追加ルールをつくる [・制作ノート]
■倒国-TOUGOKU-
特典用ゲームとして企画された『傾国-KEIKOKU-』のプロトタイプ版は、
カード12枚、チップ12枚だけのゲームでした。
『傾国-KEIKOKU-』と同じく、賭けたチップの合計点を得るルールを採用していますが、
いくつか検討していたアイデアがありました。
そのひとつが、賭けたチップの数字をかけ算するというものでした。
さらにチップの数字も【0】やマイナス点といった、
『傾国-KEIKOKU-』では採用しなかったものも試し、
【0】【2】【4】【5】【7】【9】を使うルールになっていました。
このかけ算ルールは評判が悪くなかったものの、計算に手間がかかり、
たし算ルールに比べると駆け引きが大雑把になることから
プロトタイプ版ではボツになりました。
『傾国-KEIKOKU-』初版のテストプレイをお願いした友人の中には、
ギャンブル性の高いかけ算ルールの方が面白いという意見もあり、
追加ルールを制作することに決めたときに、真っ先にリスト入りしています。
ただし、チップの数字を変更・追加することができないので、
苦肉の策として【6】を反転させて【9】として使用するアイデアを採用しています。
かけ算なら9×9は欲しいですよね^^
『傾国-KEIKOKU-』との差別化を計り、ギャンブルゲームに特化することを考え、
さらに点数が加算される【役】もルールに加えています。
もともと点数計算が面倒なルールですが、ケイタイなどに電卓機能があり、
容易に計算が可能な現代なら、点数表を用意すればプレイに支障がないと判断したからです。
また『倒国-TOUGOKU-』はお酒の席で遊んでもらうことを想定しています。
居酒屋などではスペースが限られていることも考え、
A3のゲームボードを使用しないことにしました。
■覇者-HASHA-
前回のゲームマーケットの前から、
『傾国-KEIKOKU-』を多人数プレイできるゲームにできないか?
というご要望を多数いただいていました。
いくつかアイデア出しをしたものの、まとめきれずに全てボツ案になってしまいました。
そんなアイデアの中で、一番の変わりものが『覇者-HASHA-』の原型でした。
春秋戦国時代に調停役として活躍する覇者が主役になります。
できあがったルールは3人専用の交渉ゲームでした。
プレイヤーによって勝利条件が違い、ルール説明が難しく、
2人用の『傾国-KEIKOKU-』より需要が少ないことが見込まれます。
別作品として制作するには難しいこともあり、
細かいルールを詰める前にボツとなりました。
追加ルールを制作することになり、思い入れもあることから今回の蔵出しとなりました。
ところが、すんなりと進んでくれません。
予定していたルールではプレイ人数が増えることもあり、
『傾国-KEIKOKU-』のコンポーネントだけではチップなどの要素が足りないのです。
交渉の駆け引きをするために、どうしてもマッチ棒やおはじきなどの代用品が必要になります。
それは今回のコンセプトから外れることになります。
仕方がないこととはいえ要素を削り、再調整をした状態でテストプレイを繰り返しますが、
面白みに欠ける仕上がりになっていました。
ところが、ゲーム会に持ち込んでテストプレイをお願いしたところ、
既存のコンポーネントのみで駆け引きができるアイデアをいただき、その場で再調整。
テストプレイに参加していただいたゴン太氏のブログ
制約の多いゲームですが、今回の追加ルールで一番面白いものが出来たと思います。
テストプレイに参加していただいた皆さん、本当にありがとうございました!!
■傾国宮の殺人
『傾国-KEIKOKU-』第2版と同時進行でアイデア出しをしていたカードゲームが元になっています。
『クルード』などの推理ゲームの多くは、消去法で犯人や凶器を当てるルールで、
プレイ感が重く、時間のかかる内容になっています。
もう少し手軽に繰り返して遊べる推理ゲームを作れないかと検討していました。
また、時間経過で起こる第2の殺人や、共犯者の存在など、
ミステリ好きに喜ばれる要素を盛り込んでいます。
もともとは3人〜6人用で調整していましたが、
コンポーネントを流用する関係で、3〜4人用にするのが限界でした。
子供でも楽しめるものにしたかったので、ゲーム会だけではなく、
小学生の息子を相手にテストプレイを重ねています。
『傾国-KEIKOKU-』ゲームボードを流用している関係で、
ターンカウントコマや勝利点カウントチップの配置に
多少の無理感があるのはご愛嬌ということでお願いします(汗
機会があれば、完全版としてもう一度再挑戦してみたいゲームです。
『傾国-KEIKOKU-』のコンポーネントを使用して違うルールのゲームを作るのは、
予想よりハードルの高い作業でした。
結果的にはプロモーションカードを作るより、はるかに時間と手間がかかりましたが、
楽しめるものになったと思います。
さて、次回で第2版の制作ノートが終わりとなります。
もう少しおつき合い下さい^^。
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