追加ルールができるまで [・制作ノート]
第2版をリリースするにあたって、なにか追加要素を用意したい。
すでに初版や追加生産版をすでにお持ちの方にも楽しんでもらえるもので──
当初はプロモーションカードとして、
0番のキャラカードを作れないかと検討しています。
『0』なので使えばかならず勝負に負けるけど、
次の勝負から何らかの効果を発動するというものでした。
・キャラカードの強弱が反転する
・キャラカードの数字に+1される(傾国と暴君の関係はそのまま)
・キャラカードの数字に-1される(傾国と暴君の関係はそのまま)
・進軍チップの数字に関係なく、勝てば【5】【15】の城チップに移動できる
・キャラカードをオープンしてセットしなければならない
・出されたキャラカードの数字の合計が偶数なら先手の勝ち、奇数なら後手の勝ち
アイデア出しは楽しかったのですが、
実際に使用するとなると完全に別のゲームになってしまいます。
初版の制作段階でも『バトルライン』の戦術カードような
特殊効果を発動するものを提案されたことがありますが、
わずか6枚ずつのカードの駆け引きには強すぎます。
おまけ要素なんだから、別のゲームになっても問題ないだろう。
とは思いましたが、どうしても自分の中でしっくりきません。
でも、『別のゲーム』という部分から、新しいアイデアが生まれました。
『傾国-KEIKOKU-』のコンポーネントを使って、別のゲームを作れないだろうか。
例に出すのも恐れ多いことですが、クニツィア先生の『古代ローマの新しいゲーム』では、
コンポーネントを組み合わせて14のミニゲームを楽しめる仕様になっています。
同じように春秋戦国時代をテーマにしたミニゲームが作れないだろうか。
プロモーションカードの制作を止め、
今までボツにしたゲーム案や、検討中のアイデアを再構成し、
最終的に3つの追加ルール案を検討するようになりました。
3月以降、ある程度ルールが決まったところで、
友人やゲーム会でお世話になっている方々とテストプレイを進めています。
テストプレイでは問題点が指摘され、『傾国-KEIKOKU-』のコンポーネントだけで、
新しいゲームを作るのは難しいのではないかとも思いましたが、
感想とともに多くのアイデアもいただき、現在の形にまとめることができました。
『傾国-KEIKOKU-』のルールを作る時も、たくさんの方にお願いしましたが、
やはりテストプレイは重要ですね。
■テストプレイの日々
そんな経緯を経て、『傾国-KEIKOKU-』の3つの追加ルールはブログで公開することになりました。
■追加ルール
当然マニュアル制作やルール解説が3倍になるので大変でしたが、
楽しみながら進めることができました。
次々と新作がリリースされるボードゲーム業界で、
ちょっと変わった試みができたと思っています。
ゲームマーケット当日に、追加ルールの配布をしませんでした。
本来遊んでもらいたい『傾国-KEIKOKU-』というゲームがぼやけてしまうと判断したからです。
ただ、これについては、当日購入していただいた方から、
モノクロでもいいから欲しかったというご意見もいただいており、
どちらが正解だったのか悩んでいるところです。
『古代中国の新しいゲーム』としてリリースしていれば問題なかったんでしょうね(それはそれで・・・
後日、ゲーム会やTwitterで追加ルールのマニュアルをダウンロードし、
パッケージに入れているという声もいただいています。
『傾国-KEIKOKU-』同様、遊んでいただければ幸いです^^。
さて、少し長くなってしまったので、
3つの追加ルールの内容については、また次回とさせていただきます。
それそれのルールでやりたかったことを中心に、
紹介させていただきます。
つづく
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