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テストプレイとデザインの変化 [-制作ノート]

今回はテストプレイをした日々と、
コンポーネントのデザイン変化をご紹介。


仮タイトルを『幻影探偵団』とした2014年3月頃から、
ボードゲームの制作者が集まって、それぞれの試作を遊ぶ、
テストプレイ会に再度持ち込んでいます。


『アイオーンの時計屋敷』がイマイチだったこともあり、
大きく修正したものがイメージどおりの動きで遊ばれるのか不安でした。

というのも、これまでは2人用ゲームをメインに制作してきたこともあり、
多人数用のゲームを試作するのが、初めてだったからです。




■テストプレイ会に持ち込む

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ボードがあるので立派に見えますが、
コンポーネントのデザインはまだ揃っておらず、
カード類はトランプを流用し、
黒地に文字だけ書かれた使用していました。

この段階では、新しく配置した分数計が機能するのか、
要素を絞った内容が、推理ゲームとして成立するのか、
といった、初期動作の確認がメインになります。

遊んでもらった方から、
「まだまだ調整が必要だが、面白かった」という感想があり、
継続して『幻影探偵団』の制作を進めることにしました。




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推理シートも現在のものとはだいぶ違っています。

「数独みたいで楽しかった!」という意見をもらい、
枠をなるべくつけないデザインで進めていた、
推理シートの方向性を大きく変えることのなりました。

推理シートの使用を敬遠する方がいるいっぽうで、
楽しいと感じてくれる方を確認できたのは大きな成果でした。


制作者同士のテストプレイ会は、お互いの試作品を遊び合うので、
気兼ねなく意見を言い合えるのでおすすめです。
また、ゲーム制作のコツや知識なども共有できるのもいいですね。

twitterなどで、そういった企画の呼びかけが増えているので、
気になる方はチェックしてみるといいと思います。





photo1.jpg

2013年4月頃のコンポーネントです。
カードやチップに絵柄が入っていますが、まだ仮のものですね。
アクションカードの構成や効果も現在のものとは、だいぶ違っています。

ボードも細部を修正しカラフルになりました。
右側の見取り図は台形になり、2階建ての構造が立体的に見えるよう変更されています。


オープンゲーム会など、大勢が集まる場所では、
声を出し、繰り返し質問をするゲームは、
どうしても聞き間違えや、書き間違えといったミスが発生します。

この頃、少しずつゲームとしてのバランスが整えられていく中、
それをいかに減らせるかが課題になっていました。






■オープンゲーム会に持ち込む

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2013年5月頃、ようやくオープンゲーム会に持ち込めるようになりました。

一番多く使われる『尋問』のミスを減らすために、専用の『尋問カード』が加わっています。

すでに裏面は『髑髏王からの招待状』になっていますが、
アイデアとしては招待状の方が早く、フレーバー要素になるが、
どうにかコンポーネントに加えられないかと検討していました。


この頃の尋問カードは視認性が悪く、上下の区別がつきにくいため、
何度かミスが発生しましたが、アイデアとしては十分活用できるものでした。

カード類のデザインも少しずつ変更され、現在のものに近くなりました。

アクションカードの構成も変更され、枚数の違いはありますが、
ほぼ現在のものと同じになっています。




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2013年6月頃、蒲田のオープンゲーム会『ミスボド』でのテストプレイの様子です。

こちらのゲーム会の特色として、ミステリ系のゲームがよく遊ばれることもあり、
テストプレイをお願いするには、かなりハードルが高かったのですが、
調整を繰り返してきたこともあり好評でした。

ただ、それでもバランスを含め、いくつもの修正案をいただくことになりました。

・推理と駆け引きのバランスについて(この頃は6:4ぐらい、理想は7:3)

・分数計と宝石チップの偏り

・シートフォルダーが黒紙で地味

・不要なアクションカード、強すぎるアクションカードの調整

・わかりにくい用語を変更する



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原価を抑えるために出来れば黒紙のままで進めたかったのですが、
それぞれの探偵団ごとにデザインの違うシートフォルダーを試作しています。

裏面には、それまでマークだけの存在だった、各探偵団の設定や、
ストーリーに関連する用語などをレイアウトしてみました。

これが予想外に好評で、ゲームの世界観を説明する際や、
ゲームをセットアップするまでの場つなぎになりました。

また各探偵団の名称を大きく記入していることで、
初対面のプレイヤー同士遊ぶときや、
色の区別がつきにくい方にも遊びやすくなりました。



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2013年7月頃には、タイトルを『幻影探偵団』に正式決定!!
ミスボドでのテストプレイを中心に、バランス調整を繰り返しています。
推理と駆け引きのバランスを、7:3に近づけるのが目標でした。

少し前から、分数計をバランスよく動かすために、
アクションカード『歯車』を使うことになりましたが、
その枚数や、効果についての調整に時間を割いています。


ゲームマーケットまで、まだ余裕があると思われそうですが、
8月以降、仕事が忙しくなることが決まっていたので、そろそろ仕様を確定しなければなりません。


推理ゲームの上級プレイヤーの方々にテストプレイしていただく機会が増え、
1ポイントの設定変更、1枚のカード追加といった少しずつのバランス調整で、
推理ゲームとしての精度が一気に上がった時期です。



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当時、『影男』は『迷探偵』と呼ばれてましたが、
名称も、ビジュアルも不評のため、変更することになりました。
な、なんと、のっぺらぼう!! 今見ると、たしかにイマイチですねぇ^^




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2013年9月頃になると、現在のルールに確定しています。

中央のボードの下に、公開されたアクションカードが3枚と山札があります。
これもテストプレイしていただいた方の意見を参考に、
アクションカードから行動を推理するという要素を加えた結果です。

『推理型対戦ゲヱム』や、『真相解明』といった名称も、
テストプレイをする中で提案してもらい、検討したものです。
見落とされがちですが、これすごく大事です!!


この時期になると、「えッ!まだテストプレイしてるのか!?」と驚かれることもありましたが、
発売する前に、やれることはやってみる覚悟でした^^


9月には、先行分をデザイン入稿しているのですが、
試作はまだまだ続きます。




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テストプレイの現場で、シートフォルダーの裏側が無地なのが寂しい、
アクションカードの構成を見れるようにしたい要望があり、
さらなる改良を施すことになります。

……この頃になると、原価どうなのよ????
ということを考えなくなっていた気がします(苦笑)

入稿先で、尋問カードの紙を倍額の高級紙に変更したり、
ゲームマーケット当日用のおまけまで制作していますからねぇ......(制作は計画的に!






■テストプレイをお願いする時のコンポーネント


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気がつけば、かなりの量のボツデザインです(これはほんの一部

ゲーム会に参加する時間が取れず、
仕事の合間にデザイン修正を繰り返した結果ですが、
「テストプレイのコンポーネントじゃない」と、驚かれることもありました(笑)

とはいえ、テストプレイをお願いする際は、
実際のコンポーネントに近づけたものでお願いする方がいいでしょう。

プレイアビリティを確認することはもちろん、
イラストを含め、コンポーネントのデザインは
ゲームを遊ぶモチベーションに大きく影響します。


オープンゲーム会でのテストプレイでは、
友人はもちろん、まったく面識のない方にもお願いしていますが、
ビジュアルがしっかりしたものを用意すると、
出てくる感想も違ったものになると感じました。

自分自身ができる範囲でかまわないので、
テストプレイヤーに楽しんでもらえるものを用意したいところです。

『傾国-KEIKOKU-』の制作ノートでは、
テストプレイをお願いするときの注意点について書いたものもあります。
これからゲームを作ってみたいと思う方は、一度読んでみてください^^。


テストプレイの日々






思ったよりも文面が長くなり、ダレてきましたが、
次回は『システム作りとストーリー』について、書いてみたいと思います。
 
お時間のある方は、おつき合いください^^
 
 
 
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