マニュアルのできるまで [・制作ノート]
せっかく面白いゲームがあっても、
マニュアルがなければ遊び方がわかりません。
マニュアル作りはゲーム制作の中で、1、2を争う重要な作業だと思います。
『傾国-KEIKOKU-』もかなり入念にマニュアル作りをしたつもりですが、
いろいろご質問、ご指摘をいただきました。
本業でもマニュアルのデザインをしてきましたが、何度やっても大変ですね。
しかも、今回は文面も自分で考えなければなりません。
残っていた資料の画像を交えながら、マニュアル制作の過程を順に見ていきましょう。
■台割&レイアウト案
マニュアル制作の順番は、人それぞれだと思いますが、
『傾国-KEIKOKU-』では台割から進めています。
A5サイズで4ページ。文字は横組、左開き。
文字組は1ページに2段組みを想定しています。
A5サイズに1段組みで文字をレイアウトすると、文章は読みにくく、
また、行替えした場合に余白ができ、無駄なスペースが多くなりやすいので、
2段組みにするのがおすすめです(例外もあります)。
この段階で、カードやチップの名称なども決めています。
説明文を書く時に、名称があやふやだと、あとで大変です^^。
プレイ開始時の全体図は、なるべく大きくレイアウトしたいと考えていました。
写真いっぱつ撮りでは分かりにくいので、
面倒ですが、それぞれパーツごとにキリヌキ画像で用意することを、
この段階で決めています。
それぞれの説明文が入るスペースなども、ざっくりと考慮していますね。
ラフの段階でそういったことを決めておけると、
実際の作業がスムーズに進みます。
ところどころ表組や、画像を盛り込んだプレイイメージをレイアウトしたかったので、
どれくらいのスペースが必要なのか、ラフ描きしていますね。
実際にレイアウトしてみると、収まりきらないことも多いですが、
全体のイメージを整理するためにも、
こういった作業はおろそかにしない方がいいでしょう。
■原稿の整理
台割といっしょに、説明文の原稿も同時に進めています。
レイアウトのなかにどれくらいの文字が入るのか考慮しながら、
文章量を調整できればいいのですが、なかなか難しいですね。
実際は思いつくままに書いたものを、削る作業になりました。
レイアウトに流し込む前の原稿は、
かなり荒削りでミスも多いものでしたが、
あとで調整することを前提に進めています。
マニュアルは全体の流れが重要なので、
すべてレイアウトしたラフを見ながら修正を加えるのが、
一番間違えがない方法だと思います。
■レイアウトラフ
今回はイラストレーターで制作しています。
台割とそれぞれのイメージラフをもとに、
実際の寸法に落とし込んでいきます。
何度か修正を加えながら、イメージに近づけていくのですが、
実作業をしていくうちに新しいアイデアを取り入れることも。
取りあえず、自分でひととおり読んで、
問題がないかを確認したうえで、第3者に読んでもらうことになります。
■初期のマニュアル
レイアウトラフの段階から、すでに何度か修正を加えていますが、
この段階でいろいろな方にご意見をいただいています。
全体のイメージは実際のマニュアルに近いですが、
今見るとかなり読みにくいですね。
・丁寧に説明しようとして、逆に分かりにくい文章
・用語にはカッコをつけているが、文章の流れが悪い
・需要な部分に色を入れたものの、多すぎてチカチカする
・用語集も本文と重複してしまい、混乱する
・全体的に文字量が多く、読む気がしない
・出だしのストーリーが意味不明
など、残念ながら否定的な意見を多くいただくことになりました。・・・トホホ。
ここからさらに修正を加えていきますが、以下の点を注意しながら進めています。
・できるだけ文字数を減らし、読みやすい行間で文字も大きくする。
・文字に色を使いすぎない。
・初心者に分かりづらい専門用語は極力控える。
・ひとつのコンテンツをなるべく短くする。
・不要な作者の思い入れはなるべく盛り込まない。
■再調整されたマニュアル
『傾国-KEIKOKU-』の内容を、通常のゲームとロングゲームに分けたのも、この時期です。
ルールを読んで、まず短いゲームを何度か楽しみ、
慣れてからロングゲームをプレイしてもらう方が、
初心者にも分かりやすいと判断しました。
■ネットへの公開
早い段階から、マニュアルをネットで公開することを予定していました。
初参加で知名度のない『傾国-KEIKOKU-』の内容を知ってもらうには、
マニュアルの公開が不可欠。
また、先行して部分的な内容を公開し、
ブログの記事にするのもいい方法かもしれません。
実際にマニュアルの公開で、興味を持っていただいた方もいらっしゃいますし、
なによりマニュアルの不備や、疑問点を指摘してもらえたことは大きな収穫でした。
すでにマニュアルをプリントした後でしたが、
ゲームマーケット当日には、マニュアルの補足をまとめたペラ紙を用意することができたし、
Q&Aコーナーを用意することで、ゲームの疑問点や分かりにくい部分を、
画像付きで説明することができました。
■修正を反映したマニュアル
ネットで指摘された部分や、レイアウトを再調整した修正版です。
やはり修正したものの方が読みやすいですね。
後日、マニュアルのコーナーにも掲示しますが、
なにか不備があれば対応しますので、お手数ですがご連絡ください。
■インスト&リプレイ動画
これだけ試行錯誤を繰り返しても、
動画の力に太刀打ちできないと感じることもあります。
ゲームマーケットには間に合いませんでしたが、
『傾国-KEIKOKU-』のインスト動画も用意してみました。
急造品なのでイマイチな出来ですが、
それでも作った方が良いと思います。
やはり動く映像と音声は、頭に入りやすいですよ。
一度動画でルールを覚えれば、マニュアルも一気に読みやすくなりますから^^。
さて、制作ノートでは『傾国-KEIKOKU-』を作るきっかけから、
制作での試行錯誤を中心に書いてきましたが、
どういうゲームに影響を受け、どんなゲームにしたかったのか、など、
肝心の『傾国-KEIKOKU-』について語っていませんでしたね。
次回はゲームとして『傾国-KEIKOKU-』が目指したことをまとめたいと思います。
予定よりもかなり長くなってしまった制作ノートもあと少して終わりです。
もうしばらくおつき合いください^^。
マニュアルがなければ遊び方がわかりません。
マニュアル作りはゲーム制作の中で、1、2を争う重要な作業だと思います。
『傾国-KEIKOKU-』もかなり入念にマニュアル作りをしたつもりですが、
いろいろご質問、ご指摘をいただきました。
本業でもマニュアルのデザインをしてきましたが、何度やっても大変ですね。
しかも、今回は文面も自分で考えなければなりません。
残っていた資料の画像を交えながら、マニュアル制作の過程を順に見ていきましょう。
■台割&レイアウト案
マニュアル制作の順番は、人それぞれだと思いますが、
『傾国-KEIKOKU-』では台割から進めています。
A5サイズで4ページ。文字は横組、左開き。
文字組は1ページに2段組みを想定しています。
A5サイズに1段組みで文字をレイアウトすると、文章は読みにくく、
また、行替えした場合に余白ができ、無駄なスペースが多くなりやすいので、
2段組みにするのがおすすめです(例外もあります)。
この段階で、カードやチップの名称なども決めています。
説明文を書く時に、名称があやふやだと、あとで大変です^^。
プレイ開始時の全体図は、なるべく大きくレイアウトしたいと考えていました。
写真いっぱつ撮りでは分かりにくいので、
面倒ですが、それぞれパーツごとにキリヌキ画像で用意することを、
この段階で決めています。
それぞれの説明文が入るスペースなども、ざっくりと考慮していますね。
ラフの段階でそういったことを決めておけると、
実際の作業がスムーズに進みます。
ところどころ表組や、画像を盛り込んだプレイイメージをレイアウトしたかったので、
どれくらいのスペースが必要なのか、ラフ描きしていますね。
実際にレイアウトしてみると、収まりきらないことも多いですが、
全体のイメージを整理するためにも、
こういった作業はおろそかにしない方がいいでしょう。
■原稿の整理
台割といっしょに、説明文の原稿も同時に進めています。
レイアウトのなかにどれくらいの文字が入るのか考慮しながら、
文章量を調整できればいいのですが、なかなか難しいですね。
実際は思いつくままに書いたものを、削る作業になりました。
レイアウトに流し込む前の原稿は、
かなり荒削りでミスも多いものでしたが、
あとで調整することを前提に進めています。
マニュアルは全体の流れが重要なので、
すべてレイアウトしたラフを見ながら修正を加えるのが、
一番間違えがない方法だと思います。
■レイアウトラフ
今回はイラストレーターで制作しています。
台割とそれぞれのイメージラフをもとに、
実際の寸法に落とし込んでいきます。
何度か修正を加えながら、イメージに近づけていくのですが、
実作業をしていくうちに新しいアイデアを取り入れることも。
取りあえず、自分でひととおり読んで、
問題がないかを確認したうえで、第3者に読んでもらうことになります。
■初期のマニュアル
レイアウトラフの段階から、すでに何度か修正を加えていますが、
この段階でいろいろな方にご意見をいただいています。
全体のイメージは実際のマニュアルに近いですが、
今見るとかなり読みにくいですね。
・丁寧に説明しようとして、逆に分かりにくい文章
・用語にはカッコをつけているが、文章の流れが悪い
・需要な部分に色を入れたものの、多すぎてチカチカする
・用語集も本文と重複してしまい、混乱する
・全体的に文字量が多く、読む気がしない
・出だしのストーリーが意味不明
など、残念ながら否定的な意見を多くいただくことになりました。・・・トホホ。
ここからさらに修正を加えていきますが、以下の点を注意しながら進めています。
・できるだけ文字数を減らし、読みやすい行間で文字も大きくする。
・文字に色を使いすぎない。
・初心者に分かりづらい専門用語は極力控える。
・ひとつのコンテンツをなるべく短くする。
・不要な作者の思い入れはなるべく盛り込まない。
■再調整されたマニュアル
『傾国-KEIKOKU-』の内容を、通常のゲームとロングゲームに分けたのも、この時期です。
ルールを読んで、まず短いゲームを何度か楽しみ、
慣れてからロングゲームをプレイしてもらう方が、
初心者にも分かりやすいと判断しました。
■ネットへの公開
早い段階から、マニュアルをネットで公開することを予定していました。
初参加で知名度のない『傾国-KEIKOKU-』の内容を知ってもらうには、
マニュアルの公開が不可欠。
また、先行して部分的な内容を公開し、
ブログの記事にするのもいい方法かもしれません。
実際にマニュアルの公開で、興味を持っていただいた方もいらっしゃいますし、
なによりマニュアルの不備や、疑問点を指摘してもらえたことは大きな収穫でした。
すでにマニュアルをプリントした後でしたが、
ゲームマーケット当日には、マニュアルの補足をまとめたペラ紙を用意することができたし、
Q&Aコーナーを用意することで、ゲームの疑問点や分かりにくい部分を、
画像付きで説明することができました。
■修正を反映したマニュアル
ネットで指摘された部分や、レイアウトを再調整した修正版です。
やはり修正したものの方が読みやすいですね。
後日、マニュアルのコーナーにも掲示しますが、
なにか不備があれば対応しますので、お手数ですがご連絡ください。
■インスト&リプレイ動画
これだけ試行錯誤を繰り返しても、
動画の力に太刀打ちできないと感じることもあります。
ゲームマーケットには間に合いませんでしたが、
『傾国-KEIKOKU-』のインスト動画も用意してみました。
急造品なのでイマイチな出来ですが、
それでも作った方が良いと思います。
やはり動く映像と音声は、頭に入りやすいですよ。
一度動画でルールを覚えれば、マニュアルも一気に読みやすくなりますから^^。
さて、制作ノートでは『傾国-KEIKOKU-』を作るきっかけから、
制作での試行錯誤を中心に書いてきましたが、
どういうゲームに影響を受け、どんなゲームにしたかったのか、など、
肝心の『傾国-KEIKOKU-』について語っていませんでしたね。
次回はゲームとして『傾国-KEIKOKU-』が目指したことをまとめたいと思います。
予定よりもかなり長くなってしまった制作ノートもあと少して終わりです。
もうしばらくおつき合いください^^。
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