなみに『幻影探偵団』では、事前に印刷所と相談。
台紙データのズレを確認した上で入稿。
色校正は取らず、仕上がった商品を確認し、
ズレに関しては許容範囲として自分の中でOKだしをしています。
とはいえ、油断すれば絶叫するような大きなトラブルが起きるかもしれません。
カードゲームなどの小箱の場合は、もう少しスレに関してシビアになってきます。
気をつけながらデザイン&入稿したいものですね。
いくつかパッケージデザインについて書いていきたいと思います。
今回はプロでも間違えがちな、『台紙データの罠』について書いてみたいと思います。
ボードゲームの化粧箱には、
厚紙を印刷し、断裁、折り、組み合わせて箱にする『組み箱』と、
印刷された紙を、ボール紙の箱に貼り合わせる『貼り箱』があります。
今回紹介するのは後者の『貼り箱』。
高額ですが、耐久性に優れ、見た目も良いという利点があります。
でも、貼り箱特有のトラブルも発生します。
自分自身も、これまで仕事で何度も泣かされました・・・。
今回の説明で使用するのは『幻影探偵団』。
A5サイズの化粧箱です。
台紙データを見てみましょう。
実際には印刷されませんが、『折りトンボ』の位置に白のラインを入れています。
これがデータ上のカド位置になります。
また、だいたいの台紙データには、折り位置だけではなく、
『印刷限界範囲』が表示されています。
今回は便宜上、青のラインで表示してみました。
このライン内にロゴや文字を配置すれば印刷上問題ないとされています。
背の部分を見てもらうとわかりますが、
タイトルロゴや画像など、天地方向がセンター位置になるように調整されています。
では、実際の商品ではどうなっているか確認してみましょう。
いかがでしょう。
上に寄せられているのがわかります。
なんででしょうね。
『貼り箱』の場合、印刷物を機械でボール紙に貼るために、
若干ズレが生じることがあります。
でも、それだけじゃないんです。
『貼り箱』を斜めの角度で見てみましょう。
わかりますか。。。。
少し大げさに言うと『貼り箱』の場合、明確なカドがないんです。
カドが直角だと思われがちですが、
実際は丸みがかったカマボコ状のものがほとんど。
画像を少し加工してみました。
青く塗りつぶした部分が、台紙データで指定された表紙の範囲です。
実際に化粧箱を見た場合に、表紙だと認識する範囲に白いラインを入れています。
いかがでしょう、かなりズレが生じていますね。
ちなみにボードゲーム用のものではありませんが、
『貼り箱』タイプの化粧箱をななめにカットするとこんなかんじ。
折り返し部分の構造などは、箱の設計によって違いはありますが、
なんとなくイメージできるかと。
正面からの画像も加工してみましょう。
これだけ誤差が発生しています。
紙自体の伸び縮みや、個体差もあるでしょうが、
最大で2mm発生すると思ってください。
これによるデメリットとして下記のことが挙げられます。
・背部分のレイアウト天地方向にズレが生じる
・表紙と背の地色が違う場合、境目がズレて見える
・印刷限界範囲ギリギリに配置したロゴや文字がズレこむ
ショップに陳列された商品を見て、
『あぁ、そういうことか・・・』と納得するものがあると思います。
それでは、どのように対処すればいいのでしょう。
・台紙データと合わせて、化粧箱のサンプルをもらう
・台紙データと実際の化粧箱のサイズを計測し、誤差を確認する
・出来上がったデザインをプリント、採寸、断裁、折ってみる
・印刷限界範囲ギリギリに文字やロゴを配置しない(縮小するなど)
・色校正を取って確認し、問題があれば修正する
基本的には、印刷所と打ち合わせができるなら、
その場で相談するのが一番。
ただ、本業での話になりますが、
質問の意味がわからないという担当者に遭遇することもあります。
印刷代理業の方に多いですが、
自分が扱っている商材の知識ぐらいは入れて欲しいぞ。
ちなみに『幻影探偵団』では、事前に印刷所と相談。
台紙データのズレを確認した上で入稿。
色校正は取らず、仕上がった商品を確認し、
ズレに関しては許容範囲として自分の中でOKだしをしています。
とはいえ、油断すれば絶叫するような大きなトラブルが起きるかもしれません。
カードゲームなどの小箱の場合は、もう少しスレに関してシビアになってきます。
気をつけながらデザイン&入稿したいものですね。
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